あっちの世界ゾ〜ン第七十夜「ステレオに残った遺言」

たくさん談



ちょんびひげたさんの「10時××分」を読んで、思い出しました。

かなり前の話なので、多少曖昧になっている所が在りますが、深く考えないで下さいね。

しかも、「あっち」の話じゃないかも・・・。

もし、変だったら載せないで下さい。(でも、載せて!!)


母の友人から聞いた話です。


A君と言う少年がいました。

彼は自分で貯めたお金で、中古のステレオを買ったそうです。

これは、複線です。


A君の家の斜め向かいの家には、夫婦が住んでいました。

近所ということもあって、おばさん(奥さん)には、大変可愛がられていたそうです。

しかしその奥さん、ノイローゼ気味で、旦那さんはかなり苦労していたようでした。


ある日、その家から火事が出ました。

原因は、奥さんが自分の体に灯油をかけて火を付けた自殺だそうです。

一応のように警察がA君の家にも来て、事情聴衆していったそうです。

ちょっと不思議な所があったそうです。

自分でかけたとは思えないほど、奇麗に全身灯油がかかっていたそうです。

もちろん助かりませんでした。


さて、ここでステレオの登場です。

ある日を境に、ステレオが夜な夜な勝手に鳴り始めるそうです。

そこで、電気屋さんに見てもらいましたが、特に以上はなかったようです。

まあ、CDやテープを入れておかなければ、

音は出ないので気にはしていなかったんですが、

鳴り始めるようになった「ある日」というのが、

例の奥さんの自殺した日だったと言うのが、彼は気がかりでした。


A君には、警察に話していない「秘密」があったのです。

それは、あの旦那さんが火事の起きた時間に、その家に居たという事でした。

かれの部屋からは、その家が見えるのですが、火の手が上がる少し前に、

慌てたように、旦那さんが家から出て行くのを見たそうです。

しかし旦那さんは出火した時間、会社に居たと証言していたとの事でした。

この話を、A君の母親にしたところ、

「滅多な事を、言うもんじゃない。」と言って、それ以上何も言わないそうです。


A君は今でも、

「きっとおばさんが、この事を公表して、恨みを晴らしてって言ってるんだよ。」

と、言っているようです。




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