こっちの世界ゾ〜ン第四十九夜「続・にょろにょろ」

命知らず(しつちょー)さん談


楯野恒雪さん、おひさしぶりです!

深夜のサバイバルゲーム(こっちの世界編)読ませて頂きました!

そこはかとない人生の悲哀を感じてしまいました…

う〜ん、人生のもっとも大切な時間に、赤外線スコープで…ポッキ―も…

可哀想っす(^^)

そこで私もちょっと可哀想な話を書きこんでいきます。

面白くないです。ちょっとした世間話です。

書きこむにはインパクトがない話なので、興味のない人は読みとばして下さい。


五日前、学校に向かう途中で事故現場をみました。

被害者は高校生三人らしく、どうやらトラックに追突され、

車の下敷きになったらしく、脇にひしゃげた自転車が転がっていました。

場所は熊本城に通じる橋(仮にA橋とします)の下。

交通量が多く、それでいてスピードを出しやすい場所です。

そして現在は工事中であり、車線は減少していました。

そういった事情も事故が起きた原因でしょう。

事故そのものは珍しいことではありません。

ただ、その事故現場があろうことか…

以前私がにょろにょろへびさんの亡骸を発見した丁度その場所だったのです。


へびさんの呪い?


そんなことを言うつもりはありません。

ですが、前回「にょろにょろ」では書きませんでしたが、

その事故現場の真上にある橋、A橋は十数年前までは自殺の名所だったのです。

熊本市内には、中心街から京町という高台に通じる橋が二つあります。

一つがA橋であり、もう一つがB橋(仮名)です。

この二つの橋は隣接しており、二〇メートル程しか離れていません。

そしてこれらの橋の十数メートル下、熊本城のかつて外堀だった場所を

走っているのが、上記の事故が起こった道路です。

私が熊本にやって来た年の前後に、A橋に高いフェンスを取り付ける工事がされました。

もちろん自殺防止用。

B橋は交通量が多く、飛び降りようとすれば他人に止められる可能性の高いのですが、

A橋は地元の人間以外あまり人が通らないからです。

しかもこの橋は、飛び降りで仮に死ななかったとしても、車が投身者をひいてしまいます。

完璧。願ったり叶ったりです。

県は、熊本城周辺の景観をあまりそこねたくなかったのですが、

自殺者が後をたたないため、ついにフェンスをつけたのでした。

おかげでA橋での自殺者はなくなりました。かわりにB橋で増えました。

県は同じように、数年前にB橋にもフェンスをつけました。

それでようやく二つの橋の自殺者は減ったのですが…

現在、その橋の下。

つまりへびさんと高校生がひかれた場所は、けっこうな事故多発地帯になっています。

それらの事故がフェンスが出来る前から多かったのか、

出来てからなのか残念ながら私は知りません。

毎晩帰宅の際にその橋の下を通っていますが、変な感じも、妙なものも見かけません。


私にわかるのは、現在その道路で行われている工事が、

多発事故から歩行者を守るため歩道を広げ、ガードレールをつける為であること。

そして警官が工事現場の人達に、

「これだけ人がいて、誰も事故の瞬間を目撃していないの?」

と訊いていたことだけです。

くわばらくわばら…


P.S.翌日の朝刊をチェックしましたが、死亡事故は載っていませんでした。





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