あっち世界ゾーン・第弐拾「祟り・・・しかし・・」その4

いたこ28号談



結局、朝までだれも帰る者はいなかった。

フィルムには、ビニールテープが何重にも巻かれていた。

その上に誰が書いたのか「封印!」とマジックで書かれた紙が。


今後どうしたらいいのか話し合っていたのだが・・・。


テレビ局に送れば、お払いしてくれて、うまくいけば金も貰えるかも・・・

と、素晴らしい命知らずの意見も出たりもしたが。

しかし、それまで誰が何処にどう遣って、このフィルムを保管するのか?

どこに持っていったらよいのか・・・・全くまとまらず・・・・朝になり・・・・

一人消え、二人消え、10時を少し回ったころには、私とTとKとA子だけになっていた。


じつは、あまり真剣に話し合っていなかったのだ。

あまりにも現実離れした現象が、目の前で起こったためか?

現実味が無く、危機感をそれほど感じなかったのだと思う。

・・・恐怖は味わったが。

不思議な感覚だった。


私も帰るつもりで鞄を開けた。

「封印! 」の文字。

あのフィルムが鞄の中に。

誰だよ入れたのは?・・・Tか?

心霊現象なんて無いといいながらも・・・本当はビビッていたのか。

私は少し嬉しくなり・・・

「プレゼント」

と、

ハートマーク付きのメモをつけてTのベットの上にフィルムを置き、家路についた。


2日後。

大学に行った。

不思議な事に、あのフィルムを見た者と会わなかった。

後でわかったのだが、その日ほとんどの者が風邪で休んでいたのだ。

・・・その事を知った時も、風邪が流行っているかぐらいにしか、

さほど気にも止めなかったのだが・・・この風邪が、あの恐怖のプロローグとは・・・・。


大学では噂が噂を呼び、暇な学生達の話題になっていた。


・・・予想どうりと言おうか。

噂を聞き、あのフィルムを見せてくれという命知らずが何人も現れた。


・・・私が持っていることになっているらしい。


話の内容はいつの間にか、物凄いことになっていた。

・・・スクリーンから血が吹き出たとか、

女が飛び出たとか、フィルムの中の女が叫んだ、と、言う者までいた。

私はTが持っている告げ、その噂を肯定も否定もしなかった。

ただ一言!


「人間には知らない方が、いいものもある。」


しかし、その言葉でますます彼らの興味と興奮をかきたてようだ。


・・・私の作戦は成功した。

お前らにも恐怖を味合わせてやる。

「ひぃひぃひぃひぃひぃ〜・・・。」

心の中で微笑んだ。

きっと奴等はどんなことをしても「悪魔のフィルム」を見に行くだろう。


・・・次の日、Sが肺炎になり入院した事を知った。

・・・風邪で休んでいるのは、あのとき部屋にいた奴等だけだった。

あのフィルムを見た奴等だけだったのだ。

何かが起こっている。


それから3日後。

あのフィルムを同じく見たHが、バイクの事故で入院した。

右腕骨折だった。


「偶然も連続すれば・・・・・・・・。」


TとKが大学に来ていないので気になり、たまたま食堂で合ったA子と彼らの寮に向かった。


実は、A子もかなりビビッていた。

彼女の友人のあのG子も、風邪を拗らせ入院したのだ。



寮では大騒ぎになっていた。

Kが交通事故にあい、先ほど救急車で運ばれたというのだ。

・・・そしてフィルムを持っているはずのTは行方不明になっていた。

我が身に迫る得たいの知れない恐怖を感じた。

A子の顔色は青かった。


「偶然も連続すれば・・・・・・・そりゃ、祟り。」


・・・とにかくフィルムを何とかしなければ。

・・・・・つ・ぎ・は・だ・れ・が・・・・・。



                                       づづく





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やばいんとちゃうか。とにかく続きを。