真・あっちの世界ゾ〜ン・第四十五夜「白昼夢」
患愚思さん談
5年ほど前のことです。 新人研修で、私は軽井沢のペンションの方に、会社の同僚の5人グループと行きました。 男性3人女性2人という組み合わせで、 どうやっても男が一人余るという(;)競争率の高い組み合わせでした。 それでも、「ま、いいか」という感じで、みんな溶け込みつつ、 上司の研修委員会の部長さん(研修指導員)も含めて、みんなで毎晩騒いでいました。 そんなある夜、みんなで1階で騒いでいると、天井からがたがた音がしていました。 最初は、みんなイタチかネズミかだろうということで片づけていたのですが、 どうも様子がおかしい。 その音自体が、まるで人間が歩いているような音でした。 「様子を見てきます」 ペンションのオーナーが、懐中電灯を持って、屋根裏に登る準備をしていました。 「きっと、猫か何かが紛れ込んで騒いでいるんだと思うので。」 オーナーは、女の子を怖がらせないように配慮して、そういいました。 「あ。俺も行きますよ」 そう言って、私とオーナーで屋根裏へとあがっていきました。 実を言うと、上司を他の奴に押しつけたかっただけなのです(笑) 屋根裏は、時期が時期というのもあって、かなり寒いものでした。 懐中電灯で、周りを照らすと、 屋根を支えてる柱と、断熱用のガラス繊維以外、なにも見えません。 「何の音だったんでしょうね?」 私がそう言うと、 「私たちが来たので、逃げてしまったのかもしれませんね。」 と、オーナー。 「じゃあ、もどりますか。」 そう言って、戻ろうとした、その時! 私は見てはいけないものを見てしまった。 懐中電灯の光に照らし出された老婆の顔が、壁から無数に生えていたのである・・・。 |
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