あっちの世界ゾーン第参弐夜「タッチー、何てことしてくれてんねん。」

みゅんさん談


わたくし個人的には、霊体験というものをあまり信じておりません。

人間が心の奥底で捏造した視覚を通して現れるストレスの一つ、とさえ思っております。

幽霊と言うものの存在を頭では理解しているつもりですが、

如何せん不思議なものを見ても、或いは今までに見たことのないものを見ても、

それを幽霊と結び付ける根拠が、よく飲み込めていないからなのかもしれません。


こんにちわ。みゅんでございます。


今回のお話も、「実話」でございます。

掲載していただけるのなら、タイトルは、タッチー、何てことしてくれてんねん。

でお願い致します。


さて、本題に入る前に、前回のお話で少しMchの霊感に対しての説明が足りなかった

ような気がしますので、それによってうそ臭く聞こえるところがあったかもしれません。


故に、ここで少し振れてみたいと思います。


彼女は・・・・・・・・・・・泣き虫です。とにかく良く泣くのです。

そして、叫びます。

いやだああああああああああ、と泣き叫ぶのです。

神戸の震災跡では、カメラのシャッターがぁあぁぁああ、と意味不明に叫びます。

私は、タクシーを呼びながら、お金のかかる話でなくてよかったぁ、と思いました。


靖国神社に行った時などは、彼女は泣き叫びながら卒倒します。

私は、救急車を呼びながら、失禁じゃなくてよかったぁ、と思いました。


私の家の近所の殺人現場の近くでは、

っきゃあああああああああああああああああ、とわめきます。

私は顔面を蹴り飛ばしながら、昼間でよかったぁ、と思いました。


そんなMchが、またSちゃんの家で不思議な体験をしてしまいます。

まるで、アポイントがあったかのように。。。。。


夜。

彼女は、ふと目を覚まします。


彼女に一度聞いた事があるのですが、

彼女は生まれて一度も金縛りにあったことが無いそうです。

必ず、目を覚まして意識がしっかりしてから、様々な幻想を体験するそうです。

一応のため、Sちゃんの家のキッチンには、窓から入ってきたらすぐにということで、

塩を置いていました。


そちらの方をMchは少し体を起こしながら、見てみたそうです。

そうすると、その御清めの塩のちょうどとなりに、

「誰か」がうずくまっているらしいのです。


またか。


とおもいながらも、彼女はそちらをずっと凝視していると、

やがて「誰か」が顔を上げるのでした。

そして、おもむろに立ち上がると、彼女の周りを回り出しました。ぐるぐると。

彼女のすぐ隣にはSちゃんが寝ていたのですが、正確に言うと、彼女の周りを

回っているので、Sちゃんはがんがんふんずけられていたそうです。


ふみすぎ、


と思いながらも、多少恐怖したそうです。

やがて、ぐるぐる回りながら「誰か」がふと呟きました。


「起こしてごめんね。でもほんとに分かるんだね。

・・・・・・・・・・・・・タチバナ君から聞いたんだ。君の事。」


たっちいいいいいいいいいいいいいいいいいいい

Mchはうざさを覚えたそうです。


彼女は、こっちの世界でももてる方です。

容姿端麗、知的なかたです。

よく叫ぶのは玉に傷ですが。


そういうこっちの世界の体験が功を奏したのか、

彼女の脳裏をその時取り巻いていた事、それは、


ごめん、友達と待ち合わせしてるから。

うん、すぐ来るから。

携帯持ってないもん。


という3つの文だったそうです。

やがて、「誰か」は、回るのを止めて、御清めの塩をペロッとなめながら、にやっと笑い、


「じゃ、またね」

と言い、ご丁寧に窓から出ておいきになられたそうです。


朝。

Sちゃんが目を覚ましたので、一応夜の報告をしたそうです。

一瞬、Sちゃんの顔色が変わったかと思うと、こう言いました。


「ああ、やっぱり、そうだよね。俺達の周りを回っていたよね。昨日。」


Mchは話を合わせる事もなく、


「また、漫談になるのね。」


と思ったそうです。



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