あっちの世界ゾ〜ン第九十九夜「百夜達成祝い」

命知らずさん談


百夜達成祝いにこの話をお納めします。

本当は他の話を考えていたのですが、今を逃すと伝える機会がもうなくなる気がします。

果たしてこの話があっちかこっちか。

それは皆さんの判断にお任せします。

話自体は他愛ないものです。


2ヶ月と少し前。

私がこの「あっちの世界ゾーン」に載っている話を全て読み終えた日の話です。

研究室で夜中に一人、こうした作品群を読み進めるのはなかなかくるものがあり、

元来怖い物好きの私はすっかりはまり込み、一週間ほどで読破していました。

そして記念として、初めて「あっち」の掲示板に書き込みをして帰路につきました。

その夜のことです。

私は夢を見ました。

内容は全く覚えていません。

ただ最後のイメージとして覚えているのは、ベッドに仰向けに横たわる自分、ただそれだけです。

そして私は急に夢から覚めました。

覚めたばかりなのになぜか意識が冴え渡っており、

私は夢の最後のシーンと全く同じ状態で横たわっていることに気が付きました。

(私は寝相が悪い方で、仰向けで目覚めることはめったにありません)

そして突然の凄まじい恐怖感に襲われたのです。

身体を動かすことが出来ませんでした。

一般にいう金縛りとは違います。動かしたくても動かせないのではなく、

恐怖のあまり動けなかったのです。

私は起きた時から目を開けずに瞑りつづけていました。

部屋の中、何かが眼前にいて、私の顔をのぞき込んでいる。そう感じていたからです。

私の命を奪える何かがこの部屋にいる。

馬鹿げた話ですが、部屋の中にトラか猛獣かがいて、私に食い付こうと狙っている。

指一本でも動かせば、襲いかかってくる。

そう私は確信していました。

私は今まで二度ほど死を覚悟したことがあります。

予想外のことに悲鳴をあげたこともあります。

しかしこのときの恐怖はそのどれもはるかに上回るものでした。

「覚悟」する心の余裕などどこにもなかったのです。

何にどうして恐怖しているかもわかりませんでした。

そして不思議なことに、私はそれほどの恐怖にも関わらず、知らず知らず眠っていました。

しかし、また同じ夢を見るのです。

内容はわからないのです(恐怖のせいかもしれません)。

しかし最後のイメージとしてベッドに仰向けに横たわる自分があり、

目を覚ますと夢と同じ姿の自分がいて、先程と同じ恐怖が襲いかかって来る・・・

それがこの夜は何回も続きました。

私は心の中で

「絶対あのHPのせいだ。もう二度といくもんか」

そうつぶやいていました。

冗談のように聞こえるでしょうが、このときは本気でした。

本当に気が狂いそうな恐怖だったのです。

結局恐怖がやわらいで、なんとか身体が動かせるようになった時には外が白んでいました。

次の夜は寝るのが恐ろしかったのですが、結局何も起こりませんでした。

あの夜感じた恐怖が何だったのか。

目を開けたらとんでもないことになっていたのか、「な〜んだ」で済ませられたのか。

今となってはわかりませんが、私はきっとこっちの出来事だったのだと思っています。

あれ以来懲りずにこのHPに顔を出し、

書き込みをしていても、霊障らしきことは起きていませんから。

もしこれを書いた今晩何かが起きたのなら、考えを改めるでしょうが。

でも本当に、何であれほどの恐怖を感じたのでしょうかね。




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