真・あっちの世界ゾ〜ン・第百夜「百物語」
いたこ28号さん談
あるホラー映画でこんな会話が交わされていた。 男「なぜ聖書にパワーがあるのか知っているか?」 子供「そんな事きまってるだろう。神の言葉が書かれているからだよ。」 男「・・神の言葉が本当に書かれていると思うのか? 仮にそうだとしても、神の言葉を一字一句間違いなく記されている思うか?」 子供「記されているに決まってるじゃん。」 男「神様は英語を喋らなかったよ。」 子供「英語じゃないの?」 男「それに、言葉から言葉へと伝えられてから、後世に書き残されたんだよ。」 子供「それじゃ、あんまりあてにならないじゃん。」 男「そうだね。・・・細かいところは違うかもしれないね。」 子供「じゃなぜなの?」 男「それはね・・・大勢の人達が聖書を信じているからだよ。」 ついにこの日が来ました。 再び百話達成です。 こんばんわ、いたこ28号です。 今回の話は少し書くことをためらいました。 何度も書くのを止めようと思いました・・・ ・・・しかし・・・・ 恐怖は分かち合ってこそ素晴らしいのモノに成るのだと・・ それが「あっちの世界ゾーン」が目指す本来の姿だったのだと・・・ ・・・・何時の間にか、邪悪な志を忘れていたのです。 今回は百物語に関係がある「 実 話 」です。 だからこそ、書き記さなければいけなかったのです。 恐怖は前回の「新・あっちの世界ゾーン」が百話を達成した時に始まりました。 実はその時、まだホームページには八十数夜しか載せいませんでしたが、 百物語は完成していたのです。 後はアップロードするだけだったのです。 私は、ある意味では一番最初に百物語を読み終えていたのです。 私には邪悪な企みがありました。 御盆の日に百夜を完結させようと思っていたのです。 百物語完結には素晴らしい日だと・・・・ 怪奇現象が起こりやすく、恐怖もますだろうと・・・。 そして、その百話目には私の体験談を載せていました。 身体の調子が悪くなったのは、その百話を完結させた夜からでした。 投書してくれた人以外見ていない、数話で完成された百物語が、 アップロードを待つばかりのソレが、私のパソコンのハードディスクに生まれた日の夜でした。 最初のそれは、真夜中に突然起りました。 呼吸が出来なくなり苦しさで目がさめたのです。 恐怖はありませんでした。 年に何回かは、そんな事があるので、その時はさほど気にもせずに再び眠りにつきました。 その日を境に、夜中に呼吸が出来なくなり苦しさで目がさめる事が続きました。 会社での健康診断中に、私は医師にその事を相談しました。 ・・・・肥満の人間には良くある事らしい。 私は痩せています。 ・・・血液検査では、いつも栄養失調の境目をうろうろしているのです。 血液中のコレステロールが異常に少ないのです。 これは私の父親方一族全ての男性がそうなのです。 この謎に関係すると思われる先祖にまつわる因縁めいた話があるのですが・・・ 今回の話には関係が無いので、その話はまた今度の機会に・・・。 で、 検査の結果は不明でした。 ストレスから来るものかも・・・と・・・・ どうしても続くようなら耳鼻科に行くようにと告げられました。 その日の夜も、呼吸が出来なくなり苦しさで目をさましました。 ・・・・不思議なのです。 まったく悪夢などを見ているわけでも無く、突然息が出来なくなり苦しくて目がさめるのです。 目を開けてからも、少しの間呼吸困難が続いたので、この日初めて恐怖を感じました。 「死」を連想させる恐怖を・・・。 ストレスなのだろうか? 私には確かに思い当たる事はありました。 しかし、その苦しんでいた時に、何故かその時に原因の元を感じたのです。 ・・・思い付いたのではなく・・・感じたのです。 百 物 語 だ と。 ・・・今考えたら、その時に何かしら対処をしなかった事を後悔しています。 そして、次の日の真夜中に、奴はやってきました。 私は築十年以上たつアパートに一人暮らしをしています。 六畳、四畳、風呂、トイレ付・・・。 ベットは壁に沿って置いてあり、枕を置いている方も壁になっています。 だから、眠る時は頭の上は壁になるのです。 その日も何時ものように、深夜1時すぎにベットに入りました。 全ての電気を消して・・・・。 数時間後、突然呼吸が出来なくなり、苦しさで目を開けました。 今日は何時もと様子が違っていました。 目を開けているのに、呼吸が出来ない時間が長いのです。 身体も動かない。 それに何も見えない。 いくら部屋の電気を消していると言えども、普通なら何か見えるものです。 しかし、闇なのです。 目の前が闇なのです。 苦しさで気絶しそうになりました。 何かを吐いたような衝撃の後、やっと呼吸ができました。 と、同時に闇の理由が解り恐怖しました。 それは闇ではなかったのです。 奴が私の顔にへばりついていたのです。 だから何も見えなかったのです。 奴は私の口に口を押し付けていたのです。 奴は、その途端、グゥ〜・・と、私の目の前に顔を持ち上げました。 絶叫! 声は出せなかったのですが絶叫しました。 心臓が止まるかと思うぐらいに絶叫しました。 金縛りからか恐怖からか身体は動きません。 それに奴は私の両肩を抑えていました。 私の頭の方にある壁から、身体を突き出し両肩を抑えていました。 顔はまるで真っ黒い塊で目も鼻も無く、口だけが大きく裂けていました。 「にぃ〜」と笑ているようでした。 大きくさけたような口に、白い歯が並んでいるのが見えました。 いや、何故か歯だけが白く異常に光って見えたのです。 男だった。 理由は解らないが、奴が男だと私には解ったのです。 奴の長い髪は、いくつにも編まれていました。 再び絶叫。 奴は再び私の口に吸い付こうとしてきました。 私は顔を少し動かし避けました。 奴は何回も私の口に向かって吸い付いてきました。 身体が動かない。 首だけしか動かない。 声も出ない。 しかし絶叫しつづけました。 突然、私に不思議な感覚が襲ってきました。 「恐怖」が「怒り」に変わってきたのです。 物凄い怒りが、私の身体を突き抜けて行きました。 「なんで俺が、こんなホモ野郎のクソ幽霊に犯されそうにならなきゃならないんだ!」 私はありとあらゆる罵声を浴びせました。 ・・・と、言っても声がでないので、心のなかで浴びせていました。 奴が怯んでいくのが解りました。 逃げようとしているのが解りました。 右手が動いた。 ・・・今考えたら、何故そんな事が出来たのか不思議なのですが、 私は奴を逃がすまいと思い、消えようとする奴の左手を掴んだのです。 「逃げるな、クソ野郎!!」 二ュルと言う感触が・・・・ 奴は形が崩れ、天井で煙のようになってへばりついていました。 私の方は、あの嫌な感触で我に帰り・・・ ・・げぇ・・恐い。 金縛りがとけた私は、悲鳴に近い雄叫びを上げながら電気を付けました。 「バッチ!!」 ラップ音と共に、その煙のようなものは弾けて消えました。 部屋の全ての電気を、ついでにTVを付けて、 「逃げていいよ、逃げていいよ、逃げていいよ・・・」 と、恐怖におののきながら・・・ 今自分がした行為に恐怖しながら、朝まで呟いていました。 私は、百物語を百話にしないようにして、発表してしまえば、邪悪なパワーも見た人全てに 拡散されてるのではないかと思い、・・・なんの根拠もないが・・・・ とにかく、早く発表してしまった方が安全だと、その時には感じました。 ・・・そうしろと、私の感覚が叫んでいたのです。 百物語完成の日を境に、呼吸困難で目がさめることは無くなりました。 しかし、今だにあの時の恐怖を思い出し、電気をつけてないと眠れない日があります。 ・・・・こんな年齢でトラウマになるとは。 私が「心霊系」のHPを持っている事を話すと、殆どの知人達にこう言われました。 「・・・大丈夫か?・・・ヤバい事が起らないか?」 私は、あの事が起るまで、かならずこう答えていたのです。 「百話になっても、全ての話が実話だとは限らないから大丈夫だよ。」 しかし、その考えは間違っていました。 たとえ全てが真実ではなくても、それに恐怖する人間がいれば、 多くいればいるほど、 そこにはなんらかの負のパワーが生まれ、新たな恐怖が生まれ、 その恐怖から逃れる事が出来なってくるのです。 想像から生まれた恐怖は、簡単にとり憑いてくるのです。 あらゆる形となり姿となり・・・・・・。 ・・・・貴方も最後まで読んでしまいましたね。 ・・・・さようなら・・・・・今夜、楽しい悪夢を。 |
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