あっちの世界ゾーン第弐八夜「海の向こうの国のおはなし」

シオンさん談


海の向こうの国のおはなし


と ある場所にある アパートの一室で、2ヶ月前 事件が起きた。

ザワザワと、人の声...

時折、 ガッー ガー と無線の音.....

そして、 女の人が 泣き叫ぶ。

事前に、’’部屋から出るな’’とお巡りさんに言われていた私は、

麻薬の取り締まりかなんかだろう、ぐらいに思っていた。


次の日の夜、犬の散歩に出た私は、なにげに 一つの窓を見た。

一階の、細い通り道にめんするその部屋は、

昨日まで人が住んでたはずなのに、空き部屋になっていた。

別に、不思議でも何でもない事なんだけど...

でも、そうじゃなっかた!!!!


月明かりに照らされて、私は、

見てはいけないものを見てしまったのです!!!!!!!!


信じられない事に、そこは、なまなましい跡を残した殺人現場だった。。。。。

どうぞ、見てくださいといわんばかりに、堂々、一般公開されて....


「どうか、成仏してください。」

倒れそうになりながらも、手を合わせる。



そして、一週間後、その部屋はきれいに掃除され、

すぐに、新しい住人が住み始めた。

何も知らずに....


誰も、あの部屋のこと、何も言わない。


こんな事あっていいんだろうか。

いいはずないけど、この国ではよくある事なんかもしれない。


私の心のなかで葛藤がはじまる。

「オーナーの気持ちもわかるけど、無神経すぎるし、

でも、言うたら、おせっかいかなァ...」と悩んでいるうちに、

一週間経ち、

その新しい住人は、出ていってしまった。


出て行く訳をオーナーが、尋ねたところ、変な夢を、見てうなされたらしい。

それも毎晩、自分が、見知らぬ男に、めった刺しにされて死ぬ夢を。。。


それから、あの部屋は、ずっと、空き部屋のままになっている。





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