こっちの世界ゾ〜ン第五十七夜「あっち?こっち?」

CO.鱸さん


わーい、あっちの世界ゾ〜ンにのったーい!!


というわけでまたまた書き込み。


これも恐くない話です。

しかもこっちかあっちかわからない。

どっちかっつーとこっちかなあ。


昔の彼氏に聞いた話。

もちろん実話です。


そいつの友人が真夜中の峠道を走ってたそうなんですよ。

免許取りたてで腕試しって言うか、ドライブがてら。

すると進行方向の先の道路に何かがうずくまっている。

真夜中だし、恐いですよね。

動物かなんかかなあと思いたくても、想像はやっぱりあっち側へ…。


徐々にその物体に近づいていく車。

徐々にはっきりしてくる影。

彼の目に映ったものそれは…


うずくまる血だらけの男


うわあ、やべぇ!見ちまったよおおおぅ!

彼はひくのも何だしと、律義にそれをよけて先に進みました。

けれど恐いもの見たさというか、やはり気になるのが人情という物です。

もう安全だろうと彼が勝手に思った距離をとってから、彼はそっと振り返りました。

いる…。

もう少しそばによってみよう。

やっぱりまだいる…。

だいぶ近づいてもまだいる。

ん?

あれ?

もしかして…。

「た、たすけてくれ〜」


そう、それはまごう事無き生きた人間。

峠の道のさらに山側の道から崖に落ちた事故野郎が、

最後の力を振り絞って下のこの道まで降りてきていたのです!

何という根性でしょう!!


結局彼はその事故野郎を送り届け、お礼に5万もらったということです。


教訓1:路上にある物をむやみにひかないようにしましょう。

教訓2:路上にある物がすべて生きているとは限りません。

    死んでる物は拾わないようにしましょう。




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