あっち世界ゾーン・第十六「うしろの気配」

いたこ28号談



燃えてるかぁぁぁぁぁ!気合いだぁぁぁぁぁぁぁ!

こんばんわ、いたこ28号です。


私の友人に、ホーリーネーム「あずまたから」と言う男がいます。

今夜の「あっちの世界ゾーン」は、彼の体験談です。

彼の実家は京都にあり、かなり大きな呉服屋を営んでいます。

酒が入ると必ず話す、私が数十回も聞かされた彼の恐怖体験談とは・・・。

・・・・もちろん、「 実 話 」です。



以下「あずまたから」談



あれは、私が小学校5年生だった夏の日の出来事でした。

私の家は旧家で、京都で呉服屋をやっています。

春先に叔母が亡くなり、今夏、彼女が使っていた部屋が空いていました。

叔母の部屋だけ、何故か昔のままの土壁でした。

私は、その部屋が嫌いでした。

叔母が病気で亡くなるまでの長いあいだ、

その部屋で床について居たことも理由の一つだと思うのですが・・・。

本当の理由は、すでにアノ事を感じていたのかも知れません。

無意識のうちに・・・・・。


その部屋には、叔母が使っていたテレビがありました。

誰にも邪魔されずにテレビが見れる。

私は、午後4時ごろ、離れにあるその部屋に入りました。

私以外の家族は、何時ものように店で働いていました。

番組のタイトルは忘れましたが、多分マンガの再放送を見ていたと思います。

テレビを見ていて、だんだん嫌な気分になってきました。

怖いのです。

何故かわからないのですが、怖いのです。

私は遂に絶えきれなくなり、部屋を出ました。

障子を開けると長い廊下が続いており、目の前には緑で輝く庭が広がっています。

力強くさす夏の日差しをみて私は直に落ち着きを取戻しました。

「・・・・体の調子が悪いのかなぁ?」

私は部屋に戻り、再びテレビを見ることにしました。

・・・しかし怖い。

5分も発たない内に、またあの恐怖が押し寄せてきました。

得体の知れない恐怖。

怖くって怖くって絶えきれなくなり、再び廊下に出ました。

廊下に出ると あの恐怖感は全然感じません。

その部屋と障子一枚しか離れていないのに・・・・・。

私は恐怖の理由を確かめようと、部屋に戻りました。

テレビの前に座り・・・・・。

やはり怖い。

今度は強烈に恐怖を感じてきました。

何かが私に迫ってきている?

後ろに「気配」が。

振り向いた私の目に。

血まみれの小人の武者。

髪は惨バラ、胸の鎧には無数の矢。

・・・落ち武者。

40センチぐらいの血まみれの落ち武者が、私に向かって歩いて来る!

私は金縛になり、動けなくなっていました。

落ち武者は、全く私を無視しているようでした。

そして、何かブツブツ呟いているのです。

隣に誰か居るのか?

私には落ち武者が一人しか見えませんでした。

しかし、落ち武者は隣に誰かいるかのように会話をしながら歩いて来るのです。

私に向かって歩いて来る血まみれの落ち武者。

手が届くくらいの距離まで。

物凄い形相で私を!

声が出ない!

どろどろと溶けだして嫌な色の塊に!

その塊が、ものすごい勢いで私に!

私は気を失いました。

たぶん、その嫌な色の塊は、

私を突き抜けて後ろの土壁の中に消えていったのだと思いました。

家族は誰も信じてくれませんでした。

私は二度とその部屋には、一人では入らなくなりました。



先日、家を改装することになりました。

あの離れの部屋の土壁から、油紙で包んだ40センチぐらいの塊が出てきました。

包みの中から、短刀。

何故こんなものが・・・・。

誰にも解りませんでした。

しかし、私には、あの日から壁の中に何かがある事を感じていました。

あの怪奇体験以後、霊の「気配」等を、感じられるようになったのです。

・・・あの日から霊感に目覚めたのです。



と、言ってるわりには「あずまたから」君には、どう考えても霊感がない。

それに、彼は不幸が友達みたいな奴で、なかなか笑えるんやなぁ、不幸話が。

普通では考えられない不幸が、彼の人生では日常茶番時におこるんやなぁ。

絶対その落ち武者に取り付かれてるでぇ、「あずまたから」よ!

あぁぁぁぁぁぁ、合 掌。





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