こっちの世界ゾ〜ン第七夜「・・・バーカー」

螺旋さん談


以前投稿させていただきましたお話の中に、とんぼ嫌いのN君という人物が

出てきましたが、彼についてもう少し話させていただきます。


彼は他の人を超越した何かを持っており、その中でも、

鈍の付く感覚機能は他の追随を許しません。

今回はそんな彼を襲った恐るべき事件をお話したいと思います。

もちろん、いたこ28号さんのぽりしーにのっとって、この話もすべて実話です。


「…バーガー」


実家の隣の市に、デパートのことで、あるうわさが流れてました。

正確にはデパートではなく、デパート内にあるハンバーガーショップですが、

そのショップは今ではありません。


私たちが中学生くらいのとき、そこのハンバーガーショップは、

ハンバーガー1個100円という、当時では破格の値段のお店でした。

(今では当たり前ですが…)

もちろん学生たちはこぞって学校帰りにハンバーガーを食べて行きました。

もちろん隣の市なので聞いた話ですが。


そんな時、うわさは流れていったのです。

ある少年、仮にA君としますが、彼がいつものように、

学校帰りにハンバーガーを食べてるときでした。

食べてる最中、彼は奇妙な感覚を口の中に感じました。

何かやな感じに襲われ、口の中を探りました。

中に何やら細目の紐のようなもの。

つまんで引っ張り出してみる。

すると…………


原形を止めたミミズの破片。

悲鳴。

その後、彼は店員に口止め料をもらい、二度とそこに足を踏み入れなかったらしい。


ま、うわさです。


しかし、客足が途絶え、ついには潰れてしまったハンバーガーショップです。

煙の無いところに火はたちません。


N君は隣の市の人間です。そう、彼はミミズバーガー体験者だったんです。

(A君ではありません)


私は興味本位でその事を詳しく聞きました。

興味本位で…


私「で、食べたの?そのハンバーガー」

N「うん、何度か」

私「何度も食べたの!?かわいそうに…気づかなかったんだ」

N「ううん。知ってからも食べてたよ」

私「え…?」


何か雲行きが怪しくなってきた。


私「知っててって…あ、うわさだと思ってたんだ」

N「ううん。だって、うわさより早く知ってたもん」

何をいってるんだいつは…

N「俺も見たもん。中に入っているの」


げ…


私「何でそうまでして食べたんだよっ!」


ちょっと怒鳴る私。

そして彼。


「だって、安かったんだもん」


恐怖。鈍感とはこういう事を言うのでしょう。

それから恙無く、ハンバーガーショップは違うお店になっていました。

彼が最後の客だったという事は言うまでもないでしょう。


これらは全て実話です。

しかし、多少の脚色がある事をご了承ください…





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