あっちの世界ゾ〜ン第三十五夜「部屋」

かおりんさん談


三堂りあるさんの話の「釘部屋」、一回見てみたいなぁ。

幽霊が出るとしたら、どんなのが出るのかな?

興味深々。


実家の私の部屋は、はっきり行って溜まり場と化してます。

夜中に起こされると、部屋の真中に白っぽい服を着た女の人が立ってたり、

クローゼットの中に上半身だけの恨めしそうな男の人が居たり。

ときどき、ポルターガイスト現象なるものまで起きる。

突然ベットが左右に動き出したなんて、よくあることなんです。

高校生ぐらいになると、かなり冷静に対応してましたけど。

慣れって恐ろしい。


そもそも部屋の位置が悪いんですよね。

一応東向きに窓があるんですが、すぐ目の前1メーターほどのところに

隣の家の壁があるので、日光が入らない。

だから一日中暗い。

風通しは悪いし、せっかくある天窓もなんか役に立ってない。

その上霊感なるものをおばあちゃんから受け継いじゃってるようで、

呼んで来ちゃうこともしばしば。

ほとんどの場合無視してますが、一度だけ無視できなかったことがあります。


あれは夏休み最後の日だったと思います。

私は夏休みの宿題を、ぎりぎりになってあわててしていました。

家族はみんな寝静まり、私一人宿題に追われていました。

休憩をしようと、ふっと一息ついたとき何やら窓の外から音がします。

何だろうと思い耳を澄ませてみました。

それは、変態親父のような、もしくは犬のような荒い息遣いなのです。

それも窓のすぐ外から聞こえてくるのです。

隣の家と私の家の間は1メートルほどしかなく、そこには塀しかありません。

猫ならともかく犬が塀を登るなんて考えられないし、

人が通ろうとすれば植木ばちを除ける音がするはず。

ブラインドが閉めっぱなしになっていたので、

窓の外は見ていませんが、何か居る気配を感じました。

あけたら何か居る、直感的にそう思い一目散にベットに飛び込みました。

しばらくの間、唸るような息遣いが聞こえてましたが、

そうこうするうちに私自身疲れ果てて寝てしまったのでどうなったのかわかりません。

で、結局宿題は出来ずじまい。

まさか先生に


「お化けが出たので宿題が出来ませんでした。」


なんて言えないし、散々な新学期でした。





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