あっちの世界ゾ〜ン第三十九夜「真夜中の足音」

Cielさん談


私は、昔陸上自衛隊、第10師団に在籍していたんですが、その手の話は結構聞いたりしました。

それは、2人部屋(当時自衛隊の寮は、

個室では無かった。)になって、間も無い時だったと思います。

昼間の訓練が無事終わって、夜11時の消灯時間が近づき、

僕と相部屋の上司、床につくと、疲労からか、比較的早く寝たと思います。

真夜中、物音に気が付いて、目が覚めたのは二人とも同じ時間くらいでした。

と言っても、お互いに相手の気配で、

「あ、起きてるな」と感じただけで、言葉を交わしてはいませんでしたけど・・・。

自衛隊の寮は、昔のアメリカさんからのおさがりらしく、結構古い建物でして、

夜中に廊下を注意して歩かないと、結構うるさいんですよ。

基本的に宿直が夜中に歩くことがありますが、

今日の人は何故か露骨(?)に足音が響くように、廊下を行ったり来たりしているようです。

私は、「うるさいなぁ・・・」と感じながらも、

そのうち足音もやむだろうと思って、あえて文句を言いませんでした。

しかし、足音はいっこうにやみません。

とうとう、隣に居た上司が、しびれを切らして、起き上がって、扉を開けようとしました。

どうやら、私たちの部屋の前を通る時に扉を開けようと、待機しているようです。

「コツコツコツ・・・・」

足音はだんだんと近づいてきます。

「コツコツ・・・」

足音が扉の前に来た途端、彼は扉を開けました。

「ガチャ・・・」

足音は止みました・・・しかし、彼は何も言わず、扉を閉めて、また自分の床に戻って行きます。

「あれ?」

と、変に思ったんですが、何か聞くのも面倒だし、寝た振りを決め込んでいました。

しかし、かすかに彼が何かに脅えているようだとは感じていましたが。


翌朝、思い切って彼に聞いてみました。

確かに、扉を開けたそうです。

扉の向こうに、人は居ませんでした。

ただ、廊下にポツンと、

半長靴(自衛官が履くブーツ)が2足揃って、廊下に置いてあったそうです・・・


下手糞な文章ですいません(^^;

他にも、いろいろ聞いた話があるんですが、それはいずれまた。。。



※この話は、別のHPに書いた物を転載致しました。





     戻る