こっちの世界ゾ〜ン第九十九夜「サンダーボルト作戦」

三堂りある(9番)さん談


これは俺が「ミニストップ」でバイトしていた頃の話です。

バイトの先輩で俺よりも4つ歳上の島崎さん(男性)が痴漢にあった経験談です。

臨場感を出すため、島崎さん(男性)の口調で書きます。


大学に行くために朝のラッシュの電車に乗ってたんだ。

電車って揺れるよなぁ。なんかケツに誰かの手の甲が時々、ぶつかるんだよ。

まあ、よくあることだ。別に気にしなかったんだけどな。

そのうちさ、ぶつかるのが手の甲じゃなくて、掌になったんだ。

「あれっ」ぐらいは思ったさ。

でも そんなに気にしなかった。

そのうち、ケツにぴったりとくっついて、もぞもぞと動き出したんだ。

そのとき、俺は自分が痴漢にあっているという事実を認めないわけにはいかなくなったんだ。

もちろん、気持ち悪かったけど、滅多に経験出来ることでもないし、ほおっておいた。

その手はケツ全体を愛撫するかもごとく動き始めた。

かくいう俺もちょっと気持ちよかった。

そのうち、すすすっと手は前の方に進んでいった。

そして、俺のアレに触れた途端、

いや、漫画みたいだけど、「びくっ」と痴漢がびびったのがまさに手をとるようにわかったよ。

そして痴漢は手を引っ込めてしまったんだ。

俺はこの経験で痴漢の手口を知ってしまった。

だんだんと「ねぇ、いい?いいよね?」って具合に行動が大胆になるんだ。


島崎さん(男性)は髪が長く、茶髪で、コートを着れば女性に見えなくもない。

この一件で知った痴漢の手口を俺と島崎さんは

「サンダーボルト作戦」と命名し、島崎さんは実際この作戦を実践したらしい。

島崎さんを女性と間違えた痴漢は新たな痴漢を作り上げたのだった。





     戻る