あっちの世界ゾ〜ン第四十七夜「ポルターガイスト」

かおりんさん談


私の友達が住んでいたアパートはちょっと危険なところにありました。

エレベーターの中に銃弾のあとがあったり、血痕がついていたり。

夜に銃声が聞こえるのはしょっちゅう。

でも家賃が非常に安い。

そのアパートは2LDKでしたので、彼は2人のルームメイトとそこに移り住むことに決めました。

彼らが引っ越してから1週間ぐらいたってから、奇妙なことが起こりだしました。

ある晩、ドアを激しく叩く音で友人は目を覚ました。

アパートの周りには怪しい人が多いからその類だろうと、

最初は気にもとめていなかったのですが、

あまりにもうるさいのでだんだん腹が立ち始めたそうです。

そこで怒鳴ってやろうと、激しく叩かれているドアを勢いとく開けたのですが、誰もいません。

ドアを閉めて部屋に戻ると、また激しくドアを叩く音が…

で、またドアを開けに行ったそうですが、外には誰もいません。

そんなこんなを繰り返すうちに、彼もあきらめて寝たそうです。

こんな事が起きたのにもかかわらず、彼は幽霊さんの存在を否定していました。

それからしばらくして、キッチンでお皿がガチャガチャいう音が聞こえたり、

蛇口をひねる音が頻繁に聞こえだしました。

置いてあったものが移動していたり、なくなったり。

3人で共同生活しているのだから仕方がない、と彼は思っていたそうです。


ある日のこと、彼ら3人はリビングでポーカーに興じていました。

あーだこーだ言いながら楽しんでいると、キッチンで蛇口をひねる音がします。

誰かがキッチンに行ったんだ、と一瞬思ってはっとしました。

3人ともリビングにいるではありませんか。

慌てて3人してキッチンへ行ったところ、水がひとりでに流れていました。

玄関のドアが開いてるのではと確認したそうですが、きちんとかかっていました。

しばらくの間、彼はそのアパートで暮らしていましたが、

ポルターガイスト現象がない日はなかったそうです。


彼いわく、

「幽霊より、うちの近所の人のほうが怖い。何しろ銃の打ち合いをしているからな。」


確かに…





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