あっち世界ゾ〜ン・第参拾参「残念ながら・・・無い」

いたこ28号談



◆吉田克巳(仮名)32歳の恐怖体験談

昨年の8月の30日の夜の11時ぐらいかなぁ。
車で東京から名古屋に向かう途中だったんだけどね。
パーキングでトイレすまして20分ぐらい走ったかな。
小雨が霧状になっててさ。
こう、なんていったらいいのかなぁ。
なんか不思議な空間でさぁ。
お盆だったら凄い渋滞だったんだろうなぁ、
なんて事考えながら走っていたら、
前に黒く小さな塊が、バッ!!と飛び出て!!
うぁ!って!!
グチャって!!
フロントガラスに!

・・・・真っ赤なモノを撒き散らしながら後ろに吹き飛んでいった。
俺、恐怖で固まっちまってブレーキ全然踏めなかったよ。

そりゃアレが人間ぐらい大きかったら急停車したさ。
その黒い塊がフロントガラスに叩きつけられたのは
1秒もなかったと思うよ・・・だけど、
それがヒシャゲタ音と形とフロントガラスに残った
血と脳髄の跡で、それが何だったのかすぐにわかったよ。

・・・子猫。

黒い子猫だったんだ!!

おいおい、そんな目で俺をみるなよ。

俺はどちらかと言えば犬より猫派だよ。
心が痛んだよ。でも、もうどうすることも出来ないだろう?
ほんと、俺も危なかったんだぜ。
一種のパニック状態っていったらいいのかなぁ
こう、意識が朦朧としているのに
100キロ以上のスピードで、そのまま走っていたんだぜ。
止まらなきゃ、って、気付いた時にはかなりの距離を走っていたしさ。
ユーターンできないだろう?あのテの道路って。
俺スピード落として、とにかくパーキングに入って
落ち着かせようと思ってさ。
ワイパーには赤い脳味噌みたいなものが絡み付いているし。
とにかく、も〜、事故らないように速度を落としてゆっくり走ったよ。
気を紛わそうと大声で歌とか歌ったりしてさ。
パーキングまであと2キロの表示が見えた時かなぁ、
後ろから迫ってくる変なものに気付いたんだ。
それは後方を走っている車を追いぬいては俺の方に近づいて来る。
そいつが車を抜くたびにチラチラと見えるんだ。
すっげぇ恐怖を感じたよ。
だってそれ車じゃないんだ。
それバスケットボールぐらいの大きさしかないんだから。
じつは俺、それが何かすぐ何かわかったんだ。
でも怖くて認めたくなかった!
追いつかれまいと速度を上げたよ。
それが俺の予想通りのモノだと確信できる距離に成るのに
差ほど時間はかからなかった。
確実に俺の視界に入った時叫び声をあげちまったよ!
そいつはそうあって欲しくなかったモノ。
なにかわかるか!?
おい!お前!何かわかるかよ!!
黒猫!黒猫なんだよ!
それも血まみれの子猫を咥えてやがる。
俺がヒキ殺した子猫を咥えてやがるんだ!!
悲鳴を上げながらアクセルを全快にしたよ。
狂ったように叫びまくったよ。
危険スピードを知らせる警告ランプが鳴り捲っていたけどよ。
そんな事おかまいなしに俺はアクセルを全開に踏んだよ。
とにかくヤツの姿を見るのが怖かっんだ。
前だけを見てアクセルを踏んだよ。
そしたら突然前方に黒い塊が!!
ヒイチマッタ!!!
またひいちまったんだ!!
ひいちまったんだよ!
それなんだと思う!
えっ!何だと思うよ!
もの凄い勢いに後方に跳ね飛ばされていたソレが!!
お前らわかるか!
言ってみろよ!!
それはなぁ、
ペリカン!
そうあのアゴの長い鳥、ペリカンだぜ!
今度は自分の意思でブレーキは踏まずにスピードを上げたよ。
お前だってそうするだろう?
そうするだろ!
そしたら今度は前方から飛脚が・・・・・


私「で・・・それがオチ?」

吉田「いや、まだゾウが・・・。」

吉田は得意そうに笑った。
今年入社した新人の加代子は、意味がわからず
隣に座っている同じく新人の敏明に
エッなに?ってな具合に、オチの意味を聞いていた。
敏明は小声で「引越し屋のマーク。」と。
加代子はまだ理解できないようで、
だから何なのって感じで敏明に質問を浴びせた。

吉田の話を真面目に聞いていた私が馬鹿だった。

「肩から透た手が出ていた老人」
「夜釣りで釣り上げた位牌の呪い」
「風呂場の消えない小さな顔」等々・・。
恐怖体験談収集マニアの私をも満足させる王道な怪談で盛り上がっていたのに、
・・・・でも、まぁ〜、面白かったんでコノ手の話もありか。
ねーちゃんの居る飲み屋では使えそうだ。

私達は会社の慰安旅行で熱海に来ていた。
毎度の様に酒に飲まれてクダをまく上司達から逃れ
新人4人と、私と吉田、合わせて六人で砂浜を陣取り怪談に花を咲かせていた。
九月の上旬とはいえ、真夜中は肌寒い。
海岸は月明かりのおかげで闇が広がっている訳ではなかった。
前方に広がる波打ち際からは、若いカップルと思われる二人組が
キャーキャーと騒いでいる声が聞えていた。
不気味さは無く、少し肌寒い風もなんだか心地よい。
さすがに夏が終わったこんな時間に砂浜にいるのは
私達とそのカップルだけだったけど。
こんなシチュエーションにしては珍しく、
上質な怪談を収集できたのは思っても見なかった収穫だった。

「他になにか不思議な体験談はないの???」

私は皆の顔を見た。

私は「怖い話はないの」とは聞かない。
なぜなら恐怖体験談収集マニアな経験上、
「怖い話は?」とふるよりも「不思議な話は?」とふったほうが
面白い体験談を収集できる確率が高かったからだ。

そう言えば新○袋の某著者も同じ事を言っていたっけ・・・・。

体験者が恐怖を感じていなかっただけで
第三者が見方を変えた時、突然それがとんでもない
恐怖であった事を知ることがあるからだ。
その人の日常が実は非日常的だったと気付く時・・・。
そんな話に出会った時ほど、私のマニアな脳味噌は心地よく痙攣してくれる。
「恐怖」とは面白いものだ。

加代子「あの〜」
私「おおお!!どんな話だ!!」
加代子「・・・なんでゾウなの?」
私「・・・・・・。」
敏明「だから引越し屋のマークだって!」
まだ理解できない加代子は敏明に説明を求めた。

良美「高校の時の話ですがいいですか。」
良美が叫んだ。
少し驚きながら、
私「え!?・・・もちろん。」


◆石野良美(仮名)23歳の恐怖体験談

高一の時の話なんですけど。
奈良に居た頃、女子寮に入っていたんですよ。
その女子寮には練習室が三部屋あって。
大学は音大に行きたかったから、
ピアノの練習室がある寮を探してもらって。
結局音大には行かなかったんですが(笑い
その寮では先輩が優先的に練習室の
スケジュールを取れることが暗黙の了解になっていたの。
だから1年生の時はなかなかスケジュールが取れなくって。
そんな暗黙の了解を入ってから教えるんだもん(笑い
え〜っと、・・・寮に入って1ヶ月ぐらいが過ぎた頃かなぁ。
発表会が近づいていて、その日の夜どうしても練習したかったの。
スケジュール帳を見たら、何故か夜は開いている部屋がある。
他の部屋は予約の上に予約が書かれていて凄い状態なのによ。
気になって古いスケジュール帳見たら、全然その部屋だけ夜は使ってないの。
凄く不思議だったんで寮の先輩に聞いたら
初めは誤魔化していたんですけど、
良くある話なんだけど、デルって。
デルんだ(笑い
よ〜く考えたら、昼間もその部屋は一年生しか使ってないのよ。
先輩方は知っているから使ってなかったのね(笑い
私も昼間に使った事あったんだけど、
・・・変な感じがしたのよ。
誰かに見られているって言うか。
だからなんとなく夜は避けていたの。
でもしょうがないから、友達に付き合ってもらって
練習しましたよ。そこで。
凄いでしよ(笑い
怖いから部屋からお守りとか塩とか持ってきてね(笑い
他の練習室は4階にあるんだけど
その練習室だけ1階の食堂の奥にあって食事の時間が終わったら真っ暗なのよ。
食堂の叔母サンとか帰っちゃうしさ。
1階に管理者の叔母サンいるんだけどすぐに寝ちゃうから
廊下とか真っ暗で、そこに行くだけでも怖い怖い。(笑い
付き添ってくれた友人・・と言っても無理に連れて来たんだけど(笑い
全然霊感とか霊とまったく信じない子なんだけど、
その子が怖がっちゃって。
なんかヤバイよ。ヤバイよ。て。
そんな事考えながらやっていたから全然練習に身が入らないし。
しょうがないから早めに切り上げて帰ろうって事になって
部屋の電気消して鍵かけて・・・廊下に出たら・・・。
「タン!!」って、
鍵盤を一つだけ叩くピアノの音が聞こえたの。
えっなに!?って二人で固まっていたら
耳のそばで「ふぅ〜、ふぅ〜」って、
女性のほとんど声になっていないため息が聞えたと思ったら
今度は二回鍵盤を叩く音が。
私達悲鳴を上げながら自分の部屋に逃げ帰りましたよ。
悲鳴聞いて先輩達が来てくれたんだけど。
私達わんわん泣いちゃってさ。
その話をしたら、しょうがないよ、
あそこはデルからって、なんか納得しちゃって(笑い
管理者の叔母サンなんか痴漢じゃなくてよかった。って言ってるし(笑い
とにかく怖くて怖くて私布団を被ってすぐに寝たの。
いつの間にか寝ちゃっていたんだけど。
そしたら突然目がさめて、体が動かなくなってて・・・。
金縛りってヤツ!?
初めてだったので、も〜むちゃくちゃ怖くって。
でもね、その状態が長く続いたから
だんだん慣れてきて、余裕があったわけじゃないんだけど(笑い
体は動かないけど、目だけ動くから辺りを観察していたの。
初体験だしさ(笑い
そしたらね。
部屋の天井の隅にね、紙風船みたいなものが浮かんでいる。
えっなに!?と思って良く見たら
ソレ、天井の四隅に、それぞれ一個ずつ現れたの。
ほんと、これくらいの紙風船ぐらいの大きさで、質感もシワシワの紙みたい。
それがゆっくりと、ふわふわと上下しているのよ。
眼を凝らしてみたら、シワシワの表面についているのよ、目と鼻と口が(笑い
それに四つとも同じ顔なのよ。
訳わかんなくて、怖くって怖くって眼をつぶっていたら、
何かが枕元に座ってきた。
さすがに私も怖くって怖くって、ただ息を殺して、
どうしていいかわからないし。
そしたら、いきなり耳元で「ふぅ〜。ふぅ〜」てあの声が。
悲鳴を上げようとしたら
バタ!バタ!バタ!バタ!バタ!バタ!
布団の上から沢山の手で体を物凄い勢いで何回も叩かれたの。
恐怖で気絶したみたい(笑い
次に目がさめたら朝だったから(笑い
後日いろいろ先輩に聞いてみたんだけど
因縁めいた話は、その部屋にも寮にもないんだって。
ただ、その部屋にあるピアノが
何処から流れてきたのか素性が良くわからない中古のピアノで
霊感がある人に言わせると、そのピアノが原因じゃないかって。
よくある話で、使っていた人が事故で指が千切れて
ひけなくなって自殺したとか、借金苦に一家心中した家族から
借金のカタに持ってきたモノが、とか、いろいろ噂はあったんだけど
本当の所はよくわからなかった。
しかし、そんな不気味なピアノ使うな!!
高い寮費を取っていたくせに〜!!
以上です。(笑い

私「その後、その練習室はもちろん使わなかったよね?」
良美「もちろん・・・・使ったよ(笑い
必ず夜は開いてるし(笑い
その後は何もなかったし。
それに体験してみたら、あんなモンだったしね。」
私「あんなものって・・あんた(苦笑い」
良美「今となっては、普通出来ない体験できたから良かったかなぁ(笑い
って感じ。」
私「もし俺が体験していたらすっげ〜怖いんだけど
・・・・しかし、ものは考えようだなぁ〜」
思わず彼女の最後言葉にみょ〜に納得してしまった。


博文「あの〜、あんまり怖い話ではないんですけど・・・・ちょっとイイ話かも。」

新人の博文が俺の顔を見た。
私「実話ならOKだよ。」
博文「実話です。僕が体験した話だから。」
私「ほらほらまだあるじゃないの」

裏の表情では不気味に微笑み
表の表情では真剣なまなざしで
私は博文に注目した。
それは、どんな話でも敬意をはらい
真面目に聞くことが心霊体験談収集マニアのエチケットであったりするからだ。


◆桂木博文(仮名)の恐怖体験談

これほんの2週間前の話なんですけど。
彼女とお台場に遊びに行ったんですよ。
着いたのが昼過ぎだったんですけどね。
まぁいろいろ遊んで、そしたら川上から・・あっ・・
そいつ昔からのツレなんですけどね。
今から六本木で遊ばないか?って、携帯に電話が入ったんですよ。
行こうってことになって。
もう17時を過ぎてるし、今からならそれなりに時間かかるから
とにかく便所に行っておこうって・・・・・。
そこ左右に男女の入り口がある大きめの公衆トイレだったんだけどね。
彼女は右側、俺が左側にはいったんですよ。
そこ公園にあるトイレにしては綺麗で。
で、していたら・・・。
なんかね・・・声が聞こえですよ。
入り口にあるデカイ・・・知ってます?
そう、そう、それ!
車椅子の人とかが入れるようになっている自動ドアの個室のヤツ。
なんか、そこから声が・・・。
初めは入ってる人が困ってるのかなぁ、って、思って。
でも変なんだですよ。
よく聞いたら・・・
女の声なんだよぁ。
それも泣いているんですよ。
男トイレで。

途中で止まっちゃいましたよ。
こう見えても怖がりだから。
うぁ〜っとなって、手も洗わずトイレから飛び出て。

今の話を彼女にしょうかなぁ〜って考えていたら
彼女が青白い顔して出てきて。

彼女も同じ体験してやんの。

やっぱり女子トイレの方にも同じような個室があって
その中から、か細い女の泣き声が聞こえたんだって。
困ってるかもしれないから見に行った方がいいかなぁ、って
聞くんだけどさ、
僕も聞こえたって言ったら彼女怖がると思って黙ってて、
大丈夫だろうから、とにかく六本木に行こうって事にしたんですよ。
彼女の性格を考えたら、
普通なら行ってあげようよ、って絶対言うはずなんだけど。
優しいと言おうか、悪く言えば余計なトラブルにすぐに首をつっこみたがると言おうか。
彼女も口にはしなかったけど、なにか異常なモノを感じていたんだろうな。
その日は素直に彼女も六本木に行こうって。

でもここからがおかしくなるんです。

意識してなかったんだけど、
運転中助手席に座っていた彼女が叫ぶんですよ。

「あぶない!!」って、

そんな事が数回あって・・・不思議なんだけど
自分で言うのも変なんだけど、僕、なんか意識が変だったんですよ。
けして忘れているわけじゃないんだけど、
なんで何度も彼女が「危ない」って叫んだのか理解できていないんだ。
すごく危ない状態なのに。

後で聞いたら、
例えば信号が赤なのに飛び出そうとしたり
右側に人がいるのに右に曲がろうとしたり・・・
とにかく注意力か散漫になっていたんだって。
不思議なことに、彼女が叫んでいた事や、
運転している事は覚えているのに、その辺の処が思い出せないんです。
未だにね。
でね、なんか道迷っちゃって・・・。
何度も行ったことあるから迷うわけ無いのに・・
俺の様子も変だし、彼女が無理やり車を止めてね。
でもね、その止まったところが・・・

何処だと思います????

青山墓地。

そしたらなんだか急に気分が良くなって。
眼がさえたと言おうか・・・・スッキリして。

その後は何の問題も無く六本木に着いたんですけどね。

これって迷子になった霊を青山墓地まで送ったってことですよね。
ちょっとイイ話でしょ?

吉田「お前イイ事したんだなぁ。」
私「霊の恩返しがあったりしてな。」
博文「それは遠慮します。」
博文は大声で笑った。皆もつられて笑った。
いや・・・加代子だけが笑わなかった。
それどころか博文を睨みつけるように見ていた。
加代子「・・・・それ違うよ。」
その視線に気付いたのは私と博文だけではなかった。
そしてその一言で全員に妙な緊張が走った。
私「・・・違うって?」
加代子「だってそいつ等そんな良い霊ではないよ。
青山墓地に帰りたかったのは確かだけど、帰れないんじゃなくて、
一人では帰りたく無かったよ。」
吉田「だから送り届けて」
加代子「違うの!連れていきたかったのよ!」
吉田「えっ???」
加代子「博文君を連れていきたかったのよ。あの世に。」
吉田「なに言ってんだ。」
加代子「もし博文君が彼女と一緒じゃなかったら危なかったよ。
だって何度も事故りかけたんでしよ。ソイツ等同じ事を何度もやってるよ。」
私「一人じゃないのか?」
加代子「あああ可愛そうに、お台場で憑いて何人かをあの世に引っ張ていってる。」
吉田「わけわかんねえ。」
加代子「こいつらヤバイよ!」
吉田「もういいかげんにしろよ!!」
加代子「だって。だって・・・・」
吉田「だって、って何が?」
加代子「・・・いるよ。」
博文「・・・いるって。」
加代子「・・・まだ博文君の後ろに。」

博文を全員が一斉に見た。
沈黙。

吉田が沈黙を破るように拍手をした。
吉田「加代子ちゃん。なかなかやるね。最高!最高!
今日のキングオブ怪談は加代子ちゃん決定!!と言う事で皆帰ろう。」
なにか言いたそうな加代子の腕をつかみ
笑いながら立ち上がる吉田。
吉田の笑いにつられたか何人が同じく笑った。
しかし私は笑えなかった。
なぜなら私は吉田が立ちあがった瞬間いやなモノを見てしまったからだ。

それは・・・博文の影だけがスゥ〜と動いたのだ。
博文は動いていないのに。

だれも吉田の提案に反対する者は無かった。
私達は吉田と加代子を先頭に道路に向って歩いていった。

私達以外歩いていない道路。
皆は妙に明るく振舞ってる。
ちょっとエッチな話なんかして笑っている。ようだ。
私は吉田に追いつき、今さっき見たものを確かめようと小声で話しかけた。
吉田は私の言葉を遮るように
吉田「・・・お前も見たのか。」
私はうなずいた。
吉田「・・・やっぱりヤバイよな。丑三つ時は。まさかサンダルが。」
私「サンダル??」


◆吉田克巳(仮名)32歳の恐怖体験談

「俺達の後ろで騒いでいたカップルが気になってさ。
もしかしたらエッチでもおっぱじめないかってさ。
でもよ。観察していたら妙なことに気付いたんだよな・・・・・
確かに暗かったよ。だけどさ。月明かりとかで、けして闇じゃなかっただろう?
声しか聞こえなかったよな。・・・見えないんだよ彼らが。
で、全員が沈黙になった時。・・・アレ見ちまったんだ。
砂浜にサンダルだけが歩いていたんだ。カップルで。・・・・・
でも俺のキャラがあれだから誰も信じないだろうな、こんな話。」


私「で・・・・オチはあるのか?」

吉田「残念ながら・・・・無い。」





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