こっちの世界ゾ〜ン第八十六夜「怪奇 涎じじい」

ナイトブレイカー(まぁっち)さん談

投稿日 :98年10月23日<金>


も一つ、ちょっとネタ。


精神病院には、様々な方達がいます。

今回は、呆け老人の御話です。


そのおじいちゃん。まったく何を考えているのか、さっぱりわかりません。

悪い意味でもなんでもないんですよ。

でも、いつも『ぬぼぉ〜』っと立ってて、頑丈に鍵を掛けられた外へ向かうドアを

いつまでもいつまでも見つめているんです。


まぁ、外に出たいんだなぁってのは、よぉ〜っく!!わかりますけどね。(^_^;)

でも・・・『たらぁ〜』といつもヨダレを垂らしてて、何を言っても聞いてくれません。

聞こえてないのかなと思って、側で大声を出して呼んでみると

うるさそうにその場を立ち去ってしまいました。


そのおじいちゃんが、私のいた大部屋の病室にやってきました。

と言っても別におじいちゃんの病室が、私と同室になった訳ではなく、

ただただ歩いて入ってきたんです。

それも音一つたてずにね。


私はちょっとお昼過ぎで、ウトウトしていたので

気がついたときには隣のベッドの向こう側に立っていました。

いつもの様にヨダレを垂らして、『ぬぼぉ〜』っとね。

看護師さん達には

「あのおじいちゃんね。呆けてるけど、何も危害は加えないから大丈夫だよ。」

と聞いていました。


ウトウト、半分眠りかけのふわふわ眼でおじいちゃんを見ていると・・・。

何だかいつもと違う事に気づきました。


そう!ヨダレの量が当者比2.5倍(^_^;)

そして・・・滴り落ちているではないですかぁぁっ!!(^_^;)//


そして、おじいちゃんはクルリとこちらを振り返りました・・・。

ゆっくりゆっくりこっちへ向かってきます。

「ひぇぇぇぇぇぇぇっ!!ベッドを汚されてはかなわんっ!!(;_;)」

慌てて看護師さんを呼びに行きました。


部屋に戻ってみると・・・。

ガンッガンガンッ


どこから持って来たのか、お掃除用のモップで部屋の窓(鉄格子入り)を

力一杯叩いているではないですか。

もう眠気なんてあっちゅうまに吹き飛びましたとも・・・(-_-;)


そのおじいちゃんもお茶目さんなところがあって

若いケースワーカーの女の子(大学院卒したての新人半見習)が来ると

皺だらけ顔を『にゃ〜〜〜っ』って鼻の下を伸ばしていました。





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