あっちの世界ゾ〜ン第弐十参夜「花見での怪」

風魔レイさん談


「花見での怪 ―前編― 」


おひさしぶりです。二度目のカキコに参りました(^^)


つい最近、4月に入ってからお花見に行って参りました。

今回も前回同様のメンバーに加え、大学の友人が混じったものでした。

最初は、昼間の花見にしよう!と口を揃えていたのですが、

またしても友人Sの「夜の花見と洒落込もう」という発言に、まんまと引き込まれたのです。

場所は、全く別の場所・・・といっても、夜の小学校に忍び込む

(不法侵入じゃないのか?)事になったのです。

その小学校は、私の母校でもあり、

曰ありげな場所―墓地を壊して作られた学校―嫌々付いていくことにしました。


どことなく薄気味悪い夜の小学校の校庭。

そこでの宴会は異様です。

すぐ隣には、小学校自慢の森があります。

その森には森の精という像があり、また学校の七不思議に欠かせない存在でした。

当然、友人Sが黙っている訳がない。

今回もとばっちりに合う羽目に・・(トホホ・・)


「ねぇねぇ、ここの怪談話ってさぁ〜」

いきなり始めてくる・・・。

周囲は、やや酒気を帯びていたため、やんややんやと悪ノリ。


7不思議

その1 運動場にある、二宮金次郎像が動く(どこにでもある話)

その2 音楽室のベートーベンの目が光る(これも良くある)

その3 理科室の人体模型が動き回る(これも良くある)

その4 北校舎3階のトイレに花子さんがいる(これも良くある)

その5 運動場にあるトイレに入ると、赤い紙、黄色い紙、

青い紙を選べと言われる(これも良くある)

その6 体育館の用具室の飛び箱から、すすり泣く声

その7 森の精の目が光り、森の中を歩き回る


それをSが話した時に、友人Iが

「あれ?・・じゃ、運動場を人魂が浮遊するのって7不思議じゃないんだ・・」

ボソッと呟いたのです。

それを聞き、にやりと微笑むS。

「ねぇねぇ・・・森に入ろうよ・・どうせ作り話だって、鼻にかけてるならいけるよね?」

と、やや挑発的。

酒の勢いで皆が森へ行こうと言い出した。

桜を眺め、のんびりと酒を飲みたかった私は、手をひらひらと振ってました。

「勝手に行ってこい」

と、ハッキリ言って。

友人Eは、縋る様な眼差しで見つめてきました。

そして、グイッと私の服を掴み、

「一緒に行こうよ」

と、泣きそうな声で言ってきたのです。

仕方無く一緒に行くことにしました。


森の入り口には門のような物があり、懐かしくも感じました。

しかし、いざ門をくぐろうとした時

「フフフフッ・・・いらっしゃい・・・」

という声が耳元で聞こえたのです!

しかも周囲を見回しても私が一番後ろなので、誰もいない筈。

声はどこか幼く無邪気な声。

聞いた瞬間、本能が危険を察知。

『ヤバイ』と、心の中で警鐘が鳴っている。

しかし、友人たちはずんずん先に入って行く。

当然、友人Eは縋る瞳で私をちらちら見てくる。

彼女の表情は青ざめていた―


森に一歩一歩踏み出すと、ここならいつ何が出てきてもOK!という雰囲気。

重い空気がずしっとのしかかったり、纏わりついてくる。

森の中心、森の精に近付けば近付く程ヤバさの比率は上がる。

ついでに言うと、なんか後ろからいっぱい付いてくる〜。

うわぁ〜、皆で森のお化けツアー(^^;)


言い出した友人Sは、何も感じない為、平気にスタスタ歩いていく。

その足取りの軽さが羨ましい。



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なんか、背筋が寒くて視線感じてます(−−;)

みやげものをしっかりと配り終わっていなかったのでしょうか・・・。


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「花見での怪 ―後編― 」


スタスタと森の中央に行くと、懐中電灯で像を照らすS。

それを一番後ろで見ている私。

「戻ろうよ。」

Eが必死に訴える中、他の子達は何もなかったとガッカリした表情。

そして、そのまま像を素通りして森を出ることになりました。

何事もなくて安心(像に関しては)した私はそのまま友人達と同じように像を素通りしました。

だがしかし、事態は甘くなかった―

素通りしたすぐ後、後ろに人の気配。

振り向きたいが、身体は動かずそのまま。

『ヤバイ』と本能が悟る。

すぅっと首を押さえる形でそのまま絞められそうになった。

『やめろーっ!とっとと消えろ!お前に構っている暇は無い!!』

精一杯心で叫び、ふっと身体が動く様になった為、走って桜の樹に戻り友人達と合流。

しかし、彼女達の様子がおかしい。

「どうしたの?」

尋ねると、自分達の持参した酒やお菓子を指さすのです。

人数は8人で花見をして、紙コップには酒が人数分しか入れてなかったのですが、

余分に2,3個の紙コップが並べてあったのです。

しかも、紙コップにはきちんと液体が入っていました。

「誰の悪戯?」

何処と無く、遅れてきた自分を脅かす為の芝居だと疑いました。

すると、やはりEが青ざめている。

しかも以前よりも激しく。

口にはあえて出さず、時間が時間だから引き上げようと、指示。

帰り際、運動場を見て3人が小さく悲鳴を上げた。

「どうした!?」

聞くと、運動場を指差し

「さっきの・・見た?」

と、尋ねるのです。

答えようとしたら、他の子が泣き出す。

「・・・とりあえず家に帰るぞ。」

と、急ぎ早学校を去りました。


私の家に着くと、友人3人(E含め)の話を聞くことに。

「ね・・・あれ・・・人魂?」

小さく言う彼女達。

「車のライトの見間違いでしょ〜。」

Sはそう言うと、もう一人の子がムキになり

「じゃぁ、運動場にいた男の子は何!?」

と、叫び混じりに言う。

「見たよねっ!!」

と3人が力説。

大学の友人2人は、酔っ払っていたので家に帰って眠った為、その話で持ち切りに。

幽霊を信じてないYは平然としていた。

当然Sもだ。

「体操服着てた子!」

そんな話をしてりゃ、当然呼びたくないものがこっちに来る。

その時は、猫が1匹部屋にいたのですが、妙な空気を感じたのか、

私の頭上を見て唸り、部屋から出て行きました。

これには友人3人パニック状態。

Sも少々ビビリ気味。

結局、一睡もせずに朝を迎え、それぞれが帰宅―


しかし、それ以来私の部屋には土産物がいっぱいです(−−#)

とりあえず、部屋の四隅に塩を撒いているのですが、良い方法がありましたら教えて下さい。







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