あっち世界ゾーン・第夜 「泣いていた者・後篇」

いたこ28号談




あっちの世界ゾーン」も、ついに第九夜まで来ましたか。

・・・・・当然、わたし「100話」目指します。

百話完結の暁には、百物語の伝説様に何かが起こる!!

ちょょょょょょょょう〜、期待!!

・・・・でも後91話も書かなくては、・・・何年かかる事やら、

・・・絶句。




吉田は体験した恐怖の一夜を社長に話した。

馬鹿にされることを覚悟していたが社長の反応は違った。

何故なら、社長も女のすすり泣きを聞いていたのだ。


会社をあげて御祓いを受けることになった。

あるテレビ局の人から、有名な霊媒師(すまん、名前忘れた。)を紹介してもらった。

吉田は霊媒師を、会社に呼ぶものだと思っていたが、

大事にするのは良くないと言う理由で、社員一同霊媒師の家に行く事になった。


・・・吉田は運の悪い男だ。

吉田は新人である。

一番恐ろしい体験をしたにもかかわらず、留守番になった。

木曜日の夜8時、吉田を残し全員が霊媒師の家に向かった。

しかし、霊媒(?)は、はじめられなかった。


霊媒師は彼らにこう言った。

「・・・・会社や誰かに付いているんじゃない。・・物に付いてきている。

・・・・奏でるもの?」

社員達は、それが何か直にわかった。

奏でるもの・・・

楽 器。

・・・バイオリン。



薄汚れたバイオリンは、何故か非常階段に置かれていた。

引っ越して来た時から、其処に有ったのだ。

・・・いまだに其処に置かれている。

吉田に電話がかかって来た。

吉田は少しためらったが・・・・。


そのバイオリンは、非常識にもバイク便で霊媒師の家に届けられた。


護摩が焚かれ、霊媒がはじまった。


会社で一人留守番をしている吉田はかなりビビッていた。

霊が取り付いたバイオリンは、もう会社には無いが・・・・。

しかし、怖いものは恐い。


夜の10時。

突然、20台はある電話が一斉になりだした。

吉田は腰を抜かしそうになった。


10時・・・。

後でわかったのだが、バイオリンから霊が御祓い(?)された時だった。

・・・最後の断末魔か?供養された喜びか?


その後、残念なことに少女の霊は出なくなった。

もちろん心霊現象も、今ではまったく起こらない。



最後に、「どうして、成仏出来なかったのか?」

「どうして、霊が泣いていたのか?」

その疑問に答えたてくれた人の言葉で、この話を終わりたい。






「下顎が無い為、好きなバイオリンが弾けなかったからだよ。」

                             by 霊媒師談





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