あっちの世界ゾ〜ン第四十壱夜「あれはなんなんですかね」

浩介さん談


この間、近くの小学校の隣にある広場があって、そこに犬を連れて散歩に行きました。

そこでは日曜には小学生のサッカーの試合に使われているんですけど、

その日は平日の夕方で人は一人もいなかった。

犬の綱を放して、

広場の端っこにあるサッカーのセコンド席みたいなところのベンチに座っていました。

するといつの間にか眠ってしまっていたらしく、あたりはすでに真っ暗になっていました。

立ち上がろうとしたとき、

ふと気配を感じて横をみたら帽子をかぶった小さな子供がすぐ横に座っていました。

時計を見るとすでに8時をまわっています。

ぼくはその子供に、「まだ帰らなくていいの?」と、話しかけました。

でもなにも答えません。

無愛想なガキだと思ってぼくは立ち上がって犬を探しました。

でも呼んでも来ません。

どうやら勝手に家に帰ってしまったようです。

仕方なくぼくは家に帰ることにしました。

家に帰る途中、ふと気づきました。

綱を忘れていたのです。

ぼくはきっとあのベンチだと思ってとりにいくことにしました。

そして広場のベンチの中に再びはいりました。

そしてベンチにたどり着くと、やはりベンチの上に綱が置いてありました。

手に取るとなぜか綱がまるで水に浸したみたいにグショグショにぬれていました。

そこにはさっきまで子供が座っていました。

まさかあの子供がこの上にお漏らししたのでは!と思い、

においを嗅いで見ました(アホか)。

でもまったくの無臭です。

なぜか急に怖くなってそこから走って帰りました。

全力疾走で。


これって霊体験なんですかね?





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