あっちの世界ゾーン・第夜 「こわれた女・前篇」

いたこ28号談




あなたは十数年前に、人々を恐怖のドンドンコに落としこめた

「キャシー中島トンネル事件」を知っていますか?

遊び半分で霊に関るのは止めた方がよいと教えてくれた事件でした。

しかし、霊より恐ろしいモノ達が

氾濫している現在、人々はそんな教訓を簡単に忘れてしまう様です。

そして再びくり返すのです。・・・・・・精神をも破壊する恐怖体験談を。


こんばんわ、いたこ28号です。

今日の話も、と、う、ぜ、ん、「 実 話 」です。
                              

私が大学生だった時の話です。

一人の女性が講義に出てこなくなりました。

真面目な女性だったので、私達は心配しました。

男にでも振られたのだろうか?・・・男に振られた。

・・・・それは・・・・

「チャンスカード!」だぁぁぁぁぁぁ!

善人の皮を被った悪魔の息子を持つ私は、神奈川クリニック・・・・いや違う!

彼女の住む「コーポ瀬○」に向かう事にした。


夜の7時を少しまわっていた。

コーポ瀬○の一階102号室。

1時間待ったが彼女は戻ってこなかった。

帰宅して来た隣に住んでいる女は、

「一週間ぐらい前から、昼間は居るが夜は必ず留守。」

と、怪訝そうに話してくれた。

振られたのではなく、男ができたのか?

私は彼女の幸せを呪いながら寮を後にしようとした。

・・・腹いせに、ドアの下に「うんこ」でもしといてやろうか。

が、・・・・なにか変だ。

・・・気になる事が。

ドアの横にある炊事場の窓越しから、気になるモノが見えていた。

彼女の部屋の裏から見れば確かめられるのでは?

薄暗い裏庭の方にまわってみた。

・・・彼女の部屋の中を窓ガラスしに覗こうと・・。


異常な光景が!


そこには新聞紙が無茶苦茶に貼られていた。


窓ガラス一面に、部屋の中から新聞が貼られているのだ。


「不 幸 の 臭 い が す る。」


現場には思わず微笑んでいる私がいた。

自称「不幸の伝道師」「不幸をかぎつけるハイエナ野郎」としては、

何としても、女房を質にいれても、彼女から話を聞かなくてはならない。


次の日の午後、再び彼女の寮に「ワクワク」しながら向かってい私がいた。

・・・・・予感は当たっていた。

私は世にも恐ろしい体験談を聞いてしまうのである。

おぞましき「あっちの世界ゾーン」の話を・・・。
                

                               ・・・・・つづく。