あっちの世界ゾ〜ン第二十六夜「数少ない体験談から昔の話を・・・」

ぺんたさん談


仕事で札幌に出張していた時のことです。

札幌駅北口のウィークリーマンションを借りて寝泊りしていました。

最初の2週間ほどは何事もなく、電気を真っ暗にしてもぐっすりと眠れる

平和な生活をしていたのですが、ある日の夜、部屋の中に誰か入ってきたような

気がして(女の人のような気がしました)もちろん、誰もいないんですが・・・

その日から、眠ろうとすると金縛りにあったり、パシッ!!

という大きな音が聞こえたりして、眠れなくなってしまったんです。

眠りにつく直前にベッドぐらぐら揺れるし・・・

もしかして私の寝相が悪いだけなのかしら。

私はその程度だったのですが、他の部屋を借りていた

同僚達も同時期から同じような現象に悩まされ始めました。

ひとりは角部屋だったのですが、毎晩、誰かがドアをノックするので開けてみると誰もいない。

ハイヒールの音が部屋の周りをぐるぐるまわっているので、

気になってドアを開けてみると、やっぱり誰もいない。

しかも、その部屋は8階の角部屋で、ベランダもないので、部屋の周りをまわるのは不可能。

そんなことが何人かに起きていたので、どうせ朝まで眠れないのなら・・・

ということで、毎晩、ひとつの部屋に集まって朝まで宴会を開いていました。

でも、マンション内だけならともかく、それが昼夜問わずにどこにでもついてくるんですよ。

職場でも、同僚と端末を見ながらあーでもないこーでもないと話をしていると、

後ろに誰かが立って覗いているんですよ。

でも、私も同僚も仕事に集中していたので、話がまとまってから二人で一緒に振り返って

「なんですか?」と聞いてみると・・・部屋の中には私と同僚の二人だけでした。

残業で夜中になってしまい、建物の中をうろうろしていると、

エレベータが目の前で開いて、でも、誰も乗っていない、とか。

あの「チーーン」って音が、またビビるんですよね(^_^;)

土日は実家に帰っていたのですが、夜はやっぱり同じ状況で眠れない。

で、スタンドの明かりで本を読んでいたのですが、

ふと顔を上げると、壁にライトのようなものがあたっているんですよ。

直径10cmくらいのまんまるの。

なにかな??と思って、起き上がって確認したのですが、

どうみても何かの光が当たっている。

いろんな角度から観察したのですが、不審な点はなかったので、

そのまま朝まで本を読んで、朝になってから眠って、

昼くらいに起きたのですが、起きてから考えると不審な点だらけ。

どの角度からも明かりは差しこんでこないはずの位置だった、

ということもありますが、私、側に寄って、本当にいろんな角度から見たんですよ。

でも、光が遮られる事がなかった・・・

ということは、壁の内側から発光していた???としか考えられないんですよね。

ああ、その場で気付かないおバカで良かった(笑)

私の実家は札幌から2時間半ほどのところにあるのですが、私が実家に帰っている

間にもウィークリーマンションに寝泊りしている人達はいつもと変わらず、

怖い目にあっていたそうなので、もしかして幽霊だとしたら複数いるのかしら???

仕事も終わりに近付いてきて、地元の人とも友達になり、特に仲の良かった

女の子がウィークリーマンションに遊びに来て、宴会を開いたのですが、

その日の夜、不思議なことに何事もなく、ぐっすりと眠れました。

他の部屋の野郎どもも、その日はぐっすり眠れたという話でした。

いやぁ、めでたいめでたい、東京までついてこられずに済むなぁ、と思っていたら、

職場で、前日遊びに来た女の子が

「私、昨日こわくて眠れなかったの」と言い出しました。

部屋の中でいきなりパシッ!!と大きな音がしたり、

右半身だけ鳥肌が立ったりするとか・・・あーあ、連れて行っちゃったのかぁ・・・

ちょっと罪悪感を感じましたが、まぁ、自分さえ良ければいいかぁ・・・

私に何ができるわけでもないしねぇ・・・

でも、やっぱり気になったので、その翌日、

「昨日は大丈夫だった?心配でよく眠れなかったよ」

なーんて、心にもないやさしい言葉をかけてみたら、その子はにっこりと笑って、

「ああ、大丈夫!!なにもなかったよ。昨日のも気のせいだったのかも」

うむ、良かった良かった。一件落着だ!!

と、その子の隣を見ると、なにやらどんよりした雰囲気を

かもし出している地元のオヤジがひとり。

「俺さぁ・・・・昨日、金縛りにあって、一睡もできなかったんだよ」

その後、日に日にやせ衰えて、眼の下くまだらけになっていくオヤジを残して、

私達は札幌をあとにしました。(^^)





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