あっちの世界ゾ〜ン第二十夜「お父さん!!」

魂魄さん談


お初です。

ひさびさのヒットページ(当社比)に巡り合えてうれしいです。

一晩、笑い明かしました(笑)

あっちの世界なハナシではないのですが、ひとつ、、、。


*お葬式のときのお話です。

主人公は私の叔父です。

寡黙で、とても真面目な方です。

その叔父が親友の子供のお葬式に行くことになりました。

火葬場にもついていきました。

その帰り道です。

ぼくは、もくもくと煙を吐き出す煙突を煽いでいました。

なんともいえない雰囲気。

光景。

そしてそして、あのにおいが漂ってきました。

はじめての経験です。

そのときです。

叔父が地面に這いつくばるようにして、大声でうなり始めました。

大声で、叫ぶように泣いているのです。

皆は親友の死んだ子供を悲しんでいるのかと、そう思いました。

しかし、

「お父さん!!お父さん!!お父さん!!お父さん!!お父さん!!・・・・・・」

ずっとずっと叫びながら泣きじゃくっていました。


後から、祖母に聞きました。

叔父は7人兄弟の下から2番目の待望の男子でした。

父方(私の祖父)は、それはそれは喜んだそうです。

しかし、生まれてまもなくその父方は亡くなりました。

お葬式を終えて、火葬場に行くとき、祖母はその叔父だけを

連れて行きました。

長男だから、、、。

祖母はそう言いました。

叔父はただただ、そのにおいだけを、父の記憶にとどめていたのです。


叔父曰く「とっても懐かしいにおいだった。親父に会えた気がした、、」



父親を亡くしてからの生活は苦しく、苦労に苦労を重ねてここまで成れたそうです。

感想なんて言えません。

でもとても幸せな気分になりました。


おしまい。





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