侵あっちの世界ゾ〜ン・第九十弐夜「精霊流し・・・」
檸檬さん談
初めまして。檸檬と申します。 いたこ28号さん、楽しく、でも恐い(;;)「元祖あっちの世界ゾーン」読ませていただきました。 うーむ、いたこ28号殿に比べたら大した経験ではないが、お聞きください。 頃は今から10年近く前の事。 当時私は友人だちと「同人誌」活動をしてまして、 徳島のコミケットに参加した時のお話をお聞きください。 登場人物は仮に東、西、南、そして私としておきましょう。 東は徳島在住。西は大阪から南と私は山口からの参加。 ここで注釈:東(現在は東京在住)には先祖だったか前世だったか (ゼビン星人ではない(笑))の因縁から白い着物を着た女性の霊が付いている。 一応お払いもどきはしたそうだが、逃げないそうだ。 悪さはたまの金縛りだそうだ。そのせいか、けっこうあっちの世界を体験している強者。 話を戻して・・・真夜中(午前霊時)の徳島駅に到着した私たちは、 迎えに来てくれた南と感動の再会!(西を除く) その日はお盆。ちょうど徳島の「阿波踊り」最終日に当たっていた。 そのせいかホテルはツインしか取れず、一人は東のお世話になることになっていた。 早速誰が東の家に行くかということになったが、西は東と初対面。 私は実は西が苦手。速攻で私は「東の家に行く」と宣言した。 翌朝は早朝からコミケへ、疲れ果てた私たちは夕食後、無事就寝した。 二日目は徳島スタンダード観光コース巡りへ出発。 四国八十八カ所一番札所から順にお寺巡り。「血天井」があるお寺にも。 しかし、そこは人っ子一人居ない。寂しいお寺。 何か「不気味」というのが全員の意見だったのを覚えている。 とにかく何も拾って帰らないように、と後ろを振り向かないようにしてそこを後にした。 帰りに適当に酒とつまみと仕入れ、私たちは東の部屋(離れ)で宴会。 ここで再び注釈:東の部屋は母屋とは別に作られた離れ。 隣の部屋にはお婆ちゃんがいるが、耳が遠いので騒いでも大丈夫とのこと。 復帰。 お盆シーズン。というえば夏。暑い。 窓を開け換気扇を回しても東の部屋は暑かった。蒸し暑かった。 暑がりの西は悲鳴を上げていた。 それでも最終日とあって扇風機にうちわまで出し、宴会は夜中まで続いたのだ。 東はあっちの世界の強者。 西はあっちの世界を体験したがり屋。私はあっちの世界が大好き。 当然宴会は「怪談話し」へと移行していったのだった。(止めときゃよかった) そうこうしている内に日付が分かり、ホテル組を送る事に。 私は一人部屋に残った。やり残した事があったからだ。 東はあっちの世界の強者。当然揃えている本も漫画もあっちの世界。 あっちの世界大好きな私は当然その蔵書の読破に挑戦中だったのだ。 今夜は最終日。徹夜しても読んじゃる!ということで早々続きに取りかかった。 戻ってきた東はベッドにワープロを持ち込み、次回発行分の草稿の手直しを始めた。 その横に敷いた布団で私は黙々と読書に励んいた。 そんな私に東は「明るくても私平気だから、寝ても気にしないで」と声をかけてくれた。 私はお礼を言って次のシリーズへ。 そのうちワープロを叩く音が消え、いつの間にか東は眠っていた。 時計を見るともう四時を回っていた。かすかに眠気を覚えた私は寝る事にした。 外はうっすら白んでいる。 電気を消し、布団へ。 しかし異常な蒸し暑さ。暑くて暑くて眠れたもんじゃない。 よく平気で寝れるな東。 あ、そうか慣れてるのか、などと感心していたら東が何か話しかけてきた。 起こしたかな、と私は「起こした? ごめんね」と声をかける。返事はなかった。 なんだ寝言か、と思い目を閉じた。しかし、暑い。蒸し暑い。 再び東が話しかけてきた。が、はっきりとは聞き取れない。 半分眠りかけていせいか? と思い「何?」と問いかける。が、お構いなしに東は何か喋り続けている。 何か変、東おきてるのかと隣を向こうとしたときだった。 躰が動かない。えっ?金縛り??悪さされてるの私???? やめてくれぇ〜だった。 金縛りは数え切れないくらい経験してるが、これは何だ? ねっとりとからみつくような金縛り。部屋の中は真っ暗。 横になった時はうっすら白んでいたせいで部屋の中が見えたはずなのに。 東は相変わらず何か言っている。 どうにか金縛りなんだ、と伝えようとするが、全然全く躰は動かず、声も出ない。 そのうち、意識が飛んでしまった。 気が付くと空を飛んでいた。 白み始めた空を飛んでいる。下を見ると・・・お墓が並んでいた。 げっ。幽体離脱??? なんで? 既に大パニックである。しかし自分の意志とは関係なくどんどん飛んで行く私。 そのうち視界に川が見えてきた。遠くにぼんやりとした明かり。 近づくとそれが精霊流しの明かりだと気が付いた。 これはやばい。非情にやばい。絶対やばいよぉ。つれて行かれる! しかし、一向に躰は自由にならない。どうしよう、どうしよう。 精霊流しの明かりはどんどん近づいてくる。 どうやら川に降りていくようなのだ。どうしよう! ほとんど川に降りる、というその瞬間。 川岸からお坊さまが私の頭に網傘をかぶせてくれたのだ。 そのとたん躰が自由になり、私は自分の躰に戻ることができた。 その後談。 その壱:東は2時には眠っており、一度も目を覚まさなかった。 その弐:暑がりの西がクーラーを切るくらいその夜は冷え込んだ。 但し彼女たちが泊まったホテルは東宅から5分と離れていない。 部屋は2階か3階だった。 その参:精霊流しはその夜行われていた。帰りの駅で見たパンフレットに記載されていた。 が、その事は私たちの誰も知らなかった。 以上ですが、長いわりにあまり恐くなかったかも・・ でも私が体験した中では一番やばい体験だったんです。 いたこ28号さん、これでもOKって言ってくださる??? |
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