こっちの世界ゾ〜ン第七十弐夜「祝詞」

スズケンさん


こっちの世界の掲示板に投稿するのは初めてです。

あっちの世界の掲示板には一度投稿させていただきました。

ウインナ〜団さん、わたしは三堂りあるさんの本当の後輩です。

ただし、高校、大学での。


さておき、その私の通っている大学ですが日本一古く、

そのわりには知名度の低い大学で

おまけに日本に二つしかない学科、「神道学科」を有しています。

これだけでおわかりの方も多いでしょう。

二つあるうちの東京の方です。

2年ほど前の話。

渋谷駅周辺に「あなたの健康と幸せをお祈りして1分間祈らせてください」

という、いわゆる「拝み屋」が跳梁跋扈していた時期がありました。

今回はそんな彼らと我が校の神道学科の学生の話。

そう言えば彼ら、最近見ませんねぇ。



ある時、飲み会に向かう10人ほどの神道学科の学生の集団がおりました。

当然、渋谷と言えば飲み屋はセンター街周辺。

うちの大学からは渋谷駅を突っ切らねばだいぶ遠回りになってしまいます。


10人もいれば一人くらい集団から遅れてしまう人がいるもの。

そんな彼は集団から2メートルほど後ろを歩いていたそうです。

そんな彼に案の定「あなたの健康と幸福を・・・以下略」がやって来たのです。

拝み屋は若くてかわいい女の子だったそうです。

しかしいくら可愛くても拝んでもらっていては前の集団に遅れてしまう。

「お〜い!」

と彼が前の集団に声をかけると前の集団は何の迷いもなく

彼女をぐるりと取り囲み、一斉に祝詞を唱え始めたそうです。

考えるだにおそろしい。

結局、女の子は拝むどころか泣き出してしまい、

彼らは飲み屋の予約時間に間に合ったということです。


めでたしめでたし。




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