あっちの世界ゾ〜ン第七十参夜「続く悪夢」

彦さん談



タイトルは「続く悪夢」といった感じでしょうか・・・

はじめまして、彦ともうします。

HP楽しく見させてもらっています。

Cielさんの夢の話を読んで自分にもあったなぁ、と思いだし書き込もうと思います。

といっても私の場合悪夢のたぐいです。


その夢は小学校の1年生から4、5年生くらいまでの間、毎年1回という割合で見ていました。

そして、見る度に少しずつ話は進展していきました。

夢の中で私は放課後の学校の中を友人達と遊んでいます。

第一校舎と第二校舎をつなぐ連絡通路から夕日が射し込んでいたので、

時間的には4時かそれくらいの時間でしょうか。

ともかく友人達と共に教室群のある第一校舎から特殊教室

(理科室や音楽室など)のある第二校舎へとかけてくるのです。

すると、見知った第二校舎の2階の風景が異なっています。

図書室のあるべき場所に重く丈夫なワイヤーの入ったガラス戸があり、

そこから先へと連絡通路というか階段が下っているのです。

私の通っていた小学校は第二校舎までで、第三校舎など存在しません。

私と友人達はその第三校舎と思われる校舎を探検してみよう、

ということになり、その扉を開け階段を下って行きます。

階段は非常に長く入り口からは出口が小さな窓ていどの大きさに見えました。

しかも、その階段には窓が一切なく、照明もないのですが、何故か白く照らされていました。

というよりも、足下、天井、壁全てが白く発光していたような気もします。

そしてようやく出口にたどり着き、入り口と同じような扉を開き中に入ります。

すると、階段と同じような全面白の世界。

扉から正面に見た壁には窓や凹凸のたぐいは一切なく、

左右を見てみるとその先が見えなくなるまで廊下が続いています。

ただし、ガラスの扉のある面には均等にドアが並び

これも果てしなく見えなくなるまで並んでいました。

私たちは二組に分かれて探索しようということになり、

数人に分かれ、私のいる方が左手を、もう一方の組は右手を探索することになりました。

右手組は「行くぞ」といって果てしない廊下を

ひたすら駆けて行き、まもなく私達の視界から消えました。

そこで私たちも探索を始めようととりあえず、一番近いドアから入ってみることにしました。

ドアを開けその中に入ると、今度は廊下とは対象的に黒の世界です。

単純に照明がなく暗かったのかもしれません。

私たちは別段恐れるでもなくその闇の中へ入って行きました。

中は視界ゼロで全く何も見えません。

ドアは開けてあるので光が射しても良さそうですが、

全くなにも見えないので手探りで進むと、ありがちなのですが、ドアが勝手に閉まりました。

そこで始めて恐怖を感じた私たちはドアの在ったであろう場所へと駆けていきました。

ドアは何故か開きません。

しばらくドアに向かっていると、部屋の中に気配を感じます。

部屋の奥の方から音が聞こえてくるのです。

カラ、カラ、コロ・・・カラ、カラ、コロ・・・

なにか乾いた棒きれでも引きずるかのような音が次第に増してきます。

音はすぐそばまで来ています。

私たちは必至でドアを開けようとしました。

その時、

「ギャー、イタイ、イタイ」

友人の叫び声が聞こえます。

闇の中で何が起きたのか分かりませんが、私たちも恐怖で必至です。

すると、今まで頑として開かなかったドアが、意図も簡単に開きました。

「よし逃げるぞ!」

といって部屋から抜け出し部屋の中を省みると(何故かこの時は部屋の中を見渡せた)

無数のガイコツ達がゆっくりとこちらに向かってきます。

その中の一体は私の友人を食べていました。

しかし、骨しかない彼らは食べた物がすべて流れ落ちていってしまいます。

顎から肋骨にかけて血みどろのガイコツはなおも友人を咀嚼しています。

目や鼻、耳といった断片も骨にひっかかっているのが見えました。

もう、どうなっているのか分かりません。

とにかくこのドアを閉めよう。

そう思いドアを閉じたのですが、

見ると通路に面したドアが全て開け放たれているではありませんか!!

そして、そこから無数のガイコツ達がゆっくりと乾いた音を立てて向かってくるのです。

彼らは何か満たされない空腹に飢えている用に見えました。

丁度、映画のゾンビのような感じでした。

私たちは入ってきたガラス戸へと逃げ帰りました。

ですが、ここがまた開かないのです。

ぐずぐずしているうちにガイコツの群に取り囲まれ、また友人が餌食になりました。

すると、また扉が開くのです。

なんとなく、分かりました。

扉を開くためには餌食となる人が必要なのだと。

そして、残ったのは私ともう一人の友人の二人だけ。

ともかく、来た階段を上りました。

しかし、何故か思うように足は動かず、

階段の途中でもう一人の友人もガイコツ達の餌食となりました。

私の中では、もう少しで最後の扉まで行けたのにという気持ちと、

悔しさは在りましたが、友人を失うという悲しさみたいなものは一切在りませんでした。

そして私だけが階段の入り口にあるガラスの扉にたどり着くことが出来たのです。

ですが、これまで同様扉は開きません。

私も必至で扉をたたきました。

心の中では神様に祈りも捧げていました。

ガイコツは友人の手や足を咀嚼しながら、

それでも満たされない飢えを満たそうと私のすぐそばまで来ています。

もうダメだ!

と思った時、扉が開きました。

私は唖然と第二校舎へと足を踏み出しました。

するとガイコツ達は何事も無かったかのように引き上げていきます。

そして、校内放送のような、あるいは私の脳に直接響くような声が聞こえてくるのです。

「おまえは逃げられはしない」

と・・・

校舎の窓からは夕日が射し込んでいたのを覚えています。

そして、ここで連続した夢も終了となりました。

ここまでは要所要所で夢が終わり、次に見る時には少しずつ続きが見れたのですが、

これ以降この夢を見ることはなくなりました。


この夢を見たときはいつも全身に汗をかいてガバッと布団から

跳ね出るように目覚めるのですが、それ以外にこれといった害が在るわけでもありません。

ただ、小学生の自分にはこの上ない恐怖であり、

好んで見たいと思う夢では在りませんでした。

まぁ、続きの在る夢なんてそんなに不思議でも何でも無いのかもしれませんね。

長文駄文失礼しました。




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