あっちの世界ゾ〜ン・第六十九夜「ベトナムのお話」

RENの旦那(代筆:REN)さん談


RENがお世話になっています。鬱な話を書き込んでしまったので、

「少し場を盛り上げよ」(?)と命令、もとい、お願いされました。

余り怖くないのですが、RENが「十分こえーよぉ」と言うのでお話を提供させて頂きます。


場所はベトナム。私のお里であります。

グロい部分もありますが、お国柄が違うので驚かないで下さい。

大伯母さんにあたる女性が若くしてこの世を去りました。

妊娠していた事もあり、かなり無念だったと思われます。

その大伯母さんが夜になると(1、2時頃)玄関もしくは裏口で

座っているのを家族全員が目撃しておりました。

日本の田舎もそうらしいですが、お手洗いが外にある家でしたので、

真夜中だろうがなんだろうが外に出なければなりませんでしたから。

親戚一同集まっての家族会議の結果、村で有名な僧侶に見てもらう事となりました。

僧侶曰く、「成仏できていません。今すぐ墓を掘り起こし、首をはねなさい。」

村の男達の手を借りて 僧侶の監督のもと、指示された通りにしたそうです。

そして 僧侶がその首を寺に持って帰って手厚く葬ってくれました。

が、しかし、予想に反して大伯母さんは その夜も入り口に座っていました。

前より悪い事に、首がありません。更には泣いています。

翌朝 親戚一同集まって 僧侶の所へ詰め掛けました。

僧侶は家の玄関と裏口に結界をはりました。

座る所を奪われた大伯母さんは

今度は家の真ん前にある川に浮かぶ小舟に座るようになりました。

首の無い大伯母さんが小舟を揺らしているところは多数の人に目撃されました。

その小舟にお供えしてある食べ物を食べる輩がおりました。

その男の顔は見る見る内に腫れ上がって、顔そのものが変形してしまいました。

僧侶に見てもらったら、「大伯母さんにオオフクビンタをされた」のだそうです。


親戚一同 僧侶に首を返してくれるよう頼みましたが断られてしまい、

家族会議の結果、今度は祠を建てる事が決まりました。

これは大正解だったらしく、大伯母さんは出現しなくなりました。

しかし、長引く戦争の為その祠の手入れがお粗末になり、徐々に朽ちてしまいました。

そして戦争が終わり、その周辺の整備の為、親戚の叔父さん(当時 軍人)が

村に訪れ、その朽ちた祠を見て言いました。

「大伯母さん、残念だが この辺りを整備しなければいけません。

このままでは この朽ちた祠は取り除かれてしまうでしょう。

私はあなたの為にコンリートの丈夫な祠を建てて上げたいが、金がない。

もしも、私に同意してくれるのなら協力してくれ。

明日ロータリー(宝くじみたいなもの)を買うから、

当たり番号を教えてくれないか?」

その夜、大伯母さんが叔父さんの夢に現れて 幾つかの数字を伝えました。

結果、大当たり。

叔父さんが建てたコンクリートの祠は今も健在です。






やじるし指
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