こっちの世界ゾ〜ン第三十九夜「大学の鍵」

奥村紀子(真名)さん


私の大学の玄関には、変な張り紙がしてあります。

変といっても、意味がわからないだけです。

「22時から7時まで閉鎖。

ドアを5分以上開け放つと警報が鳴ります」

みたいな張り紙です。

私は、この時、鍵はどうしているのだろう、と思いました。


研究室に入り立ての頃、私は夜遅くまで作業していて、とうとう10時以降まで作業する日がやってきました。

鍵のことなど考えず、とりあえず、がんばってやっていました。

そして、終わったので、器具を片づけ、研究室の戸締まりもして、さて、帰ろうと裏口に行きました。

そこだったら空いていると思ったからです。

階段を降りてすぐの裏口に行きました。

ノブをひねり、ドアを押しました。

「? 鍵が空いていない」

仕方なく、玄関の方に行ったのですが、鍵は空いていません。

嘘だー!

私はこのまま学校で寝泊まりするのか。

イヤじゃー!

とりあえず、学校内に残っている人を探してみました。

一階には、夜遅くまでパソコンをいじっている香川先生(仮名)がいました。

電気が希望の光に見えました。

ドアをあけ、先生に事情を説明しました。

すると・・・・・

「ああ、あそこの鍵ね、自動ロックだから、中から鍵を開けてちゃんと締めれば、鍵が自動的にかかるよ」

心配なのか、先生は私を玄関まで見送ってくれました。

むっちゃくちゃ恥ずかしかったです。


大学という所は、とっても便利な所だという話でした。

ちゃんちゃん。



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