あっちの世界ゾーン第四七夜「人間ダルマ」

信長波平さん談


最近この時間が一番暇なんですよね.....あぁ怠惰な大学生活.....。

というわけで、今夜は海外盤!


私の友人はツアーコンダクター、毎月のように海外を飛び回っています。

友人は私にいつもグチをたれます『客がゆうこと聞かないのよ!』

壮絶らしいです。

門限は守らない、危険区域には行く、ホテルのロビーをネグリジェでおばさんは歩きまわる。

毎回のように殺意が芽生えるそうです。

そんなとき彼女はいつも決まって人間ダルマの話をするそうです。

これはあっちの世界に踏み込んでしまった哀れな旅行者の物語です。


AさんとB子は、前々からハネムーンはインドに行くと決めていました。

結婚式が終わると、早速二人はインドにでかけました。

到着した彼等が見たものは、想像していたものとまるで違う経済が困窮したインドでした。

道を歩く彼等にたかるバクシーシ(物乞い)、

片手の無い子供達(親が物乞いさせる為に切り落とすらしい..手が無い方が可哀相にみえるでしょ?)

道ばたに倒れている病人(まだ黄熱病 ライ病がある)

しかし、恐いなとおもいながらも旅行経験の浅い彼等は、『注意していれば大丈夫!』と

ダウンタウンに向いました。そこが危険区域とも知らずに.......。

少し歩くと、かなり大きいテントのお店がありました。

どうやらサリー(民族衣装)を売ってるようです。

すると彼女は『サリーが欲しい!』と言い出しました。

それでは入ろうという話になり、テントの中に入りました。

テントと言っても、日本にある普通のお店ぐらいの大きさはあり、試着室までありました。

彼女は気に入ったサリーをニ、三着選ぶと試着室に入って行きました。

男性の皆さんも経験あると思いますが、女性の買い物は長い!

彼も退屈になり『ちょっと煙草買ってくるよ!』と言ってテントを後にしました。

10後、煙草を手に彼が戻ってくると彼女がいません。

店の人にタドタドシイ英語で聞くと、『もう帰った』という内容のことを言いました。

彼は外に出て探しました.....いません。店に戻りました......いません。

ホテルにもどったのかな?

しかし、何時になっても彼女は戻りませんでした。

彼は焦りはじめ、大使館に連絡しました。

大使館も現地警察に捜索要求をしましたが、身の代金の要求が無いかぎり、

人が消えても蒸発として処理されるとのことです。

彼は自分で探しまくりました。

旅行の期間が終わっても、安ホテルに泊まりながら探しまくりました。

しかしとうとう発見できないままビザが切れました。

彼は仕方なく一時帰国しました。


しかし諦めきれない彼は何度もインドに行きました。

そして4回目の時、彼は疲れ諦めていました。

辺を見回すと、そこはB子さんと最後に別れたテントのあった場所でした。

彼はその場に座り込み、『なんで....こんなことになったんだろう?』呟きました。

そこへ一人の子供がやってきました。子供は何かわけの分からないことを喋り続けていました。

子供の首には、日本語で『人間ダルマ』と書かれたプラカードが掛かっていました。

彼は、放心状態のまま子供に手を引かれ、建物の地下にある見せ物ゴヤに入りました。

そこで彼が見たものは...変わり果てた妻の姿でした.....

薬を打たれているのか気がふれているのか目は空ろで、髪は乱れ.....

口には玉をくわえさせられ(SMで使うやつ)....両手両足はもがれ..裸で転がっていました。

彼と目が会うと...一瞬目をそらした気がしました....。

大勢の歓声の中...彼は身動きできませんでした..。





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