あっちの世界ゾ〜ン第三十七夜「自衛隊基地にて」

風魔レイさん談


友人から聞いた話をお書きします。


友人Tの兄が自衛隊(どこの自衛隊基地か

定かではありませんが)で勤めていた4年程前の事。

そのTの兄は、夜眠っていたら、

隣で眠っている人の様子がおかしいと思って目を覚ましたのです。

その人(Sさんとしましょう)は

「助けてくれ!引っ張られる!!」と、叫び腕を伸ばしていたそうです。

それを見て腕を掴んで、必死に「大丈夫だ!こっちれ掴んでいる!」と

声を掛け数分後に落ち着いて眠りに落ちたそうです。

そんな事が数回続いたある日。

次の日に、Tの兄は出かける事になったので、

他の友人に「こいつが“引っ張られる”と言ったら、手を掴んでくれ」と言いました。

おそらく何に引っ張られているのかを気づいていたからでしょう。

その人は気安く了承し、Tの兄は出かけていきました。


そしてその次の日に戻ってみたら、そこには息絶えたSがいたのです。

周囲には呆然とした友人が・・・・。

「お前…ちゃんと腕持ってやったか?」

とたずねると、その友人は「「冗談だと思って・・・」と返してきたので、

Tの兄は「馬鹿野郎!あいつはな、霊に魂引っ張られたんだぞ!」

と怒鳴り、その場は騒然となったそうです。


もう一つTの兄が体験した事です。

これは、幽霊のことではないのですが・・・。


深夜遅くに、滑走路の一部が明るかったのです。

何かが変だという事で、滑走路に向かうことになりました。

するとそこで見たものは、炎に包まれた車。

ただ車が炎上していればそれでよかったのですが、

その車には子供を抱いて、懸命に堪えている母親がいたのです。

「消火器と消防車呼べ!早く!」といい、

炎上している車の親子が死んでゆく様を見続けたTの兄。

その顔が今でも頭に焼き付いてどうしても離れないという事です。


自衛隊って結構いわくつきの土地や、戦争の歴史を引きずっている場所ですから、

何が出てきてもおかしくない場所ですよね。

そんなところで起こった事・・・ちょっと寒気が走ります。







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