あっち世界ゾ〜ン・第参拾五「傷だらけのオーラ」

いたこ28号談



退院祝い!今だから解ける「封印」スペシャル!呪われても知らんで第一弾!!

皆さんはオーラってご存知ですか?

西城秀樹が昔歌っていた曲なのですが、

それは「ローラ」!!!「傷だらけのローラ」やろ〜!

え〜っと

ジョジョの奇妙な冒険で戦うときにキャラが叫ぶ擬音なのですが、

それは「オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ〜!!

ドイツの科学はせかぁぁぁいいちぃぃぃぃぃい〜!!」や!!

※体験談の途中ですが、
後半であと数回ボケさせてもらいますのでツッコミよろしくお願いします。

掴みはこれくらいにして。

オーラとは、見える人に言わせると生物の体を取り囲むように輝いている光だそうです。

残念ながらインターネット心霊界の織○無道と呼ばれている私は、

その名に恥じない無霊感者。

オーラなんて見たこと無いので、そう呼ばれているとしか言えないのですが。

とにかく生物にとって必要な不思議な光だそうです。

今回の話は、そのオーラにまつわる、長く封印していた、決して語られてはいけない

暗く、もの悲しい、そして因縁が絡み合う凄惨な出来事に関する実話です。

・・・・たぶん。


大学生8人がある心霊写真を撮った為にトラブルに見舞われた。


切欠は冗談だった。

酒が入ってこともあり真剣に心霊を撮影するつもりではなかった。

8人は真夜中に遊び半分で大学構内の講義室に忍び込み数枚シャッターを切った。

現像が上がった日、写真を見て驚いた。

一枚の写真に、右半分だけの髑髏が写っていたのだ。

右下にあるグランドピアノの上に、その半髑髏は浮遊しているように存在していた。

そして、それは学生達7人が見ている目の前で肉付き始めた。

右半分の髑髏に白い靄のようなモノが涌き出し見る見るそれが肉になっていったのだ。

信じられない現象が目の前で起こっていた。

写真に写っている半髑髏にリアルタイムで肉付いていくなんて・・・・・

しかし彼らはどうしたらいいのか分からず、ただ写真を見つめるしかなかった。

髑髏は右半分だけの男の顔になった。

その半男性からは異常なほどの威圧感を感じたそうだ。

これはヤバイぞ!!と、密教の修行をしているGが叫んだ。

彼は写真を鍋の中に入れ火をつけた。

炎に向かって有難い呪文を唱えるG。

日頃のGはさえない男だった。

彼らはそのGの未知なる姿を垣間見、感動すら憶えたそうだ。

勇者G頑張れ!!

しかしGは、写真が完全に灰になる前に口から泡を吹いて倒れた。

・・・・愕然とした。

後日分かるのだが彼はエセ密教者だった。

ますます事態が深刻になっていった。


写真を撮ったのは同じ寮に住む男子学生達。

この話を私にしてくれた仙道(仮名)もその中の一人だった。

お払いをしてもらうしかない!!

撮影に関わった学生は全部で8人だったのだが、

たまたまいなかったB君を除いて7人は神社に向かった。

どうしてその神社を選んだのだ?との質問に、仙道は「わからない」と答えた。

誰かが行こうと言ったわけでは無いと。

そりゃおかしいぞ!と、食い下がった私に、

信じなくてもいいが、本当だからしょうがないと・・・・・。

全員がなぜかそこに行けば何とかなると感じたから行ったとしか言えないと。

恐怖でパニッくる彼らは灰になった写真とネガをビニール袋に入れ、

余計な事?をしたために意味不明の行動や

発言を繰り返すGを引きずるように歩かせ、その神社に向かった。

三十分弱で鳥居の前に到着した。

夜の九時を過ぎていたそうだ。

彼らの知る限り、この時間は敷地内は闇のはずなのだが、

その日は何故かまるで初詣の様に照明が光々と焚かれていた。

広々とした境内が不思議な空間になっていた。

仙道は美しい光で包まれた境内を見たとき、不思議な感情がわき何故か涙が流れた。


そこには御百度踏んでいるお婆さんがいた。

年齢は70歳は超えているだろうか。

お婆さんは彼らが境内に入ると御百度をやめて彼らの方に向かって歩いて来た。

「何かありましたか?今日主人は居ませんが、

私でも解決できることかもしれないので話してみてください。」

お婆さんは、この神社の人だった。


微笑みながら話しかけるお婆さん。

彼女の声を聞いたとき彼らは不思議な安心感を感じた。

仙道は彼女に全てを話せば助けてもらえると心から感じたそうだ。

怪異に見舞われた経緯を捲し立てる様に話した。

感極まって泣きながら訴えるものもいた。

順序立てて話せる者が居なかったため、全てが伝わったとは思えなかったそうだ。

第三者から見たら、かなり危ない集団に見えただろうと

仙道はその時の様子を回想していた。

にも関わらず話を聞いた彼女は微笑みを浮かべながら本堂に招き入れた。


本堂内は不思議な世界だった。

具体的に何を見て彼らがそう思ったのか詳しく説明してくれなかったので

私には理解できないのだが、彼らは本堂内を見たとき、

ここは神社とお寺を混ぜたような場所だと理解した。


お払いが始まった。

行動がおかしくなっていたGは普通の状態に戻った。

(お払いの詳しい方法等は、他人に話しては

いけないと口止めされたらしく語ってくれませんでした。残念。)


最後の仕上げのため、お婆さんの指示に従い近くにある川に行くことになった。

その川にかかる橋に着いた時には、すでに23時は過ぎていたそうだ。

二車線ほどの広さがある車道と歩道に分かれた

かなり大きな橋なのだが、何故か車の往来がなかった。

橋の丁度中心ぐらいでお婆さんは立ち止まった。


握りこぶしぐらいの石。心霊写真とそのネガを焼いた灰。

そして秘密のモノ(これも喋ってはいけないらしい。残念)。

それからを橋の上から彼らが無言で見つめる前で川に落とし?流した。

お婆さんは祝詞のようなものを唱えた。

そしてこう言ったそうだ。

「ここから境内に入るまで決して振り向かない。」

彼らは神社に向かって歩いた。


後方に絶対何かいる。


背後から強烈に感じる恐怖とプレッシャーで何度も振り向きたい衝動に駆られた。

最後尾を歩くお婆さんが「振り向かない。振り向かない」と励まし続けて

くれなかったら、それを見てしまっていたかもしれないと仙道は語った。


なんとか無事に本堂内に到着した。

「これで縁を切ることが出来ました」

お婆さんの宣言で今回の儀式は全て終了となった。

仙道はお婆さんから出されたお茶を一口飲んだときに、やっと全てが終わっと感じたそうだ。

体と心が軽くなった。

安堵感と緊張の糸が切れた為か疲れが襲って来た。

仙道達は冷静になるにつれて多くの疑問が沸いてきた。

そして何よりもあの心霊写真に写った霊は何者だったのか???知りたかった。



お婆さんが仙道達に語った話を集約すると・・・・・


大学が建っている場所は古墳跡だ。

あの霊は決して君達を怨んでいるわけではない。

憑くつもりも無い。

しかし、強烈な怒りと怨念を発しているので、

縁を持ってしまうと何らかの災いが必ず降りかかる。

すでに「縁」を持ってしまったが・・・・。

写真に写っていた男性は百年以上前に病気で亡くなられている。

彼はかなり徳の高い修行僧。

何度目かの修行の途中に、古墳の近くで亡くなられた。

村人達によって古墳の上に手厚く葬られた。

感謝した彼はあの土地を守る者の一人になった。

長い間彼らはあの場所を守っていた。

多分君達が撮影した近くに、

その人を祭っていたもの・・・彼のお墓にあたるものがあったはず。

今はビルを建てるために古墳の一部と一緒に壊され

そこに使われていた石が討ち捨てられている。

(後日、私も確認したのたが確かに、それらしい石群が打ち捨てらていた。)

よくない事の一つに大学の正門から道路に向かっての道がある。

その道が昔修行僧達が比叡山に向かって歩くためにあった道を切ってしまっている。

道を切ったために流れが変わり良い場所が悪い場所に変わってしまった。

何も知らずに破壊していくと、あのように災いを呼び起こす土地に変わってしまう。


以上のような話を仙道達にしたそうだ。

そして

「残念ながら彼らを静めることはもう私には出来ない。」

話の最後に呟いた言葉がからわいたイメージはとても怖かったそうだ。


仙道達はこれ以上この話には関わってはいけないと体全身で感じた。

だからなぜ御百度を踏んでいたのか。私達を待っているように思えた。

つまり私たちが此処に来ることをもしかしたら知っていたのか?

・・・・その事は聞けなかった。

この件に対してこれ以上質問する者は居なかった。


驚くことに、お婆さんは彼らの病気やここにいない

彼らの親兄弟親戚までもの病気や怪我、家族間での揉め事等を言い当てた。

先程まで安らぎすら感じていたお婆さんとの会話がだんだん怖くなってきた。

彼らはとにかく寮に帰ることにした。

いや!とにかくこの場から出来るだけ早く去りたかった。

そんな彼らの様子を察したように、お婆さんは彼らに対して最後の質問をした。

顔は微笑んでいたが、目は笑っていた無かったそうだ。

鋭い眼光で彼らを睨み付けているようだった。


「もう一人いたでしょう。」

「余計なお世話かもしれないけど、彼を絶対此処につれて来る様に。」


それはB君の事だ。今日寮に居なかったB君の事だった。


※実は・・・前半は前振りだったりします。今からが今回の話のメインなのです。

すまん。ちょっと長かった(^^;


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三日が過ぎた。

あの心霊写真は学生8人で真夜中大学に忍び込み撮影したものだ。

遊び半分で幽霊が出ると噂される建物の中に入り込み撮影したのだ。

正直な話、霊が写るなんて誰も思っていなかった。

本当に軽い気持ちから、たんなる暇つぶしだったのだ。

あのお払いをしてもらった前の夜からB君は寮に戻ってこなかった。

もともと放浪癖のあるB君だったので、現像があがった

あの時まではいつもの事だと誰も心配はしていなかった。

しかし今は違った。

彼が戻ってこないことに恐怖すら感じた。

あんな怪異な現象に遭遇してしまい

ましてや、お婆さんのあの言葉を聞いてしまった7人はB君を探した。

「本当はお婆さんが怖くて、必死にB君を探したのかもしれない。」

仙道はそのときの本当の気持ちを語った。


夕方B君が帰ってきた。

7人は嫌がるB君を無理やり神社に連れて行った。

境内の前でB君は吐いたそうだ。

前回のように微笑みを浮かべながらお婆さんは彼らを迎え入れてくれた。

仙道は前回と違い、境内に入るのが不安だった。

彼らの中には恐怖すら感じていた者もいたそうだ。

お婆さんの微笑む顔が何故か怖かった。

その日もご主人(神主)は不在だった。


お婆さんはB君を正面に座らせた。

他の7人はB君の後ろから少し離れた場所に正座した。

お婆さんはB君をじっと見つめた。

そして

小さく溜息をついた。

「・・・困ったね。」

少しの沈黙。

「Bさん、あなたオーラが茶色だよ。」

彼らは全員は、その「茶色」という言葉に驚いた。

なぜならB君の存在色は「茶色」なのだ。

決して肌の色や服装が茶色というわけではない。

しかし、彼自身も、それどころか彼の部屋も、なぜか茶色を感じさせるのだ。

口には出さなかったが、そこにいる全員がB君から「茶色」を感じていたのだ。

Bのイメージは全員「茶色」だったのだ。

お婆さん「貴方の叔父さん。変死しているでしょう??」

うなずくB君。

お婆さん「・・・自ら命を絶っているよね。」

頷くB君。

お婆さん「その人、貴方のお父さんを怨んでいるよ。

貴方には理由がわかっているよね」

涙を流しながら頷くB君

お婆さん「・・・・その叔父さんがね、貴方に憑いてるよの。

このままだと、命、持って行かれるよ。」

B君の目から大粒の涙がぼろぼろと物凄い勢いで流れた。

微笑むお婆さんは彼が落ち着くのを待って次の言葉をかけるつもりのようだった。

仙道達は全てが理解できた。

あの恐ろしかったお婆さんの眼光も、強い口調も、この為だったのだ。

B君に振りかかった因縁を解決する為だったのだ。

仙道達に起こった全ての怪異な現象はこの「縁」へと繋がっていく為だったのだ。

よかったなB、御婆さんのおかげで苦しみから開放されるのだな。

お婆さんと「縁」が持てて良かったな。

仙道は先程まで感じていた不安や恐怖心が無くなり

不思議な「縁」に、今では感動から涙が自然に流れていた。

B君は安心したようだ。

涙を流す事によって心が洗われたのか落ち着きを取り戻していた。

不安げな表情はなくなり、不思議に落ちついた表情で正面からお婆さんを見つめていた。

先ほどまで下を向いてボソボソ答えていたB君はそこには居なかった。

「よろしくお願いします。」

お婆さんはB君を優しい表情で見つめかえした。

そして

「ごめん。私には払うことできんわ。」

・・・・・愕然とした。

そんな殺生な!!ここまでひっぱっといて無理ってあんた。

ショックで声を出して泣き出すB君。

予想外の展開にビビリまくる仙道達。

「こうなったら吉本新喜劇コケをするしかないと思った。」

仙道はその時のショック度を関西人なら誰でも分かるであろう表現で私に語った。


お婆さん「念が強烈過ぎる。私の力では無理。貴方自身が修行するか・・・・

払える人は確かに居る事はいるが、今はどこにいるか分からないし

・・・・でもね、貴方はどうして叔父さんが貴方に憑いているか理由を知っているよね。

だから貴方自身で何とかするしかないの。」

御婆さんは払うことは出来ないけど、

「命」を持って行かれないようにと何らかの術?を施し、そしてお守りを彼に渡した。


大学卒業後、B君がどうなったのか仙道は知らないそうです。

私も会ったことはあるのだが

確かに茶色い奴だったというイメージぐらいしかわかない仲だったので・・・・。

お婆さんとB君との会話はかなりの時間を要したそうだ。

私には、教えてくれた話の内容だけでもかなりの衝撃を受けたのだが、

本当はもっと強烈なB君家族のプライベートな事が話されたため

これ以上詳しくは教えられないと言った。

それに二人(お婆さんとB君)しか分からないような、ある重要な事柄を

隠して会話しているようで全ての意味を理解出来なかったそうだ。

仙道「・・・二人の会話を聞いていて、始めは取憑いている叔父さんは

自ら命を絶ったって言っていたけど・・・。

それが自殺だとは思えなくなったよ・・・。」

この仙道が呟いた言葉の意味は・・・・・

私にはこれ以上詳しくは聞く勇気がなかった。

「縁」を持ちたくなかったのだ。

「怨念」や「死人達」と『縁」をもつとろくな事が無いことは、経験上しっているつもりだ。

これ以上関わると危険だと、私の脳味噌が警告音を出していた。

そして私はこの話を封印する事にしたのである。


・・・・解いちゃったけど(^^;





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