あっち世界ゾ〜ン・第弐八「出滋多流的電脳百物語」

いたこ28号談



1999年5月13日発売の週間アサヒ芸能に・・・・・・

スクープカラー!藤原紀香「究極お宝水着」のフェロモン16態!・・や、

26歳看護婦がセルフヌードSEX告白!・・や、告白!「剃毛される快感」などなど、

話題の記事が目黒押しの週間アサヒ芸能に投書が載りました。

読んでください。こっそり読んでイッテください。

初心者でイケない人は、大人気カラーの「美人妻のイキ顔」もあるので安心です。

最寄りの本屋かコンビニでどうぞ。310円です。


宣伝はこれくらいにして・・・・


載った事はスゲぇ〜嬉しいだけど、・・・・・ほとんど「ボケ」がカットされてました。(^^;

「ボケ」文書がないので、タダの恐い話になってます。

そおゆう企画意図で集められているでしょうがないんだけど・・・・・・・

しかし、しかし、「あっちの世界ゾーン」は「ボケ」てなんぼの世界。

「つっこみ」を入れてこそ「あっちの世界ゾーン」。

そんな「あっちの世界ゾーン」つっこみマニアのために、特別企画として、

投書したオリジナルの全文を載せます。載せます。これがオリジナルだぁぁぁぁ!

アサヒ芸能に載っているモノと読みくらべるのも面白いかも・・・・ね。

原形は真「あっちの世界ゾーン」百話の話なんだけどね。(^^;



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オカルト系サイトは良い子達にとって有害サイトと騒がれいる現在、

私はそのオカルト系・恐怖体験談集をウェブサイト(ホームページ)で

公開してる自称恐怖体験談収集マニアです。

公開して約二年なりますが、投書してくださる皆さんのおかけで

現在、恐怖体験談も約三百話を超え、訪問者数も二十七万人を突破しました。

で、

私が心霊系ウェブサイトを公開している事を知ると必ず質問される事が有ります。


「ヤバくないのか?」


男は少しヤバい匂いを漂わせている方が「素敵」とハウツーものの謀雑誌で

読んで以来、それを信じて疑わないナイスなミドルマンを目指している私としては

嬉しい誉め言葉ひとつなんですが、この時のヤバいと言う言葉に込められている

質問の意味は「霊的な現象」に会わないのか・・・と言う事だったりします。

今までなら右斜め45度上空を潤んだ瞳で見つめながら

「ふ・・大丈夫さ。」

と、余裕の微笑みさえも浮かべながら答えていました。

恐怖に喜びを感じている少しヤバめのナイスなミドルマンを演出する余裕さえあったのです。


奴が、奴が、奴が現れるまでは・・・・



皆さんは「百物語」を御存じでしょうか?

正しい儀式の進め方等はともかくとして名称ぐらいは御存知でしょう?

私のウェブサイトも、その「百物語」風に、

皆さんから投書していただいた体験談を元に進めていくようにしていました。

なんか科学の最先端ぽいインターネットで古伝降霊術として語られてきた「百物語」。

なんとなくカッコいいでしょう?

不思議スキスキギャル達にもてもて君になりそうでしょう?

まぁ〜、ウェブサイトで「百物語」に挑戦したのは、私が最初では無かったんですけどね。

ちなみにそのサイトは「百物語」を完成させてすぐに無くなりましたが。

ほんとのことを書きますと、自称恐怖体験談収集マニアと豪語しているわりには、

「百物語」の由緒正しい儀式の進め方なんて知らないのですが、

とにかく百話を目処に話を進めていこう・・・・と軽い気持ちと硬くなった下心で始めたのでした。


予想だにしなかった「恐怖」は、私が初めて百話を達成した時に始まりました。


初めて恐怖の現象が起こった時は、まだウェブサイトには八十数話しか載せいませんでした。

が、実は「百物語」は完成していたのです。

百話に達成していたのです。後はアップロードするだけだったのです。

簡単に説明しますと、私のパソコン上では完成していて、

後はその話を、公開するためにサーバーに送ればよい状態だったのです。

だから一番最初に百物語を読み終えて「百物語」を終了させていたのは私だったのです。


私には邪悪な企みがありました。


後数週間後に訪れる御盆の日に百物語を完成、公開しようと企んでいたのです。

その日なら怪奇現象が起こりやすく、恐怖も増すだろうと・・・。

謀超能力者が昔、テレビの視聴者に向かって、

念力を送って奇跡?を見せたように、タイミングとか、その時の心理状態とかが

巧く合えば読んだ人々に何か起こるんじゃないだうろかってね。

うまくいけばインターネット界で伝説を作れるぞ・・なんてね。

御盆に百物語完結!

ふふふふ、恐怖のどん底に落してやる。てね。・・・・・落ちゃったのは私だったんだけど(^^;


身体の調子が悪くなったのは、百物語を完結させた夜からでした。

私のパソコンのハードディスクに生まれた日の夜でした。

最初のソレは、真夜中に突然起りました。

呼吸が出来なくなり苦しさで目がさめたのです。

恐怖はありませんでした。

年に何回かは、そんな事があるので、その時はさほど気にもせずに再び眠りにつきました。

その日を境に、夜中に呼吸が出来なくなり苦しさで目がさめる事が続きました。

会社での健康診断があったので、私は医師にその事を相談しました。

・・・・肥満の人間には良くある事らしい。

私は痩せています。

血液検査では、いつも栄養失調の境目をうろうろしているのです。

血液貧乏なんです私。うぅ・・・・。

で、

検査の結果は不明でした。

ストレスから来るものかも・・・・どうしても続くようなら耳鼻科に行くようにと告げられました。

その日の夜も、呼吸が出来なくなり苦しさで目をさましました。

・・・・不思議なのです。

まったく悪夢などを見ているわけでも無く、突然息が出来なくなり苦しくて目がさめるのです。

目を開けてからも、少しの間呼吸困難が続いたので、この日初めて恐怖を感じました。

「死」を連想させる恐怖を・・・。


ストレスなのだろうか?


「ストレスの無い男」と会社では呼ばれていますが、

流石に私も人の子、ストレスの一つや二つは・・・・・思い付きませんでした。


本当はその苦しんでいた時に何故か原因の元を感じていたのです。

思いついたんではなく、感じていたのです。

しかし、その時は恐くて認めたくなかったのです。


「百物語」だとは。


・・・今考えたら、その時に何かしら対処をしなかった事を後悔しています。

神社でお祓いしてもらえばよかった。・・・効果はわからないけど・・・。


そして、次の日の真夜中に、奴はやってきました。

私の呼吸を止めていた奴がやってきました。


私は築十年以上たつアパートに一人暮らしをしています。

六畳、四畳、風呂、トイレ付、ついでにキノコも少し生えてます・・・。

ベットは壁に沿って置いてあり、枕を置いている方も壁になっています。

だから、眠る時は頭の上は壁になるのです。

その日もいつものように、深夜1時すぎにベットに入りました。

でんこちゃんの霊が出たら恐いので、私は全ての電気を消していつも寝ます。

その日ももちろん暗闇で睡眠に入りました。


突然呼吸が出来なくなり、苦しさで目がさめたのは数時間後でした。

今日は何時もと様子が違っていました。

目を開けているのに、呼吸が出来ない時間が長いのです。

身体も動かない。

それに何も見えない。

いくら部屋の電気を消していると言えども、普通なら何か見えるものです。

しかし、闇なのです。目の前が闇なのです。

苦しさで気絶しそうになりました。

何かを吐いたような衝撃の後、やっと呼吸ができました。

と、同時に闇の理由が解り恐怖しました。

それは闇ではなかったのです。

奴が私の顔にへばりついていたのです。

だから何も見えなかったのです。

奴は私の口に口を押し付けていたのです。

奴は、その途端、グゥ〜・・と、私の目の前に顔を持ち上げました。


絶叫!


声は出せなかったのですが絶叫しました。

心臓が止まるかと思うぐらいに絶叫しました。

金縛りからか恐怖からか身体は動きません。

それに奴は私の両肩を抑えていました。

私の頭の方にある壁のなかから、上半身を突き出し両肩を抑えていました。

顔はまるで真っ黒い塊で目も鼻も無く、口だけが大きく裂けていました。

「にぃ〜」と笑ているようでした。

大きくさけたような口に、白い歯が並んでいるのが見えました。

いや、何故か歯だけが白く異常に光って見えたのです。

男だった。

理由は解らないが、奴が男だと私には解ったのです。

奴の長い髪は、いくつにも編まれていました。

再び絶叫。

奴は再び私の口に吸い付こうとしてきました。

私は顔を少し動かし避けました。

奴は何回も私の口に向かって吸い付いてきました。

身体が動かない。

首だけしか動かない。

声も出ない。

しかし、声が出ない絶叫を続けました。

すると突然、私に不思議な感覚が襲ってきました。

「恐怖」が「怒り」に変わってきたのです。

物凄い怒りが、私の身体を突き抜けて行きました。

「なんで俺が、こんなホモ野郎のクソ幽霊に犯されそうにならなきゃならないんだ!」

私はありとあらゆる罵声を浴びせました。

・・・と、言っても声がでないので、心の中で浴びせていました。

奴が怯んでいくのが解りました。

逃げようとしているのが解りました。

右手が動いた。

・・・今考えたら、何故そんな事が出来たのか不思議なのですが、

私は奴を逃がすまいと思い、消えようとする奴の左手を掴んだのです。

「逃げるな、クソ野郎!!」

二ュルと言う感触が右手に・・・

天井で奴は形が崩れ、煙のような状態でへばり付いていました。

私の方はあの嫌な感触で我に帰り・・・・・げぇ!・・恐い。

金縛りがとけた私は、悲鳴に近い雄叫びを上げながら電気を付けました。

「バッチ!!」

ラップ音と共に、その煙のようなものは砕け散りました。

ソレは完全に私の視界から消滅しました。


部屋の全ての電気を、ついでにTVを付けて、

「逃げていいよ、逃げていいよ、逃げていいから、もうこないでね。・・・」

と、恐怖におののきながら・・・・今自分がした行為に恐怖しながら、朝まで呟いていました。


私は百物語を百話にしないようにして、発表してしまえば邪悪なパワーも見た人全てに

拡散されてるのではないかと思い、・・・なんの根拠もないが・・・・

とにかく、早く発表してしまった方が安全だと、その時には感じていました。

・・・そうしろと、私の感覚が叫んでいたのです。

会社に遅刻しながらも、その日の朝に全の「百物語」を公開しました。


百物語完成の日を境に、呼吸困難で目がさめることは無くなりました。

しかし、今だにあの恐怖の記憶が突然蘇り、電気をつけてないと眠れない日があります。

・・・・こんな年齢でトラウマになるとは。

私が「心霊系」ウェブサイトを持っている事を話すと、殆どの知人達にこう質問されました。


「ヤバくないか?」


私は奴が現れるまで、大丈夫だと言えた根拠はここにありました。

「百話になっても、全ての話が実話だとは限らないから大丈夫だ。」

しかしその考えは間違っていました。

たとえ全てが真実ではなくても、それに恐怖する人間がいれば、多くいればいるほど、

そこにはなんらかの負のパワーが生まれ、

新たな恐怖が生まれ、その恐怖から逃れる事が出来なってくるようです。

想像から生まれた恐怖達は簡単にとり憑いてくるのです。

あらゆる形となり姿となり奴らとなって・・・・・・。

信じようが信じまいが恐怖がそこに有れば奴らがあらわれるのです。


・・・・・・今夜皆さんにも楽しい悪夢がありますように。






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