あっちの世界ゾ〜ン第七十夜「足が・・・」

ミックスさん談


はじめまして。ミックス、と申します。

仕事中に同僚の目を盗みつつ、楽しく愛読させていただいております。

私自身は、そういう体験を幸いにも(?)した事はないのですが、

まわりにはそういう子がたくさんいます。

なかでも、Tくんは、ロン毛で、かっこよくて、違った意味で

私の自慢の友達なのですが、あっち系でも自慢の(?)友達です。

彼の体験した話を、今回は紹介させていただきます。

(あんまり怖くないかも知れませんが・・・。)


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Tくんは、今でこそロン毛で、顔もかっこよくて、いまどきの24歳って感じですが、

高校時代は、野球部に所属していて、坊主頭のあどけない少年でした。

彼は、グランドで血と汗と涙を流し、青春を謳歌していたそうです。

突然ですが、彼の高校には、校庭にトイレがありました。

でも、トイレのドアには、校長先生の書いた達筆で

「このトイレの使用を禁ず」

という貼り紙がしてあり、ドアもベニヤ板で、がっちり、ふさいでありました。

噂では、昔、そのトイレで女の人が流産して、その子供が出る、と言われており、

生徒はもちろん、教師でさえも、近づく者はなかったそうです。


さて。

当時高校3年生だったTくんは、部活を引退する時期に来ていました。

血と汗と涙の3年間も、つらかったけど、もう少しで終わり。

そう思うと、嫌だ嫌だと思っていた部活も、なんとなく名残惜しい

ような気持ちになり、その頃、連日連夜、遅くまでやっていたそうです。

その日も、夜の10時頃でしょうか。

時計をみたらそんな時間になっていたので、

Tくんをはじめとする部員たちは、急いで片付けを始めました。

そんな中、Tくんは急にトイレに行きたくなってしまったのです。

やべえ・・・・

どうしよう。

とりあえず、部員たちには「トイレ行ってくる」と言って、校庭を走って行きました。

しかし、そんな時間に校舎は開いているはずもない。

開いてたとしても、怖くて決して入りたくない。

そうです。

Tくんは見えるくせに、怖がりなのです。

校舎のトイレになんて行ったら・・・きっと、見てしまう。

かといって、そこら辺ですると、怒られる。

誰にも見られず、かつ、怖くない所・・・。

そうだ。

テニス部の部室の近くの草むら。そこだ!

と、トイレを頭の中に設定した彼は、一目散に走りました。

その時。

テニス部にいくには、例の、校庭にあるトイレ。

あそこの前を通らなきゃいけないんだ。

Tくん、またビビリました。

しかし、今回は尿意が勝ちました。

いや、でも、見なければいいんだ、そうだそうだ。

そう思って、例のトイレの前を横切ろうとした、その時です。

彼は、ついなんとなく、浅はかにも、トイレのほうを見てしまったのです。

彼の目は、「何か」をとらえました。

トイレのドアが、開き始めたのです。

え?

と彼は思いました。

だってトイレのドアは、ふさがれてるじゃん・・・・。すっげぇ頑丈に。

もうTくんの目は釘付けです。

なおもドアはががががが・・・と開いていきます。

そして、その半開きになったドアから、何かが、出てきたのです。

それは・・・・足。

でも、足から上は、ない。

ほんとうに足だけの人が、見えたのです。

ちょうど、ライトに照らされたように足だけが・・・。

Tくんは驚きすぎて、声もでません。

そして、その足だけの人は、Tくんに向かって、歩き出したのです。

っきゃあああああああああああ

Tくん、尿意も忘れて、部員たちの所へ逃げて行ったそうです。

そして片づけもそこそこに、みんなで集団下校した(笑)そうです。


いやー、まーじ怖かったね。

あのまま動けなかったら、

俺はどうなってたのかとか考えると怖すぎて夜も眠れないよ。

と、人一倍寝つきのいいTくんは笑っていました。


・・・あんまり怖くないような気がしますが、これでおしまいです。

もっと怖い話もあるので、また紹介したいと思います。

読みにくい文章で、すいませんでした。

それではまた・・・・。





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