あっちの世界ゾ〜ン第四十七夜「ちょっと良い話?」

あづまさん談


全く恐くないのですが,少しだけ不思議な話を...

皆さんは動物を飼っていらっしゃいますか?

私は小学校4年の時から十年程,アヒルを飼っていました.

その子はオスで,名前はありがちですが「ガーコ」という名前でした.

水鳥なので毎日水浴びをさせたり,世話はとても大変でした.

家族にとても慣れていて,特に私は自分の子供のように可愛がりました.

しかし私が大学生の頃,そのアヒル君は他界してしまい,

実家から遠い大学に行っていた私は死に目に逢えず,

とてもとても悲しい思いをしました.


そのアヒル君が死んでから一年経った初夏,つまり一周忌の当日,

実家で月下美人が初めて咲いた,との事.

その月下美人は昔どなたかから株をもらったのですが,

植物好きな母がいくら世話しても全く花が咲かず,

水は与えていたものの,長い間庭に放っておかれたものでした.

月下美人は真っ白い大輪の花で,一晩しか花をつけません.

私はその話を聞いたとき,

ああ,アヒル君が一日だけ帰って来たんだと思いました.

家族の皆もそう感じたようです.

真っ白な大輪の花は,可愛がっていたアヒル君の真っ白な羽のようだ,

と母は「不思議だねぇ」と電話で嬉しそうに報告してくれました.

「偶然」の一言で終わってしまう出来事かもしれませんね.

でも..私にはそうとは思えません..あれから数年経ちましたが,

我が家のその月下美人が咲いたのは後にも先にもこの一度だけです.

一周忌ってやっぱり「特別」なんでしょうか?







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