あっち世界ゾーン・第十四「サイコメトリー叔母さん登場!」

いたこ28号談




梅雨だ!傘だ!腐乱死体だぁぁぁぁぁ!

・・・上の言葉に深い意味はありません。

こんばんわ、いたこ28号です。


今日は友人から聞いた「あっちの世界ゾーン」。

彼は番組の制作進行をやっていました。

彼が関っていた心霊特集の企画のひとつがボツたのです。

撮影を終えていたというのに・・・。

今回の話も、もちろん「 実 話 」です。


局みずから番組等を制作する事はあまりありません。

企画別にフリーのプロダクションに制作を

依頼する方が売り上げを多くあげれるからです。

なぜなら、制作費の何パーセントかを引いから依頼するから・・・。

なかなか悪どいです。

さすが悪魔のテレビ業界。



とある局が、心霊特集の2時間番組を作る事になりました。

彼が働くフリープロダクションが担当した企画が霊視でした。

番組のプロデューサーAさんは、

有名な霊視の出来る人に払うギャラが無いので一般人には有名ではないが、

その世界では知る人知る、

強力な霊視能力を持つ人(叔母さん)を何処からか連れて来ました。

(その人の名前は何故か彼は教えてくれなかった。)


企画の内容は、行方不明の人を霊視すると言う良くあるモノでした。

クロワゼットのサイコメトリーで少女の水死体が生で流されて以来、

この手の番組の王道になった企画モノです。


いくつかの事件が、霊視候補にあがっりました。

ロケ地や時間やその他モロモロ(このモロモロが曲者なんだよなぁ。)の関係で、

散歩に出たきり帰ってこない「長野の父親蒸発事件」に決まりました。

回りには山もあるし、ソレとらしい池もある。・・・モロモロしやすい。

ハイエースとマイクロバスで彼らの家にロケ撮影へ。


まずは簡単なインタビューを撮影。

母親、息子、娘の3人家族だったそうです。

母親や子供達は彼らの計画通り涙ながらに父親の事を話してくれました。

良いモノが撮れそうだ。

Aさんは喜んだそうです。

そして、霊視叔母さん登場!

霊視が始まりました。

父親が着ていた服から霊視(サイコメトリー)をする様でした。

服を握り締める霊視叔母さん。

長い沈黙。

沈黙。

・・・沈黙。

またまた沈黙。

・・困った。


何時もは、図々しいぐらいに喋りまくると言う霊視叔母さんが、

何故か今日は期待に反して、霊視に付いてのコメントがしどろもどろ・・・。

コメントを引き出そうとするAさんの努力のかいもなく、

霊視の良いコメントは撮れませんでした。


・・・スタッフは沈黙。

これでは番組が作れない。

Aさんはパニック。

(裏山と池の撮影素材ではどうしょうもね〜ぞ!

・・・・やばいな。・・やばいぞ!仕切直しだぁぁぁぁぁ!)


帰りのマイクロバス内のスタッフ達は無言。

Aさん一人が、エキサイトしながら電話で誰かと話していました。

そんなAさんに、ゆっくりと近ずいて来た霊視叔母さん。

Aさんが携帯電話を切ると同時に、霊視叔母さんは呟きました。


霊視叔母さん「惨殺されてるよ。」

Aさん 「え!」

霊視叔母さん「惨殺されてるよ、あの家族に。」

Aさん 「家族に!」

霊視叔母さん「殺人者の前では、わしゃ、いえんよ。

・・・裏山の土管みたいなもんが有るところに埋められているな。」



彼らは霊視叔母さんの今のコメントを車の外で撮影。

慌てて現場に戻り暗闇の裏山を散策。

A「・・・こりゃ死体のひとつも出たら・・・・良いぞ!・・・・良いぞ!」

独り言のように呟きながら闇に広がる草むらの中を探すAさん。

しかし、しかし、死体どころか土管すら見つかりませんでした。


「夜で暗かったからなァ・・・。」

彼は私に語りました。

後でわかったんですが、どうやら警察も彼ら家族を疑っているようでした。

そして、事件が解決するまでは、このVTRは使えないと局が判断しました。

結局オンエアには間に合わず、この企画はボツになったのです。

この決定に、一番ショックを受けたのはAさんだったでしょう。



業界内では「本物は使えない。」と言われているそうです。

強烈な霊媒師や霊地帯の番組撮影は、

事故が起こりやすくデメリットが多すぎるからです。

一日撮影が伸びると、かなりの制作費を使うので困るのです。

ちなみにテレビによく出ていた○○愛子氏や○無道氏が本物か偽者かは・・・・

私はごく普通の恐怖体験談収集マニアなのでわかりません(笑い)

しかし、霊視叔母さん、物凄い惨殺の映像が見えたんでしょうね。

それも犯人らしき人がいる前で・・・・・・。





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