こっちの世界ゾ〜ン第五十夜「代償」

ぱわっち(ぼうちょー)さん


さて、皆さん今頃お盆休みですか...うらやましいですなハッハッハ(爽)


私の夏休みは秋分の日以降だーーーーーーーーーー!!(夏終わってるよ、トホホ...)


フーー、ちょっとスッキリ、...てなわけで社会人になってから「夏休み」というものを

実感したことの無い「ぱわっち」が送る「新ネタ」です。でわ...



...これは確か、私が小学5年の時の話だったと思う。

私の学校の近くには一級河川に指定される川が流れており、

その中程に水に囲まれた小さな島があります。

その島は鬱蒼と茂った木々と、

たくさんの小さな生命を育む土壌を兼ね備えた「小さな楽園」でした。

ある日、私のクラスは授業時間を利用してこの島に遊びに行くことになり、

ふとしたことで級友の一人が水辺に泳ぐ一匹のヘビ(体長60cm)をつかまえたのです。

生徒A(以下A)「せんせー、ヘビつかまえたよーーー」

担任「あら、すごいわねA君、...でもかわいそうだから離してあげなさい...」

A「えー、やだやだー。せっかくつかまえたんだから、うちのクラスで飼いたいー」

担任「だめです、ヘビなんて飼えません。...第一、飼育の仕方を知らないでしょう?」

A「でもでもー...」


しつこく食い下がるAを優しく諭す先生は、にこやかな顔とは裏腹に

「やめてーーーっ、ヘビはいやーーっ!!」というオーラを周囲に発していました。

当時、大人を困らせることが大好きだった私は、すぐに彼女の内心に気付いた為

私「せんせー、ぼくもめんどうみるから、お願いします。」と

Aに助け船を出し、横目で他の生徒に目配せをしました。

私の視線に気が付いた悪友達は、すぐさま私に同調し、

異口同音に飼いたい旨を先生に告げはじめました。


A、私、そして他の悪友達に、内心意地悪さを含んだ懇願にさらされた先生は、

不承不承ながら私たちの「意見」に従うしかありませんでした。

担任「...わかりました。その代わり、ぱわっち君達が責任を持って面倒みるのよ!?」

一同「はーーーーいっ!!」


校内で唯一ヘビを飼う学級となった私たちは、さっそく図鑑でヘビの事を調べ、

捕まえたヘビが「ヤマカガシ」というユウダ科の一種で毒を持たないヘビという事を知りました。


友人B「なーんだ、毒持ってないのか...ちょっと残念だな..(謎)」

私「ああ..まあいーさ、毒持ってたら後々困るだろ?(謎2)」

友人B「そりゃそーだけどな... ところでさ、飼うのは水槽でいいとして餌はどうするんだ?」

私「ちょーたつするの!! 今の時期(梅雨時)そこらに定番の生き物がいるだろ?」

友人B「ああ、カエルね...」


この時期、河川のまわりには湿り気を含んだ草が生い茂り、

夕方以降になるとカエルの鳴き声がうるさいほどで、餌には事欠かなかった私達は

手分けしてカエルの捕獲に当たりました。

程なく、10数匹に及ぶカエル(アマガエル、トノサマガエル、ヒキガエル)を

捕獲した私達は、別の水槽にカエル達を放り込み、

1日一匹(多いのか少ないのか分からないが...)ヘビに与えることに決定しました。


ヘビがカエルを飲み込むシーンというのは

「ちょっとした迫力」があり、見る者を何故か引きつける。

私達は「俺がエサやるのーー」と、エサやり番を巡って争い合う毎日を繰り返したのです。

しかし、子供は所詮「飽きっぽい生き物」である。

最初こそ「脱皮」や「エサを飲み込む姿」に目を輝かしていた私達も、

半月が過ぎるとエサを放り込んで余所に遊びに行く様になってました。

こうした私達の態度に影響を受けたのか、

ヘビは次第に元気を失っていき、飼い始めて1月後に死んでしまいました。


友人B「なぁ、ヘビ、死んじゃったな」

私「うん。1日1匹じゃ足りなかったのかもな?」

友人B「この死体、どうしようか? 校庭に埋める?」

私「そうだな、墓作ってやらなきゃ...でも、その前に...」


この時、私は、ヘビを捕獲した当時から

胸の内に秘めていた作戦を実行に移すことを決めたのです。


私「なぁ、B」

友人B「ん?何?」

私「墓に埋めてやる前に"ちょっとしたイタズラ"してみないか?」

友人B「イタズラ?」

オウム返しに訊いてくるBの耳に、私が「ある作戦」を吹き込むと

友人B「OK(ニヤリ)、やるか!!」Bは快く応じてくれました。


...かくして「好き好き先生ヘビ悶絶絶叫地獄作戦」の幕は開かれました。

作戦の内訳はBが先生に宿題の相談を持ち掛けて職員室から連れ出したところに、

ヘビの死骸を持った私が乱入し、驚かすというものでした。

今から思えば、小学生らしい「実に他愛も無い作戦(?)」だったわけですが、

私たちにとっては一種の「お祭り」の様なものでした。


そして、作戦開始。

Bはさっそく先生に会いにいって宿題の相談をし

「教室なら黒板があるから教室で教えてほしい」

といって先生を教室近辺まで引っ張ってきました。

物陰に息を潜めてじっとしていた私は先生が教室に入ろうとした瞬間、

ヘビを両手に持って先生に襲いかかりました。

先生「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

                    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」

四方50mに聞こえるかと思うほどの悲鳴が教室にこだまし、

先生はものすごい勢いで逃げていきました。


私「やった、大成功〜(喜)」

友人B「スゲー悲鳴だったな、俺の方がびっくりしちゃったよ」


作戦の大成功に喜んだ私たちは更に「ノリノリ状態(死語)」となり、

他の生徒も驚かすことにしました。

私とBは交代で廊下を、ヘビを振り回したり、

首に巻き付けたりしながら走り回り、各教室に乱入していきました。

時間帯が放課後だったせいか残っている人は少なく、

思った程の効果は得られなかったのですが私たちは十分満足し、

その後でヘビのお墓を作って手厚く葬り

「おもちゃにしてゴメンな...」と墓前でヘビに詫びて帰宅の途につきました。


翌朝...


首の周りを異様にかゆく感じて飛びおきた私は、ボリボリと首を掻き毟りました。

すると、首からポロポロと白いものが落ちました。

私が「その白いもの」をつまみ上げてみると、なんと「うろこ」の様なものだったのです。

私「げげーっ!!」


私「こ、これはもしかして.........フケ?(汚)」

いくらなんでも「フケ」が首から落ちるわけが無い、

何が私の身に起こっているのかを確かめるべく、私は洗面所に向かいました。

そして洗面所の鏡に写る自分の姿を見ると、なんと首の周りに「うろこ」がびっしりと!!

...生えてたんなら面白いんですけど(残念)、やっぱり私は「こっちの人」


...実は私は子どもの頃、

アレルギー体質で皮膚がかぶれたりデキモノができる事がよくあったんです。

原因は当然ながら、前日ヘビを首に巻き付けていたせいで皮膚がかぶれたのと、

ヘビを葬る時に首の後ろに強い日差しを目一杯浴びた為に、

日に焼けて皮がむけやすくなっていたという事でした。

しかし、そうはいってもヘビを巻いた後がかぶれて変色している為、「首を絞められた後」の様に

クッキリと浮き上がっている跡には思わずゾッとするものがありました。

私はとりあえず親に皮膚科の病院に連れていってもらい

「ヘビを首に巻き付けて遊んでいたら"脱皮"した」という理由を医師に話すと、

どうも「ストライクゾーン」に入ったらしく、しこたま笑われてしまいました。


めでたし、めでたし。


(?)


いや、実はこれだけでは終わらなかったのです。

私は病院にいった日、学校を休ませてもらい、次の日に学校へ登校しました。

そして、登校した私を待っていたのは

「鬼の様な形相で仁王立ちするMyてーちゃー」だったのです。

先生は事件の事で、かなり「おかんむり」だったらしく

先生「待ってたわよ〜(怨)」と嫁入り前の女性とは思えないほど、恐ろしい顔をしていました。


「そうか、こっちの事をすっかり忘れてた....」


私が、そうつぶやくと同時に先生は私の肩をつかみ、職員室に連行していったのでした。


(終劇)




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さて、昨日も「無人君」に書きましたが、

「代償」には「万人向けで無い(主に女性)」という理由でボツになったオチがあります。

私には記憶の彼方に追いやる事がどうしても出来ないので、やっぱり書きます。

そのオチとは....


死体をおもちゃにされたヘビ様の祟りを受けた私は「首の皮が"脱皮"」し、

友人Bは今でも「(下半身が)脱皮」出来なくなりましたとさ。


あな恐ろしきヘビの執念でございます。つるかめ、つるかめ。


...うわーっ!! やっぱり書くんじゃなかった〜〜〜〜〜!!





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