こっちの世界ゾ〜ン第五十七夜「初金縛り」

奥村紀子(真名)さん


だめだー!

やっぱり「こっちの世界」に呼ばれてしまうー!

やっぱり、私は「こっちの世界」の住人だー

とりあえず、話だけ書きます。


私が通っていた中学では、毎年5qマラソンがありました。

しかも、高校生に混じってのマラソンでした。

マラソンの練習は二週間前から始まりました。

とりあえず、自主的に練習をするため、私と友人香川(仮名)さんと放課後走りました。

持久力はないのですが、根性はある。

二人とも、学校の敷地の周りを10周してからお開きになりました。

家に帰ると、適当に過ごして、9時には布団に入っていました。

夜中、お腹が空いたので、目を覚ましてしまった奥村は、起きようとしました。

しかし、体が動かない。

その時、母の金縛り談を思い出しました。

自慢ではないですが、それまで金縛りにあったことがない私は、(ちょっと自慢できるぞー)

なんて喜んでいました。

そして、幽霊が出るのを待っていました。

ところが、幽霊が出るどころか、父親がトイレに起きる気配しかしません。

(なにー、では、どうして動かんのじゃー!)

しばらく考えました。

(もしかして、動けないだけかも)

そして、もう一度、体を動かしてみました。

ビシビシ、という音をたてながらも、体は動きました。

どうやら、筋肉が張って動かなくなってしまっただけでした。


むっちゃくちゃ格好悪いー

でも、初金縛りとしておきます。

皆さん、激しい運動の後は気をつけましょう。

おしまい





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