あっちの世界ゾ〜ン第七夜「時を超えた男」

命知らずさん談


久しぶりにあっちの世界の空気を吸いにきました。

いえ、いつも見に来ているんですけど。

今回はちょっとした話なのですが・・・

私、時を超えたことがあります。

あれは高校受験の頃でした。

解けもしない問題にうんうんうなっており、いい加減疲れていたのです。

机の上の時計を見ると、午前一時過ぎ。

えーい、いいや。

ちょっと寝ちゃおう。

そうおもって私は机の上に突っ伏しました。

それからちょっとして目を覚まして、時間の確認にまた時計を見ますと・・・

十二時五十分でした。

おや、どうして?

時計が狂ってないかどうかなど調べましたが、別に何ともありませんでした。

うーん、何だったのだろう。

友達に話したらウケは取れましたが、やはり誰も信じてくれませんでした。

本当のことなのになあ。


それと、私が以前持っていた腕時計は、とってもかわいいやつでした。

私の見ていないところでサボるのです。

時間を確かめようとして見ると、少ししてからかちっ、かちっ、と動き出す。

しかし、今までサボっているもんですから、時間の針はでたらめなんですよねえ。

そのくせ、私が目をやるとと必ず動いてくれる。

まるで「ごめんよー、ちゃんと動くからさー」と言っている様でした。

時計屋に持って行くと寿命だといわれましたが、

しばらくそのまま使い、今では引き出しの中にいます。

偶然なんでしょうけど、そんなんで愛着がわいてしまうんですよね。





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