あっちの世界ゾ〜ン・第弐四夜「あなたは幸せですか?」
いたこ28号談
| 人の幸せは他人にはわからない。 不幸せに見えても本人達は幸せだったりする。 彼女は受付嬢としては特殊な人だった。 キャラクターが面白すぎるのだ。 ボディコン、そしてちょっと茶髪、人なっこく妙に明るい性格。 叔父さん達は煙たがったが、殆ど人が彼女のキャラによい印象をもっていた。 会話も結構危なかったりした。 あるパーティーで、社長が彼女に「頑張っているか?」と訪ねたら、 彼女曰く。 「おまえもな。」 周りの役員達はビビッた。 しかし社長は爆笑。 ・・・その事件から社長に気に入られたみたいです。 しかしやっぱり煙たがる役員達の圧力にも屈せず今でも受付嬢を続けている。 そんな無敵パワーの彼女に弱点があった。 彼女がつき合う男性はいつも少し困った人たちなのだ。 私達は彼女の新しい彼氏の噂を聞くたびに 「なんて男性運の悪い人なんだろう」 と呟くのだった。 ・・・後で解ったのだが、彼女にとっては余計なお世話だったが。 少しぐらい弊害が有る「愛」の方が彼女は燃えるらしい。 そんな彼女とパーティーの二次会で話すきかいにめぐまれた。 お互いよく知ってるわけではないのだが、彼女の性格上直ぐに打ち解け?会話が弾んだ。 どうやら、噂に聞いていた「新興宗教」に狂っていた彼氏とはわかれていた。 「愛」は「洗脳」には勝てなかったのか・・・・。 で、 今回は不倫。 今付き合っている彼氏は妻子がいるそうだ。 彼女曰く、割り切って付き合っているらしいので・・・ なにを割り切っているのか彼女の説明ではいまいちよく解らなかったが。 とにかく、今回も弊害のある愛なので燃えてられていることは大変よく私には伝わった。 彼女は私が「恐怖体験談収集マニア」だと噂を聞いていた。 今の彼氏が体験した「あっちの世界ゾーン」を私に教えたくて仕方がなかったらしい。 ありがたいことだ。 ・・・いや、もしかしてチャンスカード? ・・・良く見ると彼女はナイスバディー(死語)。 ちょっと顔もHぽくて・・・少し厚めの唇をみていると・・・ ・・・・・・・なかでだしたい。 うおおおおお、狼になってやる!!! 興奮する私に彼女は一枚の写真を見せた。 「なんじゃこりゃ〜!!!」 インパクト×234!! 異常さ×432!!! こんなもの見たら・・・話を聞くしかないです。 男の本能捨てます。 私は本当に恐怖体験談収集マニアみたいです。 で、 この写真、彼の鞄の中から見つけたそうだ。 この写真の意味を彼に問いただすと、今回の恐怖体験談を話したそうだ。 ・・・・だからこんな事になったのだと。 彼女は微笑みながら、「絶対ホームページに載せてね。」と呟いた。 彼女が話してくれた彼氏の恐怖の体験談とは・・・。 ・・・・しかし、ほんとに書いていいのかなぁ。 まぁ、とにかく、・・・・今回の話も「実話」です。 6月のある日、彼女の彼氏は社員旅行に参加した。 今回の企画は、秘境の湯・一泊二日の温泉ツアー。 そこはも〜〜二度と来ることはないだろうというぐらいの山の中にある秘境の温泉旅館だった。 よそうどうり、一歩間違えばヘルハウス!!! 到着した時は、違う意味で感動の荒しだったそうです。 肝心の露天風呂温泉も素晴らしかった。 もちろん混浴で、ちゃんとした囲いなんか当然ない。 ほとんど人が、沼と錯覚したぐらい素晴らしいものだった。 女性の社員達は水着を着ていたが、それはそれで楽しかったらしい。 温泉に入った後はお決まりの宴会。 下世話で楽しい温泉色物飲み屋やコンパニオンなんていない秘境なので、とにかく飲むしかない。 飲んで、飲んで、飲まれて、飲んで・・・・。 もちろん宴会は深夜まで爆走!! 彼は実は温泉マニア。 とうぜん一人で宴会を抜出し、酔いさましにと露天風呂に向かった。 露天風呂は裸電球らしきものはついているが、とにかく暗い。 それはそれで、月明かりで入る露天風呂も風流なものだが、 何故か、ここの露天風呂は違っていた。 い〜や〜な、陰気な空気が漂っているのだ。 大勢で騒ぎながら入っていた時は、あまり感じなかったが、一人で入ると・・・。 物凄く嫌な感じがしたそうだ。 身体を洗っていたとき、後ろの草むらが動いた。 驚いて見る・・・・・二つの目玉が光った。 悲鳴! でも良く見ると・・・・子犬だった。 あまりにもビビッている自分に少しおかしくなり笑いそうになった。 恐さが少し消えた。 そして、彼は気桶を椅子代わりに座り頭を洗た。 髪を洗い流していたとき、・・・オシリの方に何かが当たった。 びっくりして声をあげそうに。 でも良く考えたら、あの子犬だと。 ・・・いや、そうだろうと思った。 彼は気にせず泡を流す。 ・・・犬て目がひかるのだっけ・・・・・あれ・・・感触が・・・変だ。 目に入ってくる「自然に優しいアロエシャンプー」で少し痛みを感じながら振り向いた。 絶句。 新生児。 ヘソのおを引き吊りながら、何度も彼のオシリにぶつかってきていた。 悲鳴! 目の前が真っ暗になった。 ・・・・布団に寝かされていた。 気絶していたところを見つけてくれた同僚達が運んでくれたのだ。 同僚達は、飲んで入るから「湯だね」するんだと笑った。 彼はアノ事をだれにも言えなかった。 ヘソのおを引きずる新生児の事を・・・・。 異変は突然彼に襲いかかった。 それは会社の電話で会話中に起こった。 会話の間間に変な子供の声が聞こえるのだ。 はじめは混線しているのかと思った。 しかし、会社で彼がとる電話には必ずかすかに聞こえるのだ。 日に日に何を言っているのか聞き取れるようになってきた。 不思議なことに電話でしか、その声が聞こえることは無かった。 「・・・パパ・・・」 男の子の声で、何度もそう告げる声だった。 彼は電話をするのが恐くてたまらなくなった。 彼女は見つめる私を無視するかのように、なみなみとつがれているビールを飲み干した。 「・・・で、いまはどうなったの?その彼氏?」 彼女は微笑みながら私を見た。 「・・・今はテレビを見ていても聞こえる事があるんだって。」 ヤバいんじゃないの・・トリツカレているぜ。 私はその様な意味の言葉を彼女に告げたとおもう。 ・・・たしかに凄い話だ、怖い。 しかし・・・・・あの写真は・・・・だから何だというのだ。 彼女は実は頭のいい女性だ。 私の疑問は最初から解っているようだった。 いや、彼女自身、この体験談はどうでも良かったのかもしれない。 その写真に写っていたもの・・・・ いい歳こいたおっさんがオムツをしている写真。 いわゆる幼児プレーですか。 その恥ずかしいオヤジが、彼氏だった。 「・・・バレバレなのに、一生懸命言い訳する彼が、と〜っても可愛いのよ。」 ・・・そうゆうオチですか。 またまた素晴らしい彼をゲットしましたね。 ・・・かってにしてください。 まあ〜、しかし、たしかに、 「幼児の霊の話」が言い訳でも、じゅうぶん「あっちの世界」です。 でも、なんか・・・・・、 そんな話を楽しく話す彼女がちょっと羨ましくも思え、 ・・・・・魅力的だった。 幸せの本質が、ほんの少し見えたような、ちょっと得した気分を味わえた。 |
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