あっちの世界ゾ〜ン第十壱夜「呪われたベット」

奥村紀子(真名)さん談


夢の世界と聞いて、やばいことを思い出しました。

寝るにはベットが必要ですよね(畳の上でという人もいるかも)。

もし、そのベットにやばいものが憑いていたら・・・

これは、私の従兄弟の話です。


従兄弟直也(仮名)くんは夢遊病にかかりました。

夜になると、どこかへ歩いていってしまうのです。

朝起きると、足は泥だらけ。

家族もどこに行っているのか、と聞いても、直也くんは覚えていません。

だから、夢遊病といっていました。

ところが、ある日、帰ってこなかったのです。

一生懸命家族で探しました。

しかし、直也くんが行動できる範囲にはいません。

夕方、家に帰りました。

やはり、帰っていません。

そこへ警察から連絡が。直也くんを保護したという話です。

しかも、場所は歩いて半日はかかる河原です。

どうやってそこまで行ってしまったのかはわかりません。

直也くんを引き取りに両親は車で行きました。

直也くんは、どうしてここにいるのはわからないでいました。

行ったことがない場所ではありません。

しかし、いったのはバスで、小学校の遠足です。

パジャマ姿の直也くんは、手も足も汚れていました。

手も? 両親はおかしなことに気付きました。

今まで足だけだったのが、手まで汚れている。

その日は、とりあえず、警察に御礼をいって帰りました。

ところが、次の日も、また次の日も、それが続きます。

どうしてだろうか。

考えていると、ふと、木製のベットが気になり出しました。

買ったはずのベットです。

それで寝るようになってから、直也くんはおかしくなりました。

ためしに、直也くんを畳の上に寝かせました。

すると、夢遊病は発生しませんでした。

原因の全てはベットにあったのでした。

それから、すぐにベットは廃棄されました。


今では、健康に生活しています。

とても、夢遊病にかかっていたとは思えません。

それにしても、あのベットはなんだったんでしょうか。

木製のベットには気をつけましょう。

おしまい





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