あっち世界ゾーン・第弐拾「祟り・・・しかし・・」その1

いたこ28号談




「偶 然 が 連 続 す れ ば、そ り ゃ 祟 り!」


・・・今回の話は、数人の学生達+私が、「祟り」(?)にあったために、

大学では伝説の怪談の一つとして、今でも語り継がれている

「あっちの世界ゾーン」

なんと、ある「心霊体験談集」にまでこの話が書かれていたりするのです。

・・・話の中に登場する「S君」が、私の事だとわかり笑ってしまいました。

そして、その話がまたまた変形して、あの稲○さんの「恐い話」にも載ってたりします。

漫画にもなってたりします。なんか凄いことになってます。

ついでに、オチは「事実」より面白かったりします。(うぅぅぅぅぅん、困った。)

しかし、とにかく、この話こそが「 実 話 」なのです。

「元祖」&「本家」なのです。



あるサークルで、自主映画を作る事になりました。

映画のストーリーは、私の得意技の

「血まみれ快感ホラー」では無く、「寒イボたちたち」の学生恋愛物。

揚げ句の果てに、ラストはハッピーエンド!

そのころ「恋愛」と言う戦いに敗れまくっていた私は、ノイローゼ受験生よろしく

「愛」とか「恋」とか聞くと放火したくなる衝動に駆られてしまう状態でした。

だから、私は現場の作業にあまり関係ない、編集を担当する事にしました。



「血の惨劇」の幕は、撮影が終わりに差し掛かった時に切って落とされた。



その日の撮影現場は、最近建った市民会館一階の駐車場でした。

後ろに沼。

不思議な事に、沼は半分だけ埋められ駐車場になっているのです。

中途半端に工事が終わっている様にも見えました。

私は編集担当なので、あまり撮影現場には参加してなかったのですが、

今日は撮影の後「呑み会」をすると言う事なので来たのです。


そうです。


私は「愛」に対して「リベンジ」を誓ったのです。

今日は、主演の女の友人の短大生が呑み会に来るのだ。


う〜ん、リベンジ!


私には作戦がありました。

今までは、すぐに酔ってしまい「自爆霊」とかしていました。

今日は自爆しない・・・酔わずに・・・・リ・ベ・ン・ジ


で、・・・・


其処で撮影するのは、

沼を背にカメラを構え、正面からカメラに向かって男が走って来るカットでした。

かなり引いたアングルなので、男がカメラ前まで走って来るのに10秒ぐらいはかかりました。


テイク・ワンはNGで、テイク・ツーがOK。

その後、場所を移動し撮影は夕方には終りました。


夜は呑み会だ!コンパだ!

今日は酔て自爆しないぞ!


しかし、しかし、


私は大事な事を忘れていました。

奴等は酒乱でした。サークル仲間は酒乱だったのです!!

何時ものように酔って暴れまくり・・・・・彼女達は恐がって帰ってしまい・・・・

挙げ句の果てに、店の畳に「もんじゃやき」・・・・大阪なら「おこのみやき」・・・・・

あ〜・・・しらふだった私が、掃除するはめに・・・。

「さようなら、青春。」

・・・その後、彼女達とは二度と「呑み会」はできませんでした。


その後もいろいろありましたが、とりあえず3週間程で全ての撮影は終わりました。


ここからが、私の仕事です。


あの駐車場のシーンを見たのは、徹夜二日目の夜中でした。


「これは、使えなんなぁ〜。」


OKテイクの走って来る男の上に、白い靄が2コマ映っていたのです。

(ちなみに、フィルムは一秒間に24コマで回ります。)

使えないので、私はNGの方のカットを繋ぎました。

嫌な感じがしたので、

その「霧付」テイクのフィルムは、何時でも見れるように別のロールにまいておきました。


そして私は、余りにも編集作業が大変なため、そのフィルムの事は、忘れてしまうのでした。


「祟られたフィルム」を・・・・・・


                                 ・・・・・・・・つづく





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