こっちの世界ゾ〜ン・第七十夜「学校の七不思議(前編)」
せる三堂りある(9番)さん談
「学校の七不思議(前編) 」 こんなタイトルですが、「こっち」の話です。 あれは僕がまだ「魔少年」と呼ばれていた小学生の頃、 うちの小学校にも「七不思議」というものがありました。 どこの学校でも同じだと思うのですが、七つ知ると死んでしまうというやつです。 うちの小学校はお墓の跡に建てられ(土地が安いため大概の小学校はそうらしいが) しかもまわりにお墓があるのでみんな結構ブルってました。 絶対に夜、学校に忘れ物を取りにいかないってくらいに、です。 当時から「あっち」系の話収集家として有名だった僕は いろんなヤツから情報を集め、ついに「七不思議」すべてを集めてしまったのです。 「七つ学園の秘密を知った者は死を以て罰せらる」 ところが、僕は死にませんでした。 やはり「七不思議」の伝説は嘘だったのかと思いながら、 まぁ、いいネタが出来たからいいやと思っていました。 そして、修学旅行の夜。 定番の怪談を語るため僕は女の子から誘いを受けて女子の部屋で 「七不思議」について語ることになったのです。 伝説が嘘だと分かっていても終わりに 「僕はこの通り七つ知っちゃっているからいつ死んでも不思議じゃない。 まぁ、これを聞いた君らもどうなるかわからないけどね・・・」 とか言えば、相手は小娘、ウケるものです。 と・こ・ろ・が 「ちょっと待って!それの七不思議はおかしいわ!」 と言い出す女の子がいました。 彼女は当時、僕と「あっち」系の話収集家としてのライバルであった、 「中村さん(仮名)」でした。 彼女が言うには自分も「七不思議」を全部知っているけど、僕と同じ話は2つ、 あとの5つは違うというのです! そして、彼女は自分の知っている「七不思議」を語り始めました。 それを聞いているうちに、僕は大変なことに気がついてしまったのです!! 後編に続く −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「学校の七不思議(後編)」 修学旅行でライバル中村(仮名)さんより聞かされた「七不思議」は 僕の知っているものとは違うモノが5つあった! つまり12もの怪談がうちの 小学校には存在していたのだ(ウラをとっていないところが小学生)! そこで僕は・・・ 月日は流れて 今年の一月。中学校時代の同窓会が開かれました。 久々に逢う友人の中には「できちゃって」結婚しているヤツとか、 変な宗教にハマってしまったヤツとかいましたが、 小学校、中学校といっしょで仲のよかった酒田クン(仮名)は 地元の塾で講師のバイトをしていました。 酒も入り彼とオカルト談義をしていると、ふと彼の教え子から聞いた、 うちの小学校の七不思議の話をし始めました。 酒田「教え子から聞いたんだけど、学校って必ず「七不思議」ってあるじゃないか。 でも俺らの小学校に今伝わっているやつって少し変わっててさ、 不思議は12あるんだって。それでその12の不思議を知ってしまうと 13番目の不思議の犠牲者になるんだってさ。俺らの時代にそんな話あったっけ?」 俺(にやり!) そう、この話こそ、修学旅行で12の不思議があることが発覚した後、 当時「魔少年」であった僕がでっち上げた新しい伝説だったのです。 それは世代を越えて、 十年近くもうちの小学校で語り継がれており、これからも語り継がれていくでしょう。 という話。 認めたくないものだな、自らの若さ故の過ちというものは。(シャア風) |
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