あっちの世界ゾ〜ン第九十八夜「おばあさまの膝掛け」

ノラ♪さん談


初めまして♪

友人に教えてもらっていらい、いつも楽しく(?)読ませてもらってます。

だからと言ってはなんですが……

今日は、私が聞いた中で一番恐かった話ししますね♪


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だいぶ前ですが、私の友人の先輩の方が体験した話です。

私の友人は、九州の某女子校に通っていました。

いわゆる「ええとこのお嬢様学校」と呼ばれるトコです。

でも、私の友人は、九州男児のように豪快な女の子でしたが…。


しかし、その先輩…そうですね。…仮に真弓ちゃんとしましょう。

……は、本当にいいトコの娘さんのようで、家もでっかいのです。

昔ながらの日本家屋です。

立派な廊下の左右に座敷がいくつもあり、駅でタクシーを捕まえてその子の名字を言うと、

住所を言わないでも着いてしまうような、名門のおうちです。(本当)


イイトコの娘さんですから、私らが「おばあちゃん」と呼ぶ祖母のことも

「おばあさま」と呼ぶのです。

これには、私も友人もびっくりしました。

当然、母ちゃんも「お母様」で、オヤジさんも「お父様」……。

庶民とは、呼び方さえも違うのです。


さて、ある寒い時期に、そのおばあさまが寿命で亡くなりました。

先輩、真弓ちゃんは、試験期間中にもかかわらず、お葬式の為に欠席です。

当然、家でお葬式です。

広いですから、親戚が何人来ても平気です。


そして、庶民にはあまり縁のない、故人の「形見分け」というのを親戚一同でしたそうです。

死んだ人の大切な物などを、身内に分けるものですね。


真弓ちゃんは、おばあさまがいつも膝にかけていた緑色の膝掛けを貰うことにしました。

縦に二つ折りにすれば、マフラーになりそうだったからです。

寒い時期だったので、学校に行く時に使うつもりだったのでしょう。


さてさて、お葬式は盛大に執り行われ、

無事におばあさまは焼かれ、骨になりました。<無事?


ここで、真弓ちゃんの家の間取りを、ちょっと簡単に説明しますと〜。


このような部屋が沢山あるのです。→

……真ん中が廊下と想像してください。(謎)


その夜。

その、左上におばあさまの位牌と、お骨を仮安置されました。

その、左下は、コタツがある部屋だったらしく真弓ちゃんが試験勉強をしていました。

おばあさまの部屋を背にして……。

右上の座敷には、ご両親が寝るはずです。

まだ、葬式の後片付けがるのか、起きているようです。

ちなみに、弟のタカシくんは右下の部屋で早々と寝ています。

小学生ですから、しょうがないですね。

真弓ちゃんも、試験勉強が終わったら、タカシ君の部屋の、

もうひとつ向こうの部屋で寝る予定です。

とにかく広い豪邸です。

座敷ばっかだけど。(死)


試験勉強も佳境にせまった深夜近く。

真弓ちゃんは、肩のあたりが寒くカンジました。

コタツで足はぬくぬくですが、やはり何かかけるものが欲しくなりました。

「あ、そうだ。」

そうそう。

今日、貰ったばっかりの、おばあさまの膝掛け!

ナイス名案。(謎)


もそもそと肩にそれをかけて、また、ノートに目をやった時…。

「何かに見られてるようなカンジ」を感じたそうです。

彼女は、まったく霊感がありません。

私の九州男児のような友の方があるくらいです。

(だから、相談したんだろうな)


ウナジのあたりをス〜っと寒い風が吹き抜けるような、そんな感じを覚え、

真弓ちゃんは後ろを振り向きました。

霊とか、そんなものを疑ってはいませんので、あっさり向きます。


そしたら、なんのコトはございません。

背にした障子(これまた立派な)が、15センチ程開いていたのです。

そう。

おばあさまの位牌やらを仮安置してある部屋です。

真弓ちゃんは、

「ああ、だからス〜ス〜しよったんね。」と、納得して少しだけコタツから

身を捩って身体を反転させました。

そして、何気に真弓ちゃんは、視線を一番下に落としたのです。


その時。


おばあさまの顔がありました。


どう言ったら説明できるのでしょう…。

(友人は紙に描いてくれましたが)

身体をぴったりと障子につけて、横になって、それなのに、顔は正面を向いているのです。

生首ではありません。

身体は横になってるのに、無理に正面を向いて、障子の隙間の下の方から見ている感じです。

そして、ソレは実際のおばあさまよりも顏が小さかったようだと後に言っていました。


一瞬、何があったのか解らなかった真弓ちゃんですが、

目があった瞬間、「ぎゃーーーーー!!!!」と、あられもなく叫び、

廊下を隔てた弟のタカシくんのトコに飛び込んだのです。


眠っているタカシ君を激しく揺さぶりながら、

「おばあさまが!おばあさまが!!」と叫びました。

パニック状態です。

もちろん、騒ぎを聞きつけたご両親も部屋に走ってきました。

すると、先ほどまで爆睡していたタカシ君が、急に起き上がり……

「おばあさまの位牌が倒れたよぉ〜。」

寝ぼけまなこで言ったのです。


「ナニ言っとんの!?」

真弓ちゃんも、ご両親も怪訝な顔をしてタカシ君に質問します。

すると、直ぐにタカシ君は「は?」と言って、今自分が喋ったコトを覚えてないようです。


「そりゃそうと、何のあったとね?」

ご両親の質問に、真弓ちゃんは、慌ててさっき見たコトを説明しました。


「そげな馬鹿なコトのあるもんねえ。(笑)」ってなカンジで、ご両親は

真弓ちゃんを連れて、真弓ちゃんが勉強していた部屋に行きました。


15センチほど開いている障子の下には、もちろんおばあさまは居ません。

(居たら面白かったのに)


それから、お父さんがそっと、障子を開くと、そこには台から転げ落ちている、

おばあさまの位牌が座敷の真ん中にポツンとあったそうです。


その後、やはりタカシ君は「そんなコト言ってない」と言い、

あの緑色の膝掛けは、「よっぽど気に入ってたんやろう」と言うことで

オチがつき、おばあさまのトコに返してやったそうです。


それから、別に小さいおばあさまの顔は見てないそうですので、きっとそうなのでしょう。


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……以上です。

あんまし恐くなかったけど、その説明してくれた友人の描いた絵は

本当に死ぬほど恐かったんですぅ。(涙)

ちなみに、この話、福岡の某ローカル深夜番組で読まれてテレカをもらったことあるんです♪

(だから、どうってないのですが…(汗))


では、また機会があれば、投稿いたしますね。

長文、駄文すいませんでした。(ノ_ _)ノ




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