こっちの世界ゾ〜ン・第七十壱夜「奇妙な女」
一真斎さん談
あれは、予備校に通っていた頃の話だ。 私は、多浪していたにもかかわらず学校の授業以外の勉強をほとんどしていなかった。 その日も、午後の授業が無いのをいいことに帰路に着いていた。 電車に乗り、目的の駅に到着すると、 電車から降りて線路一つはさんだむひうにある改札口へと、陸橋を歩いていた。 そして私は、その女に出会ってしまったのだ! その女に出会った瞬間、あまりにもの衝撃のために一瞬、硬直してしまった。 その女は、長い髪の毛を赤く染め、目つきがするどく一見ヤンキー女のようにみえた。 だが、私はそんな事で硬直した訳ではなかった。 問題は、その一見ヤンキー女の服装にあったのだ。 なんとその女は、青い園児服に短パン、黄色い園児帽、赤色のキティちゃんかなにかが描いてある 園児バッグを肩から下げ、園児服のポケットに手をつっこみ歩いていたのだ。 それも ヤンキー女特有の化粧をした顔で。 私はすれちがった後にわらってしまった。 きっと、電車に乗ったあの女の周りの乗客はひいていたに違いない。 わたしがその後に友人の家で、ただなのをいいことにその家の酒を一人で飲みまくり、 その話をして笑い転げたのは、言うまでもない。 |
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