あっちの世界ゾーン・第十夜「あっちの世界から来た女・中篇」
いたこ28号談
「 3 P 」「 3 P 」「 3 P 」「 3 P 」 甘く禁断の香りがする言葉「3P」。 私の脳味噌の中では、その言葉がG1レースを繰広げていました。 しかし、現実は甘くなかったのです。 後戻りの出来ない「あっちの世界ゾーン」に、足を踏み入れていたのです。 そこはまるで不気味に広がる悪夢の樹海・・・・。 私は顔を洗うために洗面所に入りました。 洋式のトイレの横にある洗面所で顔を洗っていました。 私の右側にはバスとトイレを区切るビニールのカーテン。 見るからに安物のカーテン。 それは黄色ぽい半透明の物でした。 私はタオルで顔をふきながら、何の気なしにカーテンを見ていました。 そこの奥には変なモノが・・・。 カーテンの奥の壁に妙なモノが。 それは黄色かかった半透明のカーテンごしに見えていました。 ・・・気になる。 私は隠されている向こう側を見る為に、カーテンを開けました。 そこの壁には巨大な赤い文字が! たすけて 赤いペンキで走り書きしたように乱れた文字で、「たすけて」と書かれていました。 何だこれはぁぁぁぁぁ! 冗談にしては趣味が悪すぎる。 私は少し嫌な気分になりました。 そして、ドアの向こう側から聞こえて来る彼女達の会話・・・。 ますます嫌な気持ちに。 会話の内容に問題が有った訳ではありません。 Aさんが発音がおかしいのです。 Aさんは声は確かに女の声。 しかし、少女K(名前がわからないのでKとしておく)に話掛ける喋り方がまるで男。 私の暴れん坊将軍に集っていた血が、音を発ててひいて行きました。 彼女達の会話は、まるで不気味な宝塚劇団。 ここは「レズの館」か? しかし・・・。 うぅぅぅぅぅぅぅ! 天 誅! レズは世界を滅ぼすぅぅぅぅぅぅ! 私が男の素晴らしさを叩きこんでやるぅぅぅぅ! これはきっと、神が私に与えたもうた試練だぁぁぁぁぁぁ! ホモサピエンスの時代から培われた男性の本能が、 自然淘汰に耐えた男の本能が、「恐怖心」を簡単に打消したのです。 息 子 復 活!! 出 撃 O K!! 「 う ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ! 禁 断 の 3 P!」 気合一発!(心の中で) 洗面所をでました。 ・・・あの壁の文字に少しビビリながら。 彼女達は何時の間にか小さなガラスのテーブルを出し、 向かい合わせで座っていました。 部屋は8畳のフローリング、奥には大きなダブルベット。 そこには可愛いキャラクターが付いた御揃いの枕が二つ。 部屋は小奇麗にかたづいていました。 しかし、不思議なのは、その部屋には生活観が無いのです。 まるでモデルルームの部屋の様に・・・・。 ガラスのテーブルの上には、水の入ったガラスのコップがおいてありました。 私はAさんの横に座り水を飲干しました。 次の作戦を練る私に関係無く、 Aさんは普通の女性の発音で、心霊体験談を話し始めました。 彼女達は、あの壁の文字について何も言いませんでした。 私も何となく聞き辛く、その話題を出しませんでした。 ポルターガイスト、アポーツ、近似死体験、自動書記・・・etc 彼女達の話は、かなりマニアックでした。 ・・・マニアック過ぎる。 さすがの私も、少し二人の事が不気味になって来ました。 そして話がリーンカーネーション、転生、生れかわりの話しになった時、 Aさんの口から、私の頭の中を爆裂させる言葉が飛び出したのです。 Aさん「 私 達 は、宇 宙 人 の 生 れ か わ り で す。」 おぉぉぉ!まい、ごっとぉぉぉぉ! ・・・・・・またまた、つづく。 |