疹あっちの世界ゾ〜ン・第九夜「弥太郎」
のぼたんさん談
何年も前のことである。 その日、朝から妻が頭痛がするというのだが、これまでの経験で言えば、 それは大抵おかしな出来事の起こる予兆であった。 久々の休日で、ゆっくりした午後をすごそうと思ったのも束の間のことである。 けたたましい電話の音と共に耳に届いたのは、 友人のKが交通事故に遭ったという知らせであった。 「とりあえず行ってみるよ」 と、そう妻に言い残して私はKのいる病院に急いだのである。 「おいおい、大丈夫か?」 Kの顔をのぞいた。 青ざめてはいるが、しっかりした顔つきをしている。 包帯で吊るした右足と、腕にした点滴の管が痛々しい。 だが、もう普通にしゃべれる。 「けっこう血が流れたらしい。このくらいですんでよかったよ。」 「ぶつけられたのか。」 「うん、…というか、弥太郎がついに俺のところへ来たのだ。」 「えっ」と、私はその言葉にはっとした。 と、同時に背筋に冷たいものが走るのを感じた。 実は日ごろKから冗談のように聞いていたことだったが、 彼は弥太郎に呪われた一族の末裔だったのである。 それは、一族が必ず受けなければならない「禊」(みそぎ)である、と彼は言う。 Kは自分は本当に運がよかったのだと、しきりにいった。 「とにかく、ちょっとでも歩けるようになったら、 すぐに国に帰らなければならない。弥太郎神社に行かなければ…。」 …と、ここまで書いたことによって、言霊が飛び、 私自身が弥太郎の祟りにあいはしないかと、ふと不安になっている。 少し、考える時間が要る。 ともあれ、長くなりそうなので、一度筆を置くことにする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Re: 弥太郎 投稿者:Ciel改め結城さん談 めちゃくちゃ恐い&気になります・・・・・ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Re: 弥太郎 投稿者:ナミィさん談 う〜〜ん、最近 前編・後編多いなぁー(笑) 早く、聞かせてくださいねっ!! |
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