こっちの世界ゾ〜ン第十夜「続・続釣り人の怪」

OTEFさん談



先週の日曜日、天気良かったですね。

いつものように朝3時に起きて静浦に向かいました。

何のトラブルもなく沼津まで到着。

釣具屋に向かいました。

時間は4時30分

いつもはガラガラのその店には、珍しく客がわんさかいました。

たとえて言うなら、修学旅行のみやげ物屋・・・。

普段見かける常連の人も3、4人いましたがほとんどの人は

どう見ても初心者ぽい。

今日、初めて釣りをします!みたいな感じだった。

おのおのが手にしている竿やリールを見るにつけ、ますますそう感じるOTEFであった。



ここで解説、

例えばスキー ・・・ 3点セット29800円を買う人はほとんどが初心者だ!

例えばゴルフ ・・・ 三木ゴルフで入り口すぐ右においてあるお得セットを腕組みをしながら

眺めている友人のKは、はっきり言ってゴルフが下手だ!

例えば将棋 ・・・ 近鉄デパートの玩具売場で「歩」たった1つで500円もする駒を全部揃え、

自宅の裏山で大木を切り倒し将棋盤を作ってしまった、私の親父ははっきり言って鬼の様に強い!



・・・・閑話休題・・・・



彼らが手にしている品々はどれも組み合わせとしてはおかしい。

推定年齢45歳、てっぺんから後ろの髪の毛のない小太りの親父が持っているリールは

明らかに鯛釣り用だ。

しかし竿は投げ釣り用のゴッツイ物を買おうとしている。

推定年齢22歳、ポニーテールを帽子の後ろから出し、ノースリーブのTシャツに短パン・・・

いかにも初心者風・・・・なんだか楽しそうに道具を選んでいる。

だがしかし、竿はマス釣り用の華奢な物、リールはどう考えても取っつかない物を持っている。


私が今思うに、この娘がとても美人だったことが悪夢への入り口だったのかもしれん!
                


その娘はひじょーに美人であった。


私の記憶が確かなら・・・

12年前の斉藤慶子より美人であつた。

「いやいや、32年前の岩下志麻のほうが美人だぞ!!」とおっしゃるそこの貴方

ここはググググと押さえて続きを読んで下され!



そんな幼気な娘にわけのわからん道具を買わせるわけにはいかん!

おそらく、店の主は何のてらいもなくレジを打つだろう!

あんなくそ親父の毒牙に掛かるのを見過ごすわけにはいかん!

などと、私は自分を失いかけておりました。


私はとっさに店員を装い、彼女に声をかけました。

「お客様は何をお釣りになるのですか?」

「この竿にはこのリールは取り付けることはできませんが・・・それでもいいんですね?」


彼女はびっくりしたのか、何も答えない。


「川や湖で釣るのですか?海ですか?ボートからですか?」

「解らないことがあったら、なんなりと私におっしゃって下さい」


まだ彼女は言葉を発しない、でも何か言いたそう・・・な感じ。


私は、最高の作り笑顔を彼女に向けている。

「何かしゃべってくれー、一言でいい、それできっかけになる・・・

後は野となる山となる、今日1日がハッピーに過ごせるかもしれん。

こんなかわいい娘と釣りができるなんて・・・夢の様。

井上陽水は                 ・・・夢模様。
                       (何のこっちゃ)


10分ほどたっただろうか、彼女は恥ずかしそうにしかも意を決したように

(いまどき、こんな素朴で純な娘がいるとは・・・日本はまだまだ捨てたもんじゃねえぜ!!)

私に話しかけました。


・・・・・・・・?

私、我が耳を疑ってしまいました。

記憶がどんどんと意識の向こうへと遠去かって行くのを感じました。

おお神よ!我を救い給え!ゴッドブレスミー!



・・・・・・・・

私の記憶が確かなら・・・


彼女は「彼女」ではなかった!

アーメン





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