あっちの世界ゾ〜ン第七十八夜「これは本人に聞きました。」

硬くて太いさん談



続けて。

私が大学3年生の時、つまり今より硬くて太くて、

さらにはへそにメリ込まんばかりのワガママ息子をもてあましていた日々に聞いた話です。


当時(1993年頃)私は「サラリーマン」になるなどとは夢にも思わず

アニメの声優になるんだ!という小学生の頃からの夢を追い、

某「Aーツビジョン」という事務所付属の

某「N本ナレーション演技研究所(通称日○レ)」という所に通っていました。


同期や後輩には「Sいなへきる」さんと「Mやむら優子」さんがいるのですが、

「Mやむら」さんと同じ師匠についた時に聞いた話です。


師匠のTさん、かなり年期の入った役者で、今でも第一線で活躍している声優さんです。


彼がやはりまだ硬くて太かった頃、

台東区の吉原近辺の工場でアルバイトをしていたそうです。

工場でアルバイトをして、

そのまま工場の宿直室で泊ることが許可されているという労働条件でした。


彼が夜眠っていると、頭の下の方から


「ドォーーン・・・・・・・」

「ドォーーン・・・・・・・」


という音がするのです。


何だろう?


彼は気にはなりましたが、音がするだけです。

まして自分の頭の下から聞こえてくる音。


どうしようもないやー。


彼はそのまま寝てしまいました。


そして翌朝。

工場の人にその話をしました。

そこで判明したことは。


そこはやはり吉原という土地柄、昔遊郭があり、沢山の女性が体を売っていたというのです。

昔は今のように(?)性病に関する知識や予防策がありません。

その手の病気にかかった女性はそこで働く「価値」が無くなり、

食べる手段にも困ってしまい、結局身を投げて自らの人生を絶っていたのだそうです。


彼が聞いた「ドォーーン・・・・・・・」という音は、

彼女らが身を投げた、「井戸」の水しぶきの音だそうです。


という話を聞き終わり、彼が酔いつぶれて寝てしまった後。

同じ話を聞いていた数名が。


「・・・・話の最中、来てなかった?」

「うん、いた。」

「あっちだよね。」

「そ、ドアの向こうの廊下の所。」


だって。

全然霊感がなくて、性欲は人の3倍ある私も、

その時ばかりは

「う〜、恐い話だ」

ではなく、

「・・・やばい。」

と思っちゃいました。

てへ。




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