あっちの世界ゾ〜ン第弐夜「あの高い所の怖い話」

三堂りあるさん談




予告した新ネタではありませんが、

以前チャットで話し損ねたこの話しを書き込もうと思います。

みなさんに問題です。

結構有名な60階建ての建物と言えば、

「ドルアーガの塔!」


はい、正解です。

根性があった昔はがんばってクリアしたゲームですが、

今はすっかり腑抜けてしまったのでやる気も怒りません。

最近出た「テイルズオブデスティニー」に隠しイベントとして存在してたりして

なかなかオールドゲーマーを楽しませてくれます。


でも今回書き込む話はソレではありません。

池袋にそびえ立つあのデッカイ建物、そう「サンシャイン」の話です。


「呪いのローラー!」

・・・って悪魔超人ですか?

あなたもネタが古いですねぇ。


気を取り直して話を続けます。

結構有名な事実ですが、

元巣鴨プリズン跡地ということで「出る」という話をよく聞くところです。

同人誌の即売会のために徹夜していたオタクちゃんが、どエライ目にあったりしています。

まさに大都会のミステリーゾーン!


これはサンシャインの中に職場があった人の話です。



サンシャインの中に職場のあったAさんはその日、残業で遅くまで残っていました。

ようやく仕事も一段落したので、

職場に鍵を掛けて、コンクリートタイルの廊下をコツコツと歩いていました。


・・・?

何か自分以外の足音が聞こえた気がしました。

「遅くまで残っていたので疲れたんだ、気のせいだろう」

そう思ってまた歩き始めました。


コツコツコツ・・・

 コツコツコツ・・・


やっぱり誰かいるようです。

でもやっぱりAさんは大人ですから、そういう音ですぐに

「怪奇現象」とは決めつけないのです。

「きっと、警備員の人が見回っているんだ」と思い納得しました。


前方には誰もいないようなので、後ろを見てみました。

けれども誰もいません。


気味が悪いので早く帰ろうと足を早めました。

コツコツコツ・・・

 コツコツコツ・・・

やはり聞こえます。

自分に合わせて歩く足跡が!


そしてその後、Aさんは足跡の正体に気が付いたのです。


Aさんの歩いている廊下はビルの端で窓があるんです。

夜、明るい部屋の中から窓を見ると光の屈折作用によって鏡みたいになりますよね。

だかせ窓にはAさんが映っていたのです。




いや少し違いました。

映っているAさんの輪郭が少しぼやけているというか

「変」だったのです。

そして、気が付いたのです。


窓の外に自分と同じ位置に誰かがいるのです。

でも窓が鏡みたいになっているからよく見えません。

でもよく考えると妙な話です。

窓の向こうは当然、外なわけです。

こんな時間に、窓の掃除をしている人がいるわけがありません。


恐怖が好奇心に勝ったのか、好奇心で恐怖を誤魔化したのか、

Aさんは窓に顔を近づけて外に「何」がいるのか、確認しようとしました。


暗い外を映す窓は鏡のようになっており、Aさんと後ろの壁が映っています。

近づいているうちに外の様子が少しずつ見えてきます。


「!」

Aさんは窓に額がくっつくぐらいの距離で外にいたモノの正体を知りました。


それは青く険しい顔をした軍服の男。

その男もAさんと同じように窓に顔を近づけて窓の中を見ていました。

Aさんはガラス一枚の距離で、あの世の男と睨み合ってしまいました。


その後、Aさんはよく覚えていないらしいのですが、逃げ帰ったそうです。

今でも仕事は続けているが、絶対に残業はしない、社員になったそうです。







緊急特報!
 ここに行けば三堂りある氏

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