こっちの世界ゾ〜ン第四十九夜「競馬場への誘い(馬券オヤジに捧ぐ)」

OTEFさん


★投稿日 : 98年8月12日<水>


和歌山のカレー事件に続き新潟でも毒物混入ですか・・・・

ところで、体に良い毒物ってないのかなあ?

例えば体に溜まった脂肪を溶かす物とかあったら売れると思うけど。

棺おけが1サイズ倹約できたり、

霊柩車を小型車にできたり、葬儀費用を安く上げることができるのに・・・

でも、油がないぶん燃えにくかったりして?


・・・・・閑話休題・・・・・


こんばんは、OTEFです。

突然ですが・・・

夏だーーーーー!夏と言えば競馬!これしかなーーーーーい!

キムタクもテレビで言ってるぞーーーーーーー!

皆で行こう夏競馬!って、JRAの回し者ではありませんが。

実は、私はかなりの馬券オヤジ。

と、言うことで(どこがじゃ)私先週末競馬場に行って参りました。


東京競馬場・・・自宅から車で20分、駐車場1000円か2000円

電車利用だと京王線・東府中駅下車徒歩10分、競馬場正門前駅下車0分。

中に入ると競馬博物館やゲームコーナーがあり馬券を買わない人達も楽しく過ごせます。

だから、JRAの回し者じゃないってば!


・・・・・閑話休題2・・・・・

私の指定席はメモリアル60正面のベンチ。

さっそく、1レースの予想を済ませ馬券を購入。

新潟1レースが始まるまでまだ10分位はある。

今年の夏は涼しいから馬券も寒いかな!?などと下らんことを考えていると・・・

私の右斜め前に異質な集団が・・・

なんともガテンな連中が、新聞紙も敷かず地べたに輪になって座っていました。

まるで「ハンカチ落とし」をやる態勢。

オニは誰なんだーーーーーー!

と、突然その中の1人・・・推定年齢50歳、真っ黒に日焼けした顔に

真っ白の捩りタオルが良く似合っている・・・が

「いくぞーーー!」と一声発すると同時に皆が立ち上がりゾロゾロと発券所の方へ行くではないか。

カーキのニッカポッカに白のランニングシャツ、焼けた顔に白のタオル鉢巻。

右手に競馬新聞(確かケイシュウニュース)

総勢6人が全く同じ格好・・・彼らの制服なんだろう、きっと。

その光景はとっても異様でした。

2分後、彼らが帰ってきました。そろそろレースが始まります。

レースが始まりました。

皆の視線がターフビジョンに注がれます。

しかし、ところが、それなのに、彼らは・・・・・


・・・・・疲れてきたのでつづく。


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アメリカは株価がドーーーーンと下がったみたいですが、

私のボルテージはドッカーーーーーンと上がっております。


無駄話はこれくらいにして続きに参りましょう。


「競馬場への誘い」つづき


・・・・・・彼らは、彼らの視線はターフビジョンには注がれてはいなかった。

私の記憶が確かなら、レース中にレースを見ない馬券師はいないはず。

無け無しの財産を一頭の馬に賭け、夢を託すもの。

ある者は今日の晩飯を

またある者は欲しかった盆栽を

またまたある者は傾きつつある自分の工場の立て直しを

全てを2分そこそこの時間に賭けているのだ。

なのに、なぜ彼らは見ないのか?どないなっとるんじゃーーーおのれらーーーー!!


私が興奮しちゃ、続きが書けませんのでちょいと頭を冷やします。


<<<<<しばらくお待ちください>>>>>


彼らは、レースをほっぽり出して何をしていたか?

次のレースの買い目を決めてたんです。

これが・・・・

しかも、最終レースまで繰り返し繰り返し。(それを見ていた私はとっても異常!)

車座になった彼ら6人衆は

和気あいあいとした雰囲気など微塵もなくじっと競馬新聞を覗き込んでいる。

ガテンな雰囲気が充満しとりました。

たまに、件の親分格のオヤジがこんな風に呟く。

「マイネリーベのコメント・・・・」

すると、左側に位置するA氏が間髪を入れず答えるのである。

「『前走の良い状態をキープしてるのでそこそこ行けると思う。』です。」

そしたら親分格が、A氏を睨み付け

「んなこと言っといて、連に絡まんかったら首締めっぞ・・・・」

車座はまたガテンな沈黙へと突入してしまうのであった。

その後観察をつづけていると、それぞれのオヤジに役割分担があることに気がつきました。

先ほどのA氏は「厩舎コメント」担当、B氏は「調教欄」担当、C氏は「オッズ」担当の模様です。

残りの2人には何の担当も無く、ただただ沈黙を守っているばかりのようです。

彼らは親分格に聞かれるとそれぞれが即座に担当部分の記事を読み上げるのみである。


そうか!だから、同じ新聞じゃないとだめなわけね!


と、いうところで文字数オーバーのため続く


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盛り上がってきたところで文字数オーバーとは・・・・

なんとかしてよ!いたこ様。

と、一応もんくなんぞも言いつつ、続きを書きます。

あんまり期待しないで読んでね(^。^)

・・・・・・・・・


そうか!だから、同じ新聞じゃないとだめなわけね!


そんなこんなで15分後ぐらいだったでしょうか。

突然、沈黙を保っていたD氏が遠慮がちにこう言いました。

「E−Iだわ、このレース」

そしたら、紙面をパシッと手で激しく叩いた親分が

「んな簡単に決まりゃしねーんだよ。競馬は!」

と、切り捨てた。

再び、車座を深い沈黙が支配してしまうのであった。

そんな親分の結論が下されたのは締めきり6分まえのことであった。

「5枠から1000円の総流し!行くぞ!」

ここからが凄かった。というか誠に気の毒であった。

なぜなら、E氏、D氏、C氏、B氏、親分の順に発券機に並んだからである。

つまり、自分の言ったとうりの馬券を

ちゃんと買うかどうかを親分が最後方で監視しているわけである。

私の記憶が確かなら・・・・・

はっきり申し上げて、こんな妙な人達を見たことが無い。

親分が決めた馬券を、自分のお金で買わなければならない哀れなガテンな男達。

しかも、結果的に2、3、4、レースとも外れてたし。

馬券を外す度、親分は

「んな・・・わけねーんだけどな。」

と、首をひねりまくっていた。


馬券を外し続け続けてとうとう最終レース。

締めきり5分前、親分の結論が下った。

「一枠から500円ずつ総流し!行くぞ!

あ、金が足りん!んったく・・・・1枠から300円ずつ総流し!行くぞ!」

結果はB−D。

そしたら、最期に親分はこう言ったのだ。

「んなことになるんじゃねーかと思ったんだよなッ!」

残りの5人は呆然と立ちすくみ、じっと目を閉じていた。

私は心の中で声をかけていた。

「しかし安心し給え、これ以上負けることはないんだからね!」と。


アーメン!





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